Positive Gridは2011年に創業した若い音楽機器メーカーだ。
主にギターやベースのエフェクター、アンプを作っている。このメーカーのおもしろいところは、ソフトウェアのアンプシミュレーター、エフェクターと、実機のそれらを同時にリリースしている点。
戦略的にはLine6に近い。Line6は実機のPODからはじまったが、Positive Gridはソフトウェアの方からはじまったように思う。ちがいはそのくらいだろうか。
このPositive Gridの実機アンプが評判が良いと前から聞いていた。で、昨年とあるセールで購入したが、セットアップする時間が取れずにしばらく放置していた。今回、ようやくセットアップが終了。
音は良いです。しかもサイズが小さい。自分のDTMデスクのシェルフの一角にすっぽりと収まった。
いちばん左のつまみでアンプの種類を切り替える。操作系は全モデル共通。左からゲイン、ベース、ミドル、トレブル、マスターボリューム、そしてアウトプットボリューム。
アウトプットボリュームは、つまみをプッシュするとライン出力、ヘッドフォン、センド端子などのボリュームを切り替えられる。
アンプの種類は、プリセットつまみで切り替えても何が何だか分からない。
これは、iOSアプリかMac/Winのアプリ「Bias Amp2」をダウンロードすれば細かい調整ができる。
まあ、Line 6のアンプシミュレーターなんかと同じです。
Bias Amp Mini Guitar Ampの特徴
・本体に液晶なんかない。アンプの種類とか細かいことは気にすんな。本体のつまみを回して気に入った音を鳴らせ。
・エフェクターなんてない。この機械はギターアンプだからな。ギターがいい音で鳴ればそれでいいだろ。
・いちおうリバーブだけはつけといてやる。もちろんsendからはリバーブ音は出ないがな。
という感じで、かなり男気あふれるマシンである。
よけいな機能はいっさいなし。まさにギターアンプ。よけいなことにかまけているヒマがあったらでかい音を出して音楽をやれ、というメーカーの強い意志を感じる。
ちょっと悩んだのは、このアンプを何につないだら良いのかと言うこと。
ラインアウトから出力してモニタスピーカーから出すのは避けたい。それだとソフトウェアのアンプシミュレーターで鳴らしているのと同じになってしまう。ヘッドフォンで聴くのも却下。
Bias Amp miniにはスピーカーアウトがついているので、スピーカーキャビネットにつなぐのがいちばんの正解だ。
が、うちにはスピーカーキャビネットがない。アメリカに行く前にみんな処分してしまった。ああ、景気よく売っぱらったりするんじゃなかった。
いまうちにあるギターアンプは、Fender Bassbreaker15というコンボアンプだけだ。
このコンボアンプには、センド・リターンの入出力がある。
Bias Amp Mini Guitarのセンドから出力してコンボアンプのリターンに挿せば良いだろう。
いちおうその前に、バッファをつないでみるか。どこかのサイトに、バッファ必須と書いてあったからね。
こんな感じ。
配線を終え、音を出してみる。
いきなり爆音。大轟音。驚いて跳ね上がり、怒る妻。あわてふためいてすべてのスイッチを切るワタクシ。
あちゃー。
んーとですね。
あんまりリターン挿しってやったことがなかったんで、ついうっかりしていたんですが。
リターン挿しをやると、リターンしたアンプ(この場合はFender Bassbreaker 15 combo)は音量調整がいっさいできなくなるんですよ。
なので、Bias Miniの方で出力を最小に絞って、徐々に上げていかないといけない。
ところがBias Miniの出力がどのくらいになっているのか、ちょっと分かりづらいんですね。うっかりインジケーターがラインアウトやヘッドフォンの表示になっていると、センド音量と勘違いしてしまう。
ちなみにセンド音量、ツマミ3くらいですでに爆音でした。いま住んでいる古い公共住宅で出せるのはツマミ1か2くらい。方向にして7時か8時というところ。
もう少し音がちゃんと出せる環境がほしい。。。
肝心の音は、すばらしいです。
チューブアンプ独特のコンプ感もしっかり出るし、マーシャル系のハイゲインの歪みもしっかりしている。
あんまりマーシャルの実機を触ったことがないのでうまく言えないけど、この小さいアンプ一台でじゅうぶん。
ただ、くどいようですがエフェクター機能はついていません。リターン挿しだと、唯一使えるリバーブも機能しません。
出音を決めたら、あとはギターを弾くのみ。
ツマミいじってるヒマがあったら楽器弾け!そう言うPositive Grid社の明確なメッセージを感じます。
でも音はすごく良いのよ。ホントよ。
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