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2016年5月11日 (水)

回復の定義とは? "What Is Recovery?"

おもしろいサイトを発見。
回復の定義を決めちゃおうっていうサイト、その名も”What Is Recovery?” (回復ってなんだ?)。

http://whatisrecovery.argintranet.org


トップページにはこう書いてある。
「アルコール・薬物問題の回復には、今日に至るまで一致した見解がありませんでした。ある人は薬物・アルコールを完璧に絶つことと言い、別の人はちがうといった具合です。私たちが知っているほとんどのことは科学者や有識者から得た知識で、回復者からではありません。”What Is Recovery?”プロジェクトは実際に回復を経験し、いま回復を生きている人からの知見をもとに回復を定義する試みです」

と言うことで、回復の定義がはっきりしていないことにもやっとした思いを抱えているのはぼくだけではないようだ。
このサイトは、実際の回復者の意見を得るために、Webベースの調査と電話調査をやっている。
まだ結論は出ていないものの、現在はこんな意見が出ているそうだ。

・回復とは、自分に正直になること。
・回復とは、かつてのように酒やドラッグを使わずに人生を楽しめること。
・回復とは、社会、家族、自分自身の向上などのために貢献できること。
・回復とは、人が頼るような存在になること。
・回復とは、与えられたものを別の人に贈ること。
・回復とは、自分の時間とエネルギーを費やす活動の中で、信念と価値観を一貫させるために努力し続けること。

などなど。
いまのところ、大別すると5つの領域に意見が寄せられているそうだ。

http://argintranet.org/whatisrecovery/?q=node/6

1.断酒・断薬に関して
2.回復の必須条件
3.「豊かな」回復
4.回復の霊性
5.共通性の低いもの

うーん、おもしろそう。
1.の断酒・断薬については、「酒を飲まない」「処方薬を乱用しない」「処方薬以外は使わない(売薬を使わない)」が88%- 94%で一致している。
逆に共通性の低いものとしては、「心身が健康で、霊性・宗教に問題がないこと(65%)」「タバコを吸わない(65%)」「宗教を持つ63%)」「問題にならない程度の飲酒・薬物使用(43%)」があげられている。うーん、たしかにAAメンバーでタバコを吸っている人は多い。アメリカでも多い。禁煙を回復の条件にしてしまうと、かなりの人が非回復者に分類されてしまいそうだ(笑)。
ちなみにこの試みをやっているのは、カリフォルニアの公衆衛生研究所 (Public Health Institute)。
Lee Ann Kaskutasと言う先生がやっておられるらしい。
いまのところまだ中間報告しか出ていないけど、おもしろい試みなので、ぜひ結果をまとめて欲しい。
意外なのは、感情のソブラエティに関する項目が入っていないこと。まあ、感情の安定性みたいなものを定義し出すと切りがないからね。ぼくも日によって気分がグラグラして安定していないし。

ちなみにぼくも回復の定義を考えてみました。
酒をやめ続けていること、は前提条件みたいなものだと思うので、あえて回復の条件には入れませんでした。

1.ケンカしても仲直りできること。
2.ごめんなさいが言えるひと。
3.こころがしなやかなこと。信念と柔軟性の両方を持っていること。
4.家族を泣かせない。
5.たまには親孝行。
6.くじけてもよし。へこたれてもよし。泣き言、グチもよし。でもまた立ち上がれること。

うーん…仕事中に30分も頭を抱えて、この程度しか思いつかなかった…スケールちっちぇ…がーん。。。

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コメント

回復の定義ですか…
①周りに感謝出来て、周りからも感謝される。
②人の役に立てる。

かな?

投稿: k | 2016年5月11日 (水) 23:37

kさん

おお、なかなか具体的で良いですね!
”What Is Recovery?”のまとめている定義は、やや抽象的というか、ぼやっとした表現のように思います。
kさん定義くらい分かりやすいといいですね。
それにしても「回復の定義」を決めようという試みが、研究として行われているのは、すばらしいです。それも本人たちからの意見集約という形で。
日本でも誰かやってくれないかしらねー。

投稿: カオル | 2016年5月12日 (木) 22:44

アルコホーリクの45歳の男です。ソーバー5年になります。実家は福島です。今は愛知に住んでます。

私は、色々な恨みを抱えています。
AC でもある私は、親への恨みをはじめ、社会への恨み、不況という時代への恨み、格差社会への恨み、男女関係への恨み、身体コンプレックスへの恨み、お金への恨み、様々な恨みがあります。

ステップや色々な過程を経て、昨年10年振りに里帰りしました。
また親から色々と愚痴愚痴と言われるのを覚悟して、それでも埋め合わせをしていこうと行って来ました。
実際には、温かく迎えてくれ、私は親を許し、親もまた私を許してくれました。
埋め合わせは何もできず、ただ『私達の事は気にせずに、向こうで正社員として頑張ってみてはいかがか?』ということを言ってました。

私は、もう20年ほど派遣会社や期間社員ばかりやっています。
20代前半は正社員として働いていました。
ボーナスをもらったときに、こう思ったんです。『自分は、こんなにお金をもらってはいけない人間だ!』と。
そして、いつの間にか低賃金・ボーナスなしの派遣会社や期間社員ばかりやるようになったのです。

派遣会社でも、初めは上を目指して頑張っていました。リーダーになって管理者に抜擢されました。抜擢されたところで不況の波が押し寄せてきました。管理者の話しはなかった事にと言われました。
それからは地獄の始まりです。
リーダー手当てのカット、深夜手当てのカット、残業割増のカット、昇給もボーナスもないところに減給まで実地されました。
労働基準法違反と契約違反を盾に、労働組合もない状態でたった一人で会社と争いはじめました。
AC だった為か?半鬱状態で生きていた私に追い討ちをかけ、あっという間に酷い鬱状態になりました。アルコールも関係していると思います。
1年半の療養のあと、どうにか働く気力を出して期間社員になりました。
正社員には、嫌なヤツもいて、
『期間社員は、正社員の言うことだけ聞いてやってりゃいいんだよ❗』などと言う正社員もいました。
仕事や会社・正社員に恨みばかりがつのっていきました。正社員になれば給料も上がるし生活も安定するのに、できもしない個人事業ばかりを妄想して、個人事業への勉強などは何もしない日々が続き毎日飲酒の日々が続きました。
正社員には絶対にならない。などと思ってました。

40歳で底を着いてAA に繋がりました。


44歳で実家に帰り、正社員になってはいかがか?と80歳の両親に言われました。
これが埋め合わせなのかとも思いましたし、
20年間、派遣社員や期間社員という呪縛から抜け出すのも回復だと思い直しました。
正社員登用試験は半年に1回あって、1回目の試験は落ちました。
面接がどうもうまくできませんでした。
そこで、期間社員ばかりが集うグループから抜け出し正社員のグループに近づき言葉を交わしていきました。
正社員の言葉使い、正社員の考え、情報等を取り入れていきました。これはかなり辛かったです。古巣の期間社員達から何を言われるかわからないです。実際に他の期間社員達とはギクシャクした関係になってしまいました。しかし、それでも私は、正社員になりたいと思っていました。(でも、本当はどうなのかは疑問です。私が妄想してるだけかもしれなかったです)

そして、2回目の正社員登用試験に合格しました。倍率10倍で難関でした。ウソのようです。

20年間続いた、派遣社員や期間社員の呪縛が亡くなろうとしています。

これが私の回復の定義かな?

次は、45年間、彼女いないという呪縛から回復していきたいと思います。

投稿: ひろ | 2016年12月18日 (日) 08:57

ひろさん、返信が遅れました。
長文の中から、ひろさんの回復の歴史がうかがえました。
分かち合っていただき、ありがとうございます。
回復を定義することは、本当にむずかしいと思います。ですが、回復の定義を考えていく中で得られるものも大きいでしょう。
ひろさんの回復では、家族や社会(会社)へのうらみを手放すこと、そしてコミットメントを広げていくことが重要な要素だったんですね。自分も同じです。
感情のソブラエティ、そして社会や他の人とのつながりをいかに豊かにいていくかが、私たちアディクトに共通の課題のように思います。そして断酒とちがって、感情のソブラエティや社会性の回復は終わりがありません。
でも私たちにはAAプログラムがあり、やるべきこと、めざすべきことが分かっています。これはほんとうに大きなアドバンテージだと思っています。
書店に行くと、生き方に関する実用書が山のように積まれています。アディクトだけでなく、世の多くの人たちが同じ問題に悩んでいることがうかがえます。
霊的な成長は、酒を何年やめていても、まだまだ道の途中です。ヒロさんの次の呪縛、また乗り越えられるといいですね。
ともに成長していきましょう。

投稿: カオル | 2016年12月27日 (火) 01:25

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