2013年4月20日 (土)

型破りアニメ、惡の華

2013年春アニメがはじまった。
ジョジョの奇妙な冒険第2部、サイコパスの終了でひと区切りついた感がある。
代わってサンライズのシリアスロボットアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」、大ヒット原作「進撃の巨人」、宇宙戦艦ヤマト2199など、話題作がいっぱいだ。とても全部は見切れないので、2、3話見てピンと来ないものは切ろうと思っている。

その中で、おもしろいんだかおもしろくないんだか、さっぱり分からない作品がある。
惡の華である。

アニメ「惡の華」公式サイト

実写をトレースした奇妙なテイストの作画。繰り返される灰色の日常。歩道や手すりの鉄錆びの執拗なシーケンス。彩度の低い、暗い画面。さっぱり進まないドラマ。不安定なボーカルのオープニング曲と、不気味なエンディング曲。
なんだこれは?

第一話、第二話まで見たけど、さっぱり物語が進まない。
主人公はふつうの高校生(中学生?)。文学に耽溺している。クラスのあこがれの女子に思いを寄せているが言いだせない。ある日、意中のひとの体育着の入ったポーチを偶然みつける。ここまでが第一話。
第二話。体育着をできごころで盗んでしまう。うしろの席の女子、ナカムラに見つかっていた。罪悪感にさいなまれ体育着を換えそうとするが勇気が出ない。ナカムラに呼び出されて放課後の図書室でくだんの女子と対面する。以上。
いやー。ふつうだったらせいぜい一話Aパートで終わる内容だわ。
ふんいきとしては、アニメ版「銀河鉄道の夜」に似ている。幻想的というか、現実離れしている感じ。小津安二郎的と言えないこともない。
一言で言えば、前衛的なアニメだ。通常のアニメの文脈から意図的に逸脱しようとしている。
中でも、小悪魔キャラのナカムラをあえて不細工に描いているのがすごい。原作を調べたけど、ふつうにアニメ・マンガ的にかわいいキャラだ。ナカムラを不細工にしてしまった時点で、このアニメは原作の意図とはかけ離れた作品になった。どう収拾するんだろう。
「かわいい小悪魔ちゃんに翻弄される主人公」は、アニメ的に分かりやすく、アニメ的に共感しやすい。しかし「不細工な痛キャラに翻弄される主人公」は、共感できない。「オレもあんな風に知らない女子からいじられたい」と思えない。それだけに、「なんでこんなおかしな女にいたぶられるのか」というもどかしさ、痛々しさが強調される。
きっとそれが、製作者の意図なんだろう。

惡の華は、通常のアニメのおもしろさ、カタルシスをすべて葬っている。美少女もテンポの良いドラマ運びも恋愛ドキドキも、いっさいない。ただひたすら、主人公の絶望感、焦燥感、羞恥心を強調し、視聴者に突きつけてくる。
その不快さを、ASA-CHANG&巡礼のエンディング曲が端的に表現している。

おもしろいのか?おもしろくないのか?見ていてさっぱり分からない。快か不快かと言えば、まちがいなく不快だ。痛々しすぎる。不安定な作画の線がいら立たしい。でも目が離せない。型破りな作品であることは間違いない。
今期、要注目作品です。

しかし、こんな前衛的な曲がアニメのエンディングとは。「少女革命ウテナ」がJAシーザーを起用したとき以来の衝撃。そのうちアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンやスロッビング・グリッセルがアニメに使われる日が来るかも知れないね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年7月 3日 (火)

お台場にガンダムホテルだって

お台場にガンダムホテルなるものができたそうだ。

日本初の「ガンダム」ホテル 東京・台場に登場【360°パノラマ】 - MSN産経フォト

ホテル グランパシフィック LE DAIBAの企画ものらしい。
上のリンクだけ見るとジオン軍仕様のように見えるけど、続き部屋は連邦軍仕様になっているんだそう。
一泊5万4千円。うーん。泊まってみたい。泊まってみたいが5万円はちょっとなあ。

このホテル、京急線の駅にもポスターが張ってあった。

Gundamhotel01


高層ホテルにたたずむガンダム。シールドは把手つきのトランクになっている。
ん?窓に人影が・・・?

Gundamhotel02


シャア・・・!
しかし芸の細かいポスターだ。写真の荒さで分かるとおり、すごーく小さい。よっぽど近づかないと分かんないよコレ。
気がついたうちの奥さんもエライ。ぼくは注意力が前方一点に集中しているので、まず気がつかない。注意力が分散している我が妻ならではである。
しかしガンダムルーム、記念撮影だけでいいから入らせてくれないかしら。
それからぜひ、ガンダムUC版もやってほしい。
インダストリアル7のサイアム・ビストのお館とか、ユニコーンガンダムのコクピットとか。座るとNT-Dが発動しちゃうとか。パラオのギルボアの子だくさんアパートとか。2帖くらいのキッチンで宿泊客6人くらいで夕食食べるとか。ジンネマン大尉の等身大添い寝シーツとか。
いやいっそ、「ジンネマン大尉の部屋」と「ランバ・ラル大尉の部屋」でスイートにしたくれた方が良いかも知れない。漢の部屋なり。
やってくれホテルグランパシフィック!

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年5月 2日 (水)

つり球、江ノ島

関東に来てよかったことといえば、やはりアニメ環境がよいことである。

民放ではFATE/ZERO、坂道のアポロン、つり球、ニャル子さん、ルパン三世峰不二子という女、再放送のかんなぎ、まどか☆マギカ、NHKではリトル・チャロ東北編、ハイビジョンリマスター版ナディアなど、全部見きれない量である。
ひと通り見たけど、お気に入りはなんといってもつり球。
ポップな絵柄で、いいんだわこれ。

つり球
http://www.tsuritama.com/

往年の鈴木英人を思わせるポップな色彩感覚。
宇宙人やら世界を救うやら言っている割に超ローカルな日常感覚。
いいんだわこれが。
先日の第3話なんて、ルアーをバケツに投げ入れるだけの話だもんね。それだけでちゃんとドラマが作れるんだからスゴイ。
舞台も江ノ島から江ノ島水族館、せいぜい鎌倉高校(舞台では東腰越高校)までのものすごーく狭いエリア。
スケールがちっちゃくてポップな、かわいいアニメです。
音楽は栗コーダーカルテットのほんわかサウンド。エンディングはボサノバ調の空も飛べるはず。いいわー。

てなことで、ここんところ休日は江ノ島に行くことが多い。
御飯も美味しいし、海をぼーっと見てるだけでも楽しい。先日はつり球の原画展を見てきた。

120430tsuritama01


ドラマの舞台の地図。ユキやハルの住んでいる家とインド人アキラのカレー屋は隣同士。なんじゃそりゃ。

120430tsuritama03


120430tsuritama02


かわいい江ノ電にも乗れるし、いいです江ノ島。
江ノ電の江ノ島駅で降りてぶらぶらと江ノ島に渡り、しらす丼を食べたりしているとそれだけでなんか幸せな感じ。
えのんくんもかわしいしね。

120430tsuritama04


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月29日 (土)

風邪とドズル中将

水曜から何となく体調が悪かったが、木曜に入ったら本格的な風邪に発展した。
38度5分越え。38度を越えると身体がまったく動かない。
この頭痛。言い様のないダルさ。身体の動かない感覚。そうそう、この感じ。具合が悪くなると思い出すんだけど、普段はまったく忘れてるんだよねー。
ちょうど木曜は本部で自由活動の日だったので、アパートに引きこもって完全休養。
ベッドの上で悶々と反転しているうちに、いつの間にか夢と現実の入り交じった世界に没入して行った。

ソロモン戦のまっただ中。ぼくはジオン軍の兵士だった。
ジオンの制服を着て、周囲の者たちに攻撃が近いこと、ノーマルスーツを着用するよう、指示を飛ばしている。モビルスーツ隊の出撃の管理をしていると、ドズル中将がやってくる。
直感的に、ドズルが死を覚悟していること、そしてソロモンは陥落が間近いことをぼくは直感する。
ドズル中将はビグ・ザムで出撃しようとするのだが、ぼくは彼に出撃を思いとどまるよう、ヒッシで説得するのだ。
分を越えたことだと分かっているのだけど、ゼナさまのことやミネバさまのことまで持ち出して、とにかくドズル中将に出撃を思いとどまらせるよう、涙ながらに何度も何度も話しかける。
そうこうしているうちに連邦軍の攻撃もいよいよ間近に迫り、われわれのいるモビルスーツ格納庫にも砲撃の振動が・・・

と言うところで目が覚めた。

イヤーびっくりした。
目が覚めたら、枕元は涙でびっしょり。顔中、涙とハナミズでぐじょぐじょになっていた。つか、目が覚めてもしばらく「兵の代わりはいても、閣下の代わりはいないのです」とか「残されるゼナ様、ミネバ様のお気持ちを・・・」とかつぶやいていたもんなー。頭に手をやって、ジオン軍のヘルメットがないのが不思議だったもん。

こんなにリアルなガンダム夢を見るとは。ビックリですよ。いまだに片手を上げて肩越しにこちらに微笑むドズル中将の姿が、目の裏に焼き付いています。
夢かうつつか分からないままガンダム世界にトリップする、うーむ、今年の風邪は何だかスゴイぞ!

てなことで、ようやく熱も下がり、きょうからまたブログもミーティングも復帰です。
最近ブログが飛び飛びになってて、さぼりぎみ。イカンね。
さて、東京マラソンの案内も来し、そろそろジョギングもフッカツしなくっちゃね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月19日 (土)

マンガ「ぼくらの」の衝撃

ここ1,2年、アニメ界は豊作続きである。NHKにようこそ、コードギアス、涼宮ハルヒなどなど。
またひとつ衝撃作を見つけた。

鬼頭莫宏「ぼくらの」。

「ぼくらの」アニメ版公式サイト

もともとはコミックで、最近アニメ化されている。
ぼくはアニメ化の記事を見て原作を知った。

夏休みの臨海学校に来ていた15人の少年少女たちが、ナゾの人物に出会う。
ナゾの人物に導かれてナゾの巨大ロボットに乗り、15体の敵と戦って地球を守る。

ロボットアニメお決まりの、陳腐で退屈なおとぎばなし設定。気が遠くなるほど使い古されたパターン。
この作品はそこから出発して、とんでもない場所へ読者を連れて行く。

少年少女たちは次々と死んでいく。ばんばん死ぬ。死を否定しようと何らかの形であとに残そうとしようと、意味があろうとなかろうと、機械的に順番に、彼らは死んでいく。
乾いた白い絵が、よけいに怖さを引き立たせている。

主人公たちは読者を道連れに、必至に生きようとし、必至に最良の選択肢を探そうとする。死が不可避なら、それまでになせる最良の行動とは何か。死が数日後に決定しているなら、いま何を考え、どう生き、どう死ぬべきか。
他者の命を奪って生きるとはどういうことか。自分に他者の命を奪って生きる価値があるのか。他者と自分を隔てるものは何か。自分と他者との間に本質的な差異が存在しないなら、彼らの死と自分らの死は等価ではないか。

古今東西、さまざまな表現作品が扱ってきたテーマに、「ぼくらの」は古典的ロボットアニメの形態を借りて挑戦している。
いじめ、リストカット、拒食症、引きこもり、暴力、などなど、ネガティブな現代的/普遍的テーマをちりばめながら。

死について/生についての多層的な考察を読者に突きつけながら、物語は15人の死に向って進んでいく。
SFとしても心理劇としてもとても優れた作品だと思う。

このお話は、とても凄惨で美しい。作者の力量はすごいものがある。
切江編は泣けたッス。
戦争や特攻隊を美化する映画の薄っぺらい自己陶酔センチメンタリズムから100万光年も離れて、「ぼくらの」は胸に迫ってくる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月 9日 (火)

PSPが欲しいと

きょうは久しぶりに本社へ。
と、ぼくと同じく火曜に本社に出ているSに会う。
Sはわが業界きってのオタクである。アヤナミの等身大フィギアを所有している。
そのアヤナミの足の裏のシリアルナンバーが一ケタ台なのが彼の自慢である。
その彼が、自慢のPSPを見せてくれた。肌身離さず装備しているお気に入りのアイテムだ。
数々の所有ゲームを、本社の勤務時間であるにも関わらず堂々と人前で披露してくれるS。
事務の女性の視線が突き刺さるが、そんなものはもちろん彼は気にしない。
で、最初は「・・・」と言う感じで見ていた彼のPSP。
が、見ているうちにしだいに欲しくなってきた。いろいろと裏技に精通している彼。あんなことやこんなこともできるという。
うう、ブツヨクを刺激される・・・。
あんなことやこんなことをするためには、PSPの現行品ではアカンらしい。少し前のバージョンでないとできないそうだ。ver.1.50とか言うのが良いらしい。
いまヤフオクで見てみたら、希望落札価格35000円とかで出ている。現行品がAmazonで20000円弱だから、倍近くする。現行品より中古品の方が価格が高いのである。
近ごろのゲーム事情はまったく分からなかった。こんなことになっていたとは。うーむ・・・・。
それにしてもPSP・・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 8日 (金)

コードギアス 反逆のルルーシュ

目が離せないアニメがある。

コードギアス 反逆のルルーシュ

近未来のニッポン。
ブリタニア帝国という超大国に世界は制圧され、日本もその強大な武力の前に屈し、征服された。
日本という固有名詞は捨てられ、日本は「11」、日本人は「イレブン」と呼ばれる世界。占領下の日本人の人権はないに等しく、権力に反抗する反乱軍は「テロリスト」と一括され、かくまう人びとともども情け容赦なく射殺される。
ブリタニア王家の血を引く主人公ルルーシュは、復讐と野望のために反乱軍を利用し、父とその帝国を破壊しようとする。

久しぶりにオタクマインドを刺激する作品である。
キャラデザはCLAMP。未知の動力によって動く「ナイトメア」と呼ばれる巨大ロボット。世界革命の話なのに、同時に学園ラブコメ。ザビ家を彷彿とさせる貴族階級の帝国。ギアスという謎の力。

しかし、オタクキーワードきらびやかなこのアニメの主題は、もっと別なところにあるように思う。

理念が正当なら、目的は手段を正当化しうるか?

主人公ルルーシュは己の目的のためにあらゆるものを利用しようとする。
彼と行動を共にする「黒の騎士団」は、彼の理念を実現するための駒に過ぎない。
彼が信じるものは、自分と妹だけである。
彼の行動原理は、母を殺され妹に障害を負わされた、怒りと憎しみだけである。
父とその帝国への憎悪が、彼のすべてである。
どれほど日本人が虐殺されようが、支配され抑圧されようが、ルルーシュには関係ない。
彼にとっては、野望の実現こそが世界でただひとつの命題なのである。

さて、理念が正当なら目的は手段を正当化しうるか。正しい理想のためなら、汚れた手段を使ってもかまわないのか。

ドストエフスキーの「罪と罰」。主人公ラスコーリニコフは野望と理想のために金持ちの老婦人を殺す。しかし最後は罪の意識のために滅んでいく。

この60年代〜70年代的な命題を持つアニメ。今後どんな展開をしていくのだろう。
主人公ルルーシュは目的のためなら手段を選ばない冷酷さの反面、友人や妹をとことんたいせつにする、ナイーブでやさしい内面を持つ。
その友人スザクは、悪法であれども秩序を重んじ、秩序の中から体制を変えて行こうとする。
スザクが世界を変え、ルルーシュは滅んでいく。イヤ、そんな単純な話でもないだろう。
理想とは。法とは。差別とは。革命とは。
いやはや、久しぶりに熱いアニメです。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2006年4月 2日 (日)

エウレカセブン、ついに最終回

エウレカセブンが終わった。
きょうの朝7時から、最終回1時間スペシャル。
コーラリアンと人類との融和は、エウレカとレントンの行方は、ホランドたちは生き残れるのか、デューイたちの計画は、クダンの限界は・・・。
さまざまなナゾをはらみつつ、主人公たちは走り続け、物語は終わった。
この1年間、エウレカセブンというドラマから勇気づけられたことがたくさんあった。
主人公のレントンは怒鳴られ、何度も大人たちからダメ出しをされ、それでも立ち止まることがなかった。
エウレカとのつき合い方も何度も試行錯誤を重ね、思いっきり間違え、しらけた空気が漂うことも何度もあった。そのたびに彼は全力で悩み、全力で間違え、全力で間違いを認めた。間違えることを恐れて立ち止まることがなかった。
そういう彼に感情移入せずにはいられなかった。
最終回を見終わったあと、何とも言えない気持ちだった。
ひと言で言えば、すごくいい話だった。
ひとを好きになるということ、ひととともに成長して行くということ、傷ついたり悩んだりすることにはちゃんと意味があるんだということ。くさいけどたいせつなこと。このドラマは逃げたり斜に構えたりせず、そこんとこに真っ正面から取り組んだ。
でできればこの物語は終わって欲しくなかった。ずっと主人公たちが走り続け、前進する姿を見ていたかった。

個人的にはアネモネのエピソードがよかった。
薬物でコントロールされ、崩壊しそうな自我を抱えて傷ついて行く姿は、エヴァンゲリオンのアスカを彷彿とさせた。でもアスカとちがって、ちゃんとアネモネは生き残り、解放された。いやはや、死ななくてよかったよ。

ああ、でも、ほんとうにもう来週からこのドラマが見れないのか・・・。
さびしい・・・。
くぅぅぅ〜〜・・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年2月14日 (火)

機動戦士ガンダム

スカパーのアニメチャンネルのひとつ、アニマックスでオリジナルガンダムのTVシリーズ放映が始まる。今夜から。
おお・・・オリジナルガンダム・・・。
富野喜幸の描く骨太な人間ドラマ。ひとのエゴと人類の覚醒と言う壮大なSF。
大河原邦男のオリジナリティあふれるメカの数々。安彦良和の人間臭いキャラクタ。
おお、おお。
なつかしやオリジナルガンダム・・・。

実はいまから6,7年前ほどローカルの深夜枠で再放送していたことがある。
はじまったとき、ぼくは内蔵を悪くして(もちろんアルコールだ)何度目かの入院中だった。
そのときの入院は、たまたまあてがわれた内科の個室で、深夜でもテレビを見ることができた。
看護婦さんの巡視を気にしながら、ボリュームを抑えたTVにかじりついてガンダムを見た。
どうしてもそのとき、ガンダムが見たい気持ちが抑えられなかった。
たしかシャアがズゴックで木馬に奇襲をしかけて、セイラさんと不意の再会をするエピソードだった。
廊下の足音を気にしながらTVを見ているうちに、だんだん自分が情けなくなってきた。
オレは酒で身体を壊して仕事をやすんで入院している。
だのに、いったいこの夜中になにをやっているんだろう?
後ろめたさと将来の不安と看護婦さんの巡視に脅えながら見たガンダム。
いまだにその夜のことはざらっとした感触で記憶している。

で、ちゃんと第1話から順番で見るのは、じつはこれがはじめて。
いまはお酒が止まってて、何の後ろめたさもなく見ることができる。ほんとホッとする。
やれやれ。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006年2月 2日 (木)

雪の女王32話に驚く

NHKのアニメ「雪の女王」を見ている。
ビデオに録りだめして、何とかリアルタイムに追いつきつつある。
で、きょうは32話「賢者と風使い」を見たんだけど。
なんか、いつもと絵がちがうと思った。
いつもより線が固い。ゲルダやベーの表情がちがう。こりゃまた予算の都合で安い作画スタッフを使ったか。
が、よく見ると単に下手な絵というわけではない。固いながらも独特の線。
これはどこかで見たような・・・?

と思ってスタッフクレジットを見たらびっくり!
作画監督、湖川友謙!
こ、湖川氏・・・。
「さらば宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たち」の作画監督。聖戦士ダンバイン、戦闘メカ・ザブングル、そしてあのカルト作品、伝説巨人イデオンのキャラデザイン。
他の追随を許さぬ緻密なデッサン力、それに裏付けられた大胆で力強い描画。
アニメ界にこの人ありといわれた湖川氏。
80年代ロボットアニメの終焉とともに表舞台から姿を消したかに見えた湖川氏。
「永井のノリです永井さん〜」のサラリーマンアニメが湖川氏の作と聞き、「こんな仕事をやらなくてもいくらでも良い作品を作れるだろうに・・・」と思ったものだ。
いや、まさかこんなところでふたたび湖川氏のアニメが見れるとは・・・。
感涙です。。。。

こちらで湖川氏の絵が見れます。オフィシャルサイト、tomoweb

湖川友謙フィルモグラフィ

フィルモグラフィを見ると、やはり90年代に入ってからは作品数が減っている。わずかな関連作品のタイトルを見てもほとんどなじみのないものばかり。
いやはや、それにしてもまさか、雪の女王で仕事をするとは・・・。

この作品、雪の女王役に大地真央、大トナカイのベー役に菅原文太。それに今回の湖川友謙作画監督。
なかなか豪華キャストです。
賢者役の川原亜矢子さんはちぃとアレでしたが・・・。
物語はクライマックス。
カイは、ゲルダはどうなるのか?
ラギは復活するのか?雪の女王と風使いの戦いの決着は?
ますます目が離せないぜ!

| | コメント (0) | トラックバック (0)