プリンタくん、最後の授業
フランツ。席に着きなさい。
きょうはセンセからお話があります。よく聞くように。とくに三列目、あー、キヤノンくん。
キヤノンくんは、世界でナンバーワンのプリンタ会社です。や、もちろんカメラも作っている。印刷一般とか、大きな仕事もしている、あー、でも世の中ではプリンタを作っている大きな会社と言えば、誰もがキャノンくんの名前を挙げるでしょう。
あ、いいの。いいのいいの。謙遜しなくていいの。センセはそれに、責めるつもりとか、そーゆうーのはいっさいないから。
でね、きょう言いたいのはね、世界一の会社なんだから、それなりの誇りと、あと、なんつーの、キョージ?キョージであってる?キンジとも言うかな?プライド、そう、プライドを持ってほしいの。
たとえばね、たとえばの話なんだけど、キヤノンくん、世界中でおんなじプリンタを、ちょっぴーっとだけ型番を変えて売ってるじゃない?
たとえば日本で売っているインクジェット複合機PIXUS MG7530を、アメリカではMG7520という名前で売っているわけじゃない?
え?国によって電源とか規格がビミョーに違うから、同じ型番で出すわけにはいかない?いいのいいの。それはいいの。センセはそこを問題にしてるんじゃないの。
でね、電源まわりとかそーゆーのをのぞけば、ほぼ同じ機種じゃない?
ソフトウェアドライバも、本体の設定画面も、何から何まで同じじゃない?
それなのにね、インクタンクを非共通設定にしちゃうのはどうなのかなって、そう、ちょっとだけ、ちょーっとだけ、センセは悲しい気持ちになるのね。
いいの。それはいいの。責めてるんじゃないの。
でもきょうキヤノンくんに分かってもらいたいのはね。
日本からたーくさんたーくさん、MG7530の替えインクをアメリカに持っていったのね。
で、同じ機種の同じインクだから、とうぜんソケットにはちゃんとハマるのね。スポッて。
それなのに、ソフトウェア的に「このインクは使えません。ちゃんと適合したのを入れてください」って、それをはじいちゃう。
それがね、悲しいの。3セットも4セットも持参したインクタンクが、まるで使えない。ホントはちゃんと使えるはずなのに、ソフトウェアではじいている。
そこがね、ちょーっとだけ、いじわるなんじゃないかなーって、おもーの。ひとのね。も少しね。気持ちってものをね。
あれ?どうしたのキヤノンくん?
え?勝手な思い込みで人にセッキョーすんな?こっちにも都合ってもんが?
キヤノンくん、ヤ、そういう口調は良くない。センセにそーゆーのは良くないと思うぞ。
あー、やめなさい!インクジェットをその辺に噴霧するのはやめなさい!
最近の顔料系は雨でもにじまないくっきり印刷なんだから。取れないんだから。
話を聞きなさい。それからセンセの顔にインクを微粒子噴霧するのはやめなさい。
キヤノンくん?キヤノンくんッッ?!
…フランスばんざい!
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