2016年7月12日 (火)

ローン・ウルフ型とローン・パック型のテロ

ここんところ、物騒な事件が相次いでいる。
フロリダ州オーランドではナイトクラブで50人以上がテロの犠牲になった。ルイジアナとミネアポリスでは警官が丸腰の市民を射殺し、それに怒った若者が警官7名を射殺し、立て続けに血なまぐさい事件が続いた。
日本大使館からも、在外邦人向けの注意喚起メールが届いている。いわく、週末に人の集まる場所に近寄るな、デモを見かけたら興味本位で近寄らず、身の安全を確保せよ。
ニュースを見ていて思うのは、銃による事件は非常に唐突だと言うことだ。
平和な日常のある瞬間、突然銃撃が始まり、あっという間にまわりが死んでいく。同僚が死に、友人が死ぬ。楽しいドライブの最中に、となりの恋人が突然に血まみれの死体に変る。二度と戻ることはない。
そういうことが日常的に起こりうるのだということを、一連の事件は見せつけた。

きょうの朝刊で、となりの州でテロを企てた男が逮捕されたというニュースを読んだ。
犯人は、テロのターゲットとなる建築物を撮影していたところを捕まったという。この男は、Twitterでイスラム国への共感や、テロを思わせる発言をしていて当局から目をつけられていたそうだ。
先日同様に逮捕された男の、どうやらシンパらしい。二人組、いわゆるローン・パック(孤立部隊)型だろう。

昨今のテロリズム事情は、悪化しているように思う。
皮肉なことに、イスラム国の本体が弱体化するとともに、オーランドの事件のようなローン・ウルフ(一匹狼)型、あるいはローン・パック型のテロは増えている。
彼らは組織化されず、イスラム国との直接の関連もない。なにせ一人ないし数名程度なので意志決定は早く、活動を事前に察知することも困難だ。

組織化されていない、イスラム国への共感を示す、一人か二人のテロ活動。防ぎようがないと思う。

テロとの戦い、と言う言葉をはじめて聞いたのは、ジョージ・ブッシュ政権の時だろうか。ぼくが最初にこの言葉を聞いたとき、かすかな疑問をおぼえた。われわれはテロリストとそうでない人を、いったいどのように区別するのだろうか。
たとえ銃を持たなくとも、潜在的なシンパ、例えばテロリストに自分名義の携帯電話を貸す人はテロリストだろうか。それを黙認する家族もテロリストだろうか。
あるいはまだなんの行動も起こしていないけど、こころの中でアメリカや西側諸国にはげしい嫌悪感を感じている人は、潜在的テロリストだろうか。

テロリスト、テログループ、イスラム国、そういった人や集団は、われわれとはちがう、狂気の集団。奴らをやっつければ悪は消え、世界は平和になる。そんなカリカチュアライズされたイメージを、テロとの戦いという単純な言葉の影に感じる。背景にあるのは、非常に単純な善悪観、二分法だ。ハリウッド映画、たとえばエアフォースワンのように「悪いテロリスト」と「それ以外の善意の人たち」がはっきりと別れていれば、こんなに楽なことはない。
でも現実には、テロリストとそうでない人との境目は非常にあいまいだ。悪人をやっつければ世界に平和が訪れるというのは、アメリカという超大国がずっと昔から持っていて、そしてずっと失敗し続けているマインドセットだ。幻想と言ってもいいだろう。

今回逮捕されたローンウルフ型の犯人は、アメリカ人だ。彼の先祖は中東の出身かも知れない。名前も先祖にあやかって中東風の名前がついている。でも、アメリカで生まれ、アメリカの市民権を持つものはすべてアメリカ人だ。もし犯人の父母が中東出身だからと言う理由で、彼をアメリカ人ではないと断じれば、アメリカはアイデンティティを失うだろう。この国ではネイティブ・アメリカン以外の人間は、すべて移民か移民の子孫なのだから。
つまり、イスラム国やテロとの戦いは、どこか遠くにいる悪いテロリストが攻撃してくるのではなく、いまやアメリカ人がアメリカ国内でアメリカ人に銃を向け、引き金を引く。そういうものすごく分かりにくく、あやふやな戦いに変質してしまった。
潜在的テロリストとは、アメリカ中に散在している「こころの中でイスラム国への共感を抱いている者」「こころの中でアメリカを憎悪している者」たちだ。そんなものを一人残らずあぶり出すことが可能なのだろうか。
テロとの戦いとは、いまや内戦ですらない、「人の心のありよう」という、観念的で内面的な問題になってしまった。

今回、となりの州で未遂犯が捕まった事件は、Twitterのつぶやきが決め手だった。しかし、不用意なTwitter使用が逮捕につながると報道された以上、同じ手は通用しないだろう。残りのローン・ウルフたちは黙って銃を手に入れ、現場を選定し、引き金を引くだろう。
アメリカはどうするんだろうか。
最適解は分かりきっている。銃を規制すること。そして中東出身者やイスラム教徒への風当たりや弾圧がないように呼びかけること。調和と平和の方針を強く打ち出すこと。
でもおそらく、銃による大量殺人が起こるにつれ、銃の購入は増えるだろう。そして某大統領候補のように、イスラム教徒排斥を公言する人も増えるだろう。
疎外され、不当に差別されていると感じれば、それは怒りにつながる。アメリカ社会に対する不満や怒りが募り、そこに簡単に自動小銃が入手できる環境が加われば、あっという間にローン・ウルフ型テロリストのできあがりだ。

なんとなくなんだけど、オーランド事件の犯人や今回となりの州で捕まった犯人は、崇高な理念を持っているようには思えない。イスラム国へのシンパシーなんてのは後付けで、結局は社会に対するフラストレーションが犯行の直接の原因ではないだろうかと思う。
アメリカに来て感じるのは、この国の独特のコミュニケーションスタイルだ。
この国では、みずからコミュニケーションを求めるものにはみな応えてくれる。しかし、コミュニケーションを求めない人、コミュニケーションが不得手な人、内向的で人に話しかけられない人には冷たい。
いや、冷たいというのとはちょっとちがうな。
自分からアクションを起こさない人、人に話しかけない人には「誰も気がつかない」のである。そこにその人がいること自体が忘れられ、あたかも存在しないかのようにあつかわれる。もちろん、誰も悪気はない。悪気はないんだけど、黙っているだけで誰かが気にかけてくれる、などということはあり得ない。
そういう社会にあっては、積極的に人と関わるのが苦手な人は、あっという間に社会からこぼれ落ちて行ってしまう。人が生きていくためにはなにがしかのアイデンティティが必要だ。そしてイスラム国は、周囲を憎む者にその怒りの正当性を与え、イスラム原理主義(ですらないのだけど)という新しいアイデンティティを与える。そして、テロリストが生まれていく。
突き詰めるところ、オウム真理教に惹かれていった若者たちと共通した心理なのではないだろうか。
だとしたら、銃規制とともに、テロリスト予備軍へのサポーティブな働きかけが必要だと思う。
ちゃんと仕事があり、話し合える家族や友人がいて、社会に参加している実感が持てれば、人混みに向けて銃を撃つなどと言うことはなくなるのではないかと思う。
甘い?そうかも知れない。しかし少なくとも、イスラム教を弾圧したり、イスラム風の名前を持つ者を白眼視すれば、今後ますますローン・ウルフたちは増えていくだろう。そして安価で軽くて精度が高い銃の販売は、次の大量殺戮を引き起こすだろう。
平和的な解決策が執られることを願ってやまない。

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2008年5月27日 (火)

自殺報道

自殺の報道が相次いでいる。
しばらく前の騒動がようやく一段落したと思ったら、また新たな自殺報道。
これでもかと執拗に、自殺の詳細な情報が繰り返される。
マスコミはいつになったら扇情的な自殺報道を振り返るんだろう。

自殺報道に関して、WHOが2000年にガイドラインを出している。

WHOによる自殺予防の手引き
研究協力者:高橋祥友(防衛医科大学校・教授)
http://www.ncnp.go.jp/ikiru-hp/manual/whoguide.pdf

ぜひすべきこと
事実を報道する際に、精神保健の専門家と緊密に連絡を取る。
自殺に関して「既遂」(completed) という言葉を用いる。「成功」 (successful)という言葉は用いない。
自殺に関連した事実のみを扱う。一面には掲載しない。
自殺以外の他の解決法に焦点を当てる。
電話相談や他の地域の援助機関に関する情報を提供する。
自殺の危険因子や警戒兆候に関する情報を伝える。

してはならないこと
遺体や遺書の写真を掲載する。
自殺方法を詳しく報道する。
単純化した原因を報道する。
自殺を美化したりセンセーショナルに報道する。
宗教的・文化的な固定観念を当てはめる。
自殺を非難する。

今朝のワイドショーを眺めていたが、WHOのガイドラインなんてことごとく当てはまらなかった。報道の仕方はとことん扇情的。
自殺のサイン、電話相談、援助機関に関する情報なんて影も形も見当たらなかった。
自称精神科医のメガネの女性が何かしゃべったが、芸能人コメンテーターと何ひとつ変わらないシロートでしかなかった。

司会者、コメンテーターたちは口々に叫ぶ。
痛ましい事件だ。なぜもっと早く気付けなかったのか。悲しい。やり切れない。ひとりひとりが考えなければいけない問題だ。
だがその言葉はあまりにも薄っぺらく、どこかお祭り騒ぎだ。悲しいふりをした、誰もが楽しめるゴシップネタ。
うわさ話は楽しい。他人の不幸は蜜の味だ。自分に無関係な限りは。我が身が脅かされない限りは。

上のガイドラインを見て欲しい。
短い箇条書きの中に、自殺を食い止めたいと言う真摯な願いがにじみ出ている。
リンク先の高橋祥友先生の報告は、万人に読んでいただきたい優れた文書である。自殺のサイン、誤った知識など、有益な情報がコンパクトにまとめられている。

WHOのガイドラインから8年。
日本のマスコミはいつになったらWHOの提言を聞くんだろう。この次もまた自殺の方法や薬品名を詳細に伝えるんだろうか。そしてそれをネットのせいにするんだろうか。

原文
http://www.who.int/mental_health/media/en/426.pdf
追記:日本語訳がありました。こちら

自殺対策支援センターライフリンク 「いじめ自殺」報道のあり方

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2007年6月 5日 (火)

アップル、私的録音録画補償金制度を厳しく非難

アップルがやってくれました。
悪名高い私的録音録画補償金制度を、痛烈に批判。


アップル、文化庁を激しく非難--「私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべき」 - CNET Japan


なんと、首相官邸のHPの「『知的財産推進計画2006』の見直しに関する意見募集の結果について」というところに掲載されている。

知的財産推進計画2007の策定
(ここの「団体からの意見」PDFファイル)

ここでアップルは強い調子で私的録音録画保証金制度を非難している。以下引用。

理由3
2005 年度に開催された私的録音録画補償金制度議論を行った文化庁審議会法制 問題小委員会並びに2006年度から開始した同庁私的録音録画小委員会にて両小 委員である、土肥一史氏 一橋大学教授、松田政行氏 青山学院大学教授/ 弁護士 が頻繁に補償金制度存続の論理的根拠とする「国際基準」なるもので、WIPO、ベル ヌ条約の基準が取り上げられるが、両名氏は事実誤認を繰り返している。そもそも、WIPOに加盟している184ヶ国の内、補償金制度を携帯機器に対して導入しているの は僅か11ヶ国つまり、6%に過ぎない。更に、ベルヌ条約批准163ヶ国の内、僅か7 カ国つまり4.3%しかiPod等の携帯機器に課金していない。依ってもし「国際基準」に 日本が合致するのなら約95%の国がとっている「補償金制度廃止」が「国際基準」である。法律家である両名氏が意図的に著作権者団体の意向にそった事実無根の詭 弁を弄するのは真摯な著作権行政を審議すべき同場所で不適切であり、国家国民を愚弄する存在であると言わざるを得ない。
上記の事実を事前に承知しながら両名氏を同委員会委員に意図的に任命した文化 庁著作権課の責任は重大でありその結果責任を取るべきである。就中その中心的存在であった吉川晃前著作権課長、甲野正道現著作権課長の責任忌避は免れないと考える。

おお〜。
現役のお役人さんの実名まで挙げて「結果責任を取るべき」とまで言っているよ。すげぇ。すげぇよアップル。痛快。
そもそも私的録音録画保証金制度は、ふつうに考えておかしい制度だ。
ハードディスクやDVD-Rにまで課金して、それらの機器で音楽を複製しないユーザからもお金を取るのはどう考えてもおかしい。
ウィキペディアの私的録音録画保証金制度によれば、日本音楽著作権協会 (JASRAC) に36%、実演家の団体である日本芸能実演家団体協議会に32%、レコード製作者の団体である日本レコード協会に32%の割合で分配されるそうだ。
そもそも現役のミュージシャンでJASRACのやり方に賛同している人どのくらいいるんだろう。
いろんなライブに行っていろんなミュージシャンがJASRACについて話すのを聞いてきたけど、みなJASRACの批判ばかりだった。JASRACが守っている権利って、いったい誰の権利なんだろう。

歌声喫茶で歌ったら課金。ジャズ喫茶から課金。ライブハウスでカバー曲をやれば課金。音楽を録音するか分からないメディアに課金。
音楽からいちばん遠いところにいるなぁ。JASRAC。保証金制度。文化庁。
とにかくがんばれアップル!アップルパイレーツ健在なり!

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2007年5月25日 (金)

公立病院の民営化推進、医療費効率化で大筋合意・諮問会議

時事問題や社会問題はブログでは書かないことに決めていたんだけど、あまりにひどいので黙っていられなくなった。
医療崩壊がどんどん進んできている。

全国保険医団体連合会HPに詳しく書いてあるが、極端な社会保障費用の抑制政策のツケが極限に来ている。

経済発展よりも、道路やハコモノなどの公共事業よりも、ましてや防衛費用なんかよりも、医療や福祉の予算が何よりもだいじだとぼくは思うんだが、まちがっているだろうか。

先日、さらにひどいニュースがさらっと報道されていた。

日本経済新聞5月15日

公立病院の民営化推進、医療費効率化で大筋合意・諮問会議

 政府の経済財政諮問会議は15日、2012年度までの5年間の医療・介護分野の効率化計画で大筋合意した。民営化などで公立病院の改革を進め、民間病院より非効率な経営構造を改めることなどを盛り込んだ。焦点の医療費削減の数値目標は経済財政運営の基本指針(骨太方針2007)への明記は見送るが、安倍晋三首相は改革の詳細設計にあわせ年末までに削減の道筋を示すよう柳沢伯夫厚生労働相に指示した。

 計画は医療・介護サービスをより効率よく提供するための20項目の対策を掲げた。6月にまとめる骨太方針に盛り込む。柱となるのはIT(情報技術)の活用。医療機関が健康保険に出す医療費の請求書である診療報酬明細書(レセプト)を紙からオンライン請求に切り替える改革を進める。10年4月までに8割を移行、11年4月までに全面移行することを明記した。 (23:45)

効率化とはなんのことはない、医療費・介護費用の抑制のことだ。
いったいどんなひとたちがこんな現状をまるで分かっていない政策を打ち出しているのか?
レセプトのオンライン請求で医療費を下げられるって、まったく意味不明だぞ?
怪しげな「経済財政諮問会議」をググってみた。

経済財政諮問会議

安倍晋三 議長 内閣総理大臣
塩崎 恭久 内閣官房長官
大田 弘子 内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
菅 義偉 総務大臣
尾身 幸次 財務大臣
甘利 明 経済産業大臣
福井 俊彦 日本銀行総裁
伊藤 隆敏 東京大学大学院経済学研究科教授(兼)公共政策大学院教授
丹羽 宇一郎 伊藤忠商事株式会社取締役会長
御手洗 冨士夫 キヤノン株式会社代表取締役会長
八代 尚宏 国際基督教大学教養学部教授

キャノンの御手洗会長を始め、政財界の大物がずらり。わずかに福祉寄りか?と思った伊藤氏と八代氏も、経歴を見たら経済学オンリーの人のようだ。

いったいどうして伊藤忠やキヤノンや日銀に医療や福祉の方向性を決められなくっちゃいけないんだ?なぜ医療や福祉の専門家がひとりも入っていないんだ?このメンツの決めた指針を厚労省に下ろすってムチャクチャじゃないか?

経済優先、医療福祉抑制の結論ありき。欺瞞で吐き気がしそうな「美しい国」首相とそのオトモダチ。連中がこの国の医療・福祉を壊していく。

猟奇的な殺人事件やら変態教師の性癖より、はるかにはるかに大事な問題だと思う。でもTVにも雑誌にもほとんど載らない。大衆が飛びつきそうな血なまぐさい事件報道の影で、たいせつなものが連中に私物化されている。食い散らかされている。

ボブ・ディランが歌っている。
ひどい雨が降りそうなんだ。

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2007年2月15日 (木)

タイで1人300万円の夕食会

タイで1人300万円の夕食会が開かれたそうだ。

CNN.co.jp : タイで1人300万円の夕食会 世界各地の食通集まる

ひとり300万円の夕食とは豪勢な。
内容はと言うと、
ベルーガ・キャビアやトリュフ、ドン・ペリニョンのソルベ、フォアグラのクリームブリュレなど最高級の空輸食材を使った10品の料理
あとは高級ワインだそうだ。
しかし「フォアグラのクリームブリュレ」ってのはエライこってりしてそう。はなはだしくメタボな感じ。
10品で300万ってことは、ワインを抜きにすれば一皿30万円。
すごい。中古車が買えるぜ。グルメってなぁおそろしいねー。
スゴイと言えばこのニュース、その後の文章もスゴイ。

ニューヨークやロンドン、東京ではこうした夕食会は珍しくなく、今回のディナーが世界一高価か断定するのは難しい。

え?!ディナー300万円って、トーキョーじゃ珍しくないんですか!フツーなんですか!
「ハハハ!きょうは給料日だからぼくがおごったげるよ!」
「ありがとーユタカさんー。きょうはごちそうになっちゃいまーす!」
「ハハハ!任せといて!すみませんお会計お願いしまーす」
(店員)「はい、2名様で600万円ちょうどになります」
・・・ってカンジかい?
おそろしい・・・ガクガクブルブル。
間違って300万の店に入ったら生きて出てこれないかも知れない。臓器を売られて東京湾に浮かぶかも知れない。
おそろしや東京・・・気をつけなくっちゃ。

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2006年8月24日 (木)

米国民68%がイスラエルに同情、ヒズボラ6%

CNN.co.jp : 米国民68%がイスラエルに同情、ヒズボラ6%


米国民68%がイスラエルに同情、ヒズボラ6%

2006.08.05
Web posted at: 14:59 JST
- CNN

アトランタ(CNN) イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラの交戦で、米国民の68%がイスラエルに同情、ヒズボラは6%だったことが最新世論調査で4日分かった。どちらにも同情しないが11%、分からないが11%だった。

今回の交戦は、ヒズボラによるイスラエル兵拉致がきっかけとなったが、米国民の51%がイスラエル軍の軍事的報復は概ね正しいと回答。32%は行き過ぎと考えていた。

イスラエルが今後、取るべき対応については、46%がヒズボラの攻撃能力を削ぐまで軍事行動を継続すべきとし、44%が即時停戦に応じるべきだと答えていた。

イスラエル・レバノン国境に展開する国際和平維持軍への米軍参加問題では、51%が賛成していた。

また、カストロ国家評議会議長(79)の急病問題で、今後の政治動向が一気に注目されてきたキューバ情勢では、62%が再度の国交樹立を支持、反対は29%だった。カストロ議長が死去し、弟のラウル第1副議長が後継者となった場合、69%が国交樹立に同意していた。

世論調査は成人1047人を対象に、8月2日─3日に電話で実施した。


ちょっと前のニュースだ。
いままで政治的なことはあえて書かなかったけれど、中東問題は最近考えさせられることがあり、ちょっと書いておきたいと思った。

イスラエル、パレスチナの問題は歴史が深く複雑で、一概にどちらがどうとは言えないと思う。
でも今回のごたごたは、イスラエルのレバノン空爆がきっかけだ。
ヒズボラによるイスラエル兵の拉致。
それに対しての、首都空爆と言う報復。明らかに過剰な反撃、暴力じゃないか。
空爆されたベイルートでは多数の民間の被害が出たと言う。かなりの数のこどもも死んだようだ。
イスラエルはさらに、停戦を呼びかけた国連のレバノン施設にも空爆を行っている。
それにも関わらず、7割近いアメリカ国民が、レバノンではなくイスラエルに同情していると言う。

おかしかないか、アメリカ。
イスラエル建国のときからアメリカが後押ししてきたいきさつからなのだろうか。
それともマスメディアの誘導なんだろうか。

中東問題はあまりにも複雑で、うまく理解できない部分がたくさんある。
パレスチナは誰のものなのか、それぞれに主張があり、それぞれに理がある。
ぼくの薄っぺらな理解では到底およばない、おおくの叫びと歴史が有る。
それでも、いまだにおおくの血が流れている現状には関心を持たずにいられない。
これだけ暴力がくり返され血が流されているのに、日本の報道はイマイチ盛り上がらない気がするのは自分だけだろうか。
国内の残酷な事件にはあれほどヒステリックに反応するのに。

先週だか先々週、NHKでイスラエルのニュースを流していた。
終わりから2番目のニュースだった。トップニュースではなかった。2番目、3番目でさえなかった。
停戦が破られ、イスラエルがふたたびレバノンを攻撃したことをニュースキャスターは淡々と語った。
攻撃。いい表現だ。
その言葉からは、民間人が死んだことも、こどもが死んだことも、なんの罪もないひとたちが身体の一部を失ったり家族を失ったり家や財産を一瞬で奪われたことも伝わってこない。
視聴者が無関心でいることに罪悪感を抱かずにすむ、周到な表現だ。
そのあと甲子園のニュースが流れ、番組は終わった。

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2005年6月 1日 (水)

スゲェよサイクロン掃除機!

ええっと、結婚式ではほんとうにおおぜいのみなさんからプレゼントをいただきました。ありがとうございます。
その中で素晴らしかったもののひとつをご紹介。

National サイクロン掃除機、MC-F300XG

大学生時代の掃除機をずっと使っていたんだけど、とくに今まで不具合を感じていませんでした。
もちろん、
・重い
・掃除機をかけていると疲れる
・腰が痛くなる
・掃除機をかけたはずなのにゴミが残っている
・細かいところにノズルが入らず、綿ぼこりが残ったまま
などの不便さはありました。でも村上春樹風に
「そういうものだ」
と自分を納得させて使い続けていたんですね。ただ、やっぱり重いし疲れるから、掃除機をかける頻度はかなり少なくなっていました。だってたいへんなんだもん。

で、このニューマシン。
近ごろの掃除機はかなり進化しているとは聞いていました。欲しいとは思っていた。けど、まだ使える掃除機を処分して新しいものに買い替えるにはいたらず。もったいないものね。
で、結婚式でもらったニュー掃除機、とりあえず出初め式。
電源オンっ!おおっ!こ、これは・・・?!
手元のスイッチが何だかいっぱいある!
スイッチ好きのぼくにはたまらん(笑)!!
まずは緑のスイッチを押して始動。おお、か、軽いっ!部屋を転がしても(それほどは)重くないっ!
それにしてもノズルが小さい。これでは何往復も掃除機をかけないとゴミが取れないのでは・・・と思ったら、そうではなし。
たしかに広いところはノズルの横幅が広ければ楽だけど、それだと細かいところに先端が入らない。このノズルの横幅はその点広過ぎずせま過ぎず、ジャストな大きさなり。
なおかつ、ノズルが足のつま先でワンタッチで着脱でき、さらにせまいところの吸い込みも可能。
本体が小さいので、立て掛けても場所をとらない。
おおお〜〜!いいじゃんいいじゃん〜!
さすが21世紀のマシンだぜ〜!!

この「サイクロン式掃除機 MC-F300XG」デビュー以来、掃除機をかける回数が増えました。
て言うか、電源のそばに立てかけておいて、電源は入れっ放し。ちょっと綿ぼこりを見かけたらかるーく掃除機をかけてまた立て掛ける。その一連の作業がストレスなく行える。
良いことです。

思うんだけど、「ストレスなく行える」って言うのはとってもたいせつではないでしょうか。
CDも近ごろはiTunesに全部放り込んで、PowerBookからステレオに出力して聞いている。
DVD/CDプレイヤーもあるんだけど、CDを棚から探して取り出し、プレイヤーのトレイに乗せる、と言う作業がかなり面倒くさい。ダラクと言えばダラクなんだけど、いちどラクを知ってしまった以上はストレスに感じてしまう。
手間が減った結果、部屋がきれいになったり音楽に接する機会が増えるなら、それは良いことじゃないかと思うワケなんですよ。

それにしてもニューマシンの登場により、旧型掃除機はすっかり出番がなくなってしまいました。
ううん、場所も取るし、どうしようかなぁ・・・。

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2005年5月19日 (木)

沈黙のピアニスト(こんなストーリー?)

沈黙のピアニスト。じつはこんな物語が!

そこは平和な王が統治する平和な王国でした。民を思いやる王、美しいお妃さまと美しい王子さま。
けれど幸福な時代は長くありませんでした。王の弟の副大臣が悪い家臣と手を組み、王の座を狙っていたのです。副大臣の奸計に陥り、周到に用意されたわなに落ちて事故死をとげる王。王位を継ぐはずの王子は母親を人質にとられ、王位継承の放棄を迫られます。
わずかに残った家臣の手を借りて亡命をはかる王子さま。そして国を脱出する直前、偶然地下室で副大臣とマッドサイエンティストの会話を聞いてしまいます。
「この終末兵器さえあれば世界を恐怖に陥れ、意のままに操ることが出来ますぞ」
「ほほう、しかし兵器はいちど使えばおしまいではないか。それでは大国に対抗することは出来まい」
「ほほほ!簡単なこと。この無限のエネルギーを生み出す魔法のルビーさえあれば、何度でもあらゆる場所に、裁きのいかづちを意のままに繰り出すことが出来ますぞ」
「おお!すばらしい!これでわたしは世界を支配できる!ふはははは!」
「ふはははは!」
このおそろしい陰謀を聞き、王子はふいをついて魔法のルビーを奪って逃げます。追っ手の目をくらませての脱出は成功したかに見えました。しかし国を出たのもつかの間。新天地に到着する直前、客船の上で追っ手に捕まってしまいます。
「王子、さあルビーをお渡しください。もはや観念するしかありませんぞ!」
しかし王子はそのまま身をひるがえして海に身を投げてしまいます。あわてて捜索用のボートで後を追う一味。
やがて追手の一味は海岸で気を失った王子を発見しますが、着衣を探してもどこにも魔法のルビーは見当たりません。
「ちっ。ひとが来る。引き上げるぞ」
一味は王子の体から本国の身元が判明するような洋服のラベル類をすべて引きはがして、王子を砂浜に置き去りにしたまま逃げ去ります。

一方本国には、王子の幼なじみのいいなずけ(側近の貴族のお姫さま)がおりました。
王子が亡命したのと同時に、彼女は副大臣の命令で高い高い塔に幽閉されてしまいます。
「王子は死にましたよ。ルビーのありか、あなたならどこか知っているはずだ。さあ白状してしまいなさい」
王子といいなずけには、二人しか知らない秘密の場所がありました。ひょっとしたら国を離れる直前、王子はルビーをそこに・・・。
王子の生存を信じて、度重なるゴウモン(いやーん)にも口を割らない姫。しかし日にちが経つにつれ、しだいに気力が奪われていきます。ひょっとしたら王子は、やはり死んでしまったのかも・・・。
そんなある日、見張り役のポケットラジオから聞きなれたピアノの旋律が!
それは天才的なピアノの才能を持つ彼が、彼女のために作った曲でした。この曲を知っているのは、いいえ、この曲を弾けるのは世界に彼しかいないはず!まさか!
そのときラジオのメロディが不意に途切れ、アナウンサーの淡々とした声が聞こえてきます。
「この曲は、浜辺に打ち上げられた記憶喪失の男、通称『沈黙のピアニスト』がくり返し弾いている曲です。どうかお心当たりのある方はイギリスケント州の当局までご連絡を・・・」

・・・と言うようなストーリーじゃないかと思うのですが、どうでしょうかっ?!
がんばれ沈黙のピアニスト!いや某国の非運の王子さま!

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2005年5月18日 (水)

沈黙のピアニスト

いやはやニュースですよニュース!
けさの朝日新聞でこんなニュースが。

英国南東部の海岸で約1カ月前、ずぶぬれの黒いタキシード姿で見つかった男性が話題を呼んでいる。入院先の病院では人におびえた様子で口を閉ざしている。だが、鉛筆を持たせるとグランドピアノを描き、鍵盤に向かうとプロ級の演奏を披露する。「沈黙のピアニスト」。英メディアを通して、男性の身元捜しが広がっている。

写真の彼、かっこいいじゃんっ!
おびえたような表情と金髪、長身がたまらないッス。
ピアニストと言うのがまたいい。気品を添えている。

男性は20〜30代で身長約180センチ。4月7日にケント州シアネスの海岸をさまよっているところを保護された。着衣のラベルはすべて切り取られ、身元の手がかりになるものはなかったとされる。精神的ショックを受けたためか記憶を失い、精神が不安定な状態が続いているという。

タキシード、美青年、記憶喪失、天才的なピアノの才能、絵の才能もかなりのもの。あ、webには載っていないけど、新聞に載っていたピアノの絵はかなりうまかったです。
ミステリアスだなー。何かこう、巨大な陰謀とか犯罪とかのにおいがしませんか?
しかし妻も言っていたけれど、こんな写真を載せちゃって大丈夫なんでしょうか?彼の命を狙っている組織に知れたらどうしよう?・・・うーん、うちでかくまってあげたいくらいだ。
いやいや、興味本位で言っちゃいけないんだろうけど、でもドラマティックというかロマンティックというか。一昔前の少女漫画みたいですね。
某国の王子が世界を滅亡させようという陰謀に気づき、終末兵器の設計図と心臓部の装置(もちろん宝石)を奪って国を脱出。が、組織に追われて海に落下。宝石は見つからず、世界の命運を握る鍵は彼の失われた記憶の中に・・・。
てなところが真実ではないかと。ああもうまるっきり興味本位ですね。ごめんなさい。

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