« またまた久しぶりに | トップページ | 米国アマゾン返品UPS drop off »

2016年11月29日 (火)

サンクスギビング明けのミーティング

サンクスギビングデイは一大連休シーズンだ。公的には祭日は一日だけだが、多くの人が一週間ほどの休みを取る。だいたいは家族と旅行に行ったり、家族親戚の家を訪れたりするようだ。
そういうわけで、サンクスギビング前後のミーティングは人が少ない。
きょうはぼくとJだけだった。
二人ミーティングをやるような気分も盛り上がらず、ぽつぽつと話をする。
サンクスギビングデーの由来。ブラックフライデーの狂乱ショッピング。
Jは、サンクスギビングデーは感謝、協働、分かち合いの日だという。
ヨーロッパからアメリカに渡った人々がインディアンに助けられ、暮らしを立てることができるようになった。感謝の意を込めて、収穫物をインディアンたちと分かち合ったのが始まりだという。
だから分かち合うことのたいせつさを知る日なのだと。
だが多くのアメリカ人には、ターキーを食べてショッピングをする日になってしまった。
自分は家族とターキーを食べて、静かに過ごした。

Img_0588


コロラドに生まれ、近くの山でスキーをして育ったJは、現代のアメリカに上手くなじめていない印象だ。
皮肉なことに、サンクスギビングデーはJのような精神主義的な考えとは逆の、物質主義的な、消費社会の象徴的な側面が大きくなってしまったように思う。
サンクスギビングデーの翌日はブラックフライデー。国中のショッピングセンターが年に一度の大幅値引きをし、買い物客が殺到する日だ。開店時間は年々早まり、いまや夜中の0時、日付が変わると同時に28時間の突貫営業に入るところもある。
ぼくも物見遊山で行ってみたけど、あまりの混雑に、クルマを駐めることさえできずに帰ってきた。
Jは、そんな消費社会をクレイジーだという。
消費行動は、満足するということがない。ひとつを手に入れれば、もっと多くのものが欲しくなる。
消費しきれないほどたくさんのモノに囲まれて暮らすのがしあわせなんだろうか?
おれはそう言うものに荷担したくない、と彼はいう。
ブラックフライデーもきらいだし、クレジットカードもきらいだ。あれは借金なんだと言うことをみんな忘れている。なぜ感謝と分かち合いの日に、そんなものに振り回されなくっちゃいけないんだ。と。

ぼくは興味深く彼の話を聞く。
いうまでもなく、現代の消費主義社会はアメリカが作り出したものだ。それをアメリカに生まれて育った人がどう見ているのか、かねてより興味があった。
Jのように、過剰な消費行動に疑問を持っている人がいるのだということに、ちょっと驚いた。
もちろん多様性の国アメリカでは、人の数だけ考え方がある。Jのような精神主義的な考えの人もいれば、家族で元気いっぱいにブラックフライデーのショッピングモールに突入していく人たちもいる。
どちらが良いとか悪いとかじゃない。要は自分次第、自分がどの考えを支持し、基準とするかがたいせつなのだ。

ふだんのミーティングもたいせつだけど、対話で人の考えを知るのもいいね。
それにしても、祭日の本来の意味が失われて消費社会のイベントと化していくのは、日本のクリスマスによく似ているなと思いましたよ。
Happy Thanksgiving day to you.

|

« またまた久しぶりに | トップページ | 米国アマゾン返品UPS drop off »

コメント

「教会でもクリスマスってやるの?」と聞いた若いコがいたという笑い話がありますが。広まると形骸化してしまう悲しさですね。でも、なかなかサンクスギビングデーらしいミーティングだったのではないでしょうか!
こちら、クリスマス商戦どころか11月からお正月グッズがスーパーに並んでいます🎍

投稿: ジャビー | 2016年12月 1日 (木) 22:12

ジャビーさん
コメントありがとうございます。
そうですか、そう言えば日本もクリスマス、お正月と一大商戦シーズンですね。
初売りバーゲンに突進する一方で初詣で無病息災を願う日本人の姿は、サンクスギビングデーのアメリカ人とよく重なる気がします。
そう言えば飲んでいたころ、ぼくの初詣の願いはいつも「酒が止まりますように」でした。
いまは別の願いができることに感謝しています。

投稿: カオル | 2016年12月 2日 (金) 00:16

そういう流れからミニマリストとかダウンシフターとか生まれたんでしょうね。岩波現代文庫の「浪費するアメリカ人」はアメリカの消費についてよく書かれていましたが、日本も対して変わらない気がします。

Desire Desires Desire.って上手い話しですね(笑)

投稿: とおる | 2016年12月15日 (木) 21:46

とおるさん

アメリカという国はほんとに個人差がはげしいんですが、消費行動がはげしい人はほんとうにはげしいようです。GREEにも欲しいものがあったら倹約や貯金が吹っ飛んでしまう人物が登場していました。ひとつの典型なんだと思います。
自分もアメリカに引っ越してきてみて、こんなに使っていないものがたくさんあるのかと驚きました。暮らしていくのに必要なものって、自分が思っているよりずっと少ないんだと気づきました。まあ、でも欲しいものは欲しくなっちゃうんですけどね(笑)。

投稿: カオル | 2017年1月 2日 (月) 10:03

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: サンクスギビング明けのミーティング:

« またまた久しぶりに | トップページ | 米国アマゾン返品UPS drop off »