休日の午後はコーヒーを
アメリカはコーヒー大国だ。お茶と言えばほぼコーヒーしかない。緑茶、紅茶、中国茶のたぐいはほとんど流行っていない。たまにバーガーショップなどで紅茶が置いてあるが、うっかり頼むと異様に甘い紅茶フレーバーの砂糖水が出てくる。ほとんど炭酸飲料のあつかいだ。お茶と言えばコーヒーなのである。
で、コーヒーがまたピンキリなのである。渡米して半年ほどして、わが人生最大級のまずいコーヒーを体験した。とあるサンドイッチショップでふとコーヒーを頼んだら、なぜここまでと言うくらいひどい代物が出てきた。これがよく推理小説などで出てくる、泥水と例えられるアメリカのコーヒーかと、妙に感動したくらいである。
一方で、ものすごく美味しいコーヒーにもありつける。インディペンデント系のコーヒーショップも多く、その大半は豆から焙煎から店の雰囲気から、ものすごく凝っている。
ぼくがよく行くのはそのひとつ、Vと言うコーヒーショップだ。車で40分と遠いのが玉に瑕だが、行くだけの価値がある。
アメリカのコーヒーはとても安くて、レギュラーサイズで2ドル前後というところが多い。が、Vの最上級コーヒーは5ドル。2倍半。でもそれだけの価値がある。
オーダーを受けてから一杯ずつ目の前で淹れてくれるし、量も大ぶりのマグカップにたっぷりと入れてくれる。店員さんもとても愛想がいい。ぼくのたどたどしい英語でもにっこり笑って茶目っ気たっぷりに返事してくれる。チェーン店の店員さんが英語のおぼつかない客に冷たいのとは対照的だ。
アメリカのコーヒーショップの多くは電源コンセントが豊富にあり、無料Wi-Fiを提供している。勉強している人、仕事をしている人も多い。けどスノッブな印象はなく、パソコンに黙々と向かっている人もいれば友だちと楽しくおしゃべりしている人、コーヒーを飲んで物思いにふけっている人、それぞれが好きなことをしている。店が広くて席数が多いせいか、長時間いても変な肩身の狭さは感じない。
まあ、仕事や勉強の人もだいたい2,3時間で帰って行くようだ。さすがにまる一日コーヒー一杯で粘っている人はいない印象だ。
と言うわけで、淹れ立てコーヒーを飲み、アサイーのシャーベットを食べ、仕事の資料などを読みつつ周りの人々を観察していると、なんとなく休日の午後が終わる。
午後の光が差し込み、表に誰かが駐めたピックアップトラックの濃いブルーに反射している。
落ち着くひとときです。
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コメント
美味しそうなコーヒーのトピックありがとうございます。コーヒーホリック(?)の自分には話が尽きなくなりそうですが、そういえば、AAミーティングでコーヒーが用意されるのは、アメリカのミーティングからの流れですよね?たまに映像でですがアメリカのミーティングでは本格的なコーヒーマシンが用意されているのを見たことがあります。日本では、もっぱらインスタントコーヒーですが、ビギナーの頃はコールタールみたいにドロドロ濃くして飲みながらミーティングに参加していたことを思い出しました。会場によっては、あまり綺麗とはいえないカップが用意されている所もありましたが、なんだかそれで飲むと回復していくような錯覚も覚えながら飲んでいました☕️
投稿: ジャビー | 2017年3月28日 (火) 23:46
ジャビーさん
アメリカもバラバラで、自分がよく行く会場はコーヒーセットはあるものの、飲んでいる人はあまり見かけません。みな自分のタンブラーを持ち込んでいます。
が、前に参加したシアトルのミーティングでは、スターバックスかどこかのでかいコーヒータンクが会場内に置いてありました。この辺、地域性やら献金額やらグループの運営方針やら、色んな事情が入り交じっているんでしょうね。
自分も眠いときはやたら苦いコーヒーを作って飲んでいました。仲間の話を一言も聞き逃すまいと気張っていた時期でしたねー(遠い目)。
投稿: カオル | 2017年3月29日 (水) 02:24
では、私も神戸の市内へ美味しいコーヒーで
本を読みに行ってきますか…。
桜も少しは咲き出したかな?
(^_^)v
投稿: k | 2017年4月 2日 (日) 11:15
おお、Kさん、コメントに気がつきませんでした。
神戸のコーヒー、メチャメチャおしゃれですね。うらやましい。
こちらの桜は、ソメイヨシノが終わって、いまは八重桜が散りかけています。
日本から伝来した桜がアメリカでAIされているのは、日本人としてうれしいです!
投稿: カオル | 2017年4月21日 (金) 05:49