Maybe禁止令
となりの部署に親切な人がいて、ときどき話をしに来てくれる。
いまの仕事はひたすらパソコンに向かっているだけなので、なかなか周囲とコミュニケーションが発生しにくい。大歓迎である。
で、先日彼女と話をしていたときのこと。内容はぼくの業務と、それに関する日本の状況などだ。
しばらく話をしていたら、彼女が突然、真顔でこう言った。
「maybeという語は使うな。その言い方をしたいのならI’m sureを使え」
突然のメイビー禁止令。
理由は分からないが、ネイティブの彼女が使うなと言うのであれば使うべきではないのであろう。
そう言えば、maybeと言う語は、自分とは関係のないことを話すときに使う、という受験英語の記憶がよみがえってきた。
帰ってからwebで調べる。やっぱりそう書いてある。
明日は雨になると思うよ。だったらMaybe it will be rain tomorrow.でいい。
が、明日は仕事が終わると思います。をMaybe I will finish my work tomorrow.(分かんないけどあした仕事が終わるんじゃないかな)では具合が悪い。
Maybe our company will increase our sales in next quarter.(分かんないけど来期は社の売り上げが伸びると思います)とかね。
学校教育のせいにするわけではないが、ぼくが学生の時は、maybeは「たぶん」と習った。言いやすいし、日本語では「たぶん」を使う機会はものすごく多い。謙遜というか、強い断定口調を避けるため、8割方確定していることでも「たぶん」「おそらく」を多用する。必然的に、日本人が英語を話すときにmaybeが使われる頻度は多くなる。
しかし、まわりのアメリカ人のトークを聞いていると、maybeはあまり出てこない。それどころかperhapsもprobablyも出てこない。I’m sureはちょくちょく出てくる。
でも、いちばん多いのはふつうの文法、つまりただの言い切りだ。
「来期の売り上げは倍増すると思います」だったら The sales in the next season is expected to be double.となり、ごちゃごちゃmaybeだのprobablyとか文頭や文末につけない。先の話をしているんだからあくまで不確実だと言うことはみんな分かっている。
そう思ってmaybeを使わないようにしてみると、いかに今まで自分がその言葉を多用していたかが分かる。ここ数日は、maybeと言いかけて「メイ…うぐっ、ぷ、ぷろばぶりー」と言い直すことがしょっちゅうだ。
英語を学ぶと言うことは新しい言語を学ぶことなんだけど、こういう「和製英語」を切り離していくことも必要なのである。
(と言い切ってみる)
教えてくれた彼女にはほんとうに感謝です。
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