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2014年5月18日 (日)

最新の技術でアナログをモデリング?

きょうはギターDTM関連の話である。
Line6社から新しいギターアンプとアンプシミュレータが発売された。

AMPLIFi
http://jp.line6.com/fx100/

時を同じくして、BOSSからも同様の製品が出た。

Line6社はニューラインナップだが、モデリング技術自体はPOD HDシリーズと変わっていない。
一方のBOSSも、GT-100のバージョンアップおよび同性能のテーブルトップタイプ機の発売であり、まったくの新機軸ではない。
両者、負けず劣らずというところだろう。
Roland/BOSS、Line6以外にもアンプシミュレータやギタープロセッサを発売している会社は何社かあるが(DigiTechとかね)、市場はほぼこの2強の占有状態と言っていい。
では、この2社が追求しているものは何か。
それは
「アナログ・モデリング」である。
アナログモデリングとは要するに、デジタル機器でどれだけアナログマシンのテイストをクローニングできるかと言うことだ。
誤解を恐れずに言えば「どれだけ豆腐で肉料理の味を出せるか」とか「人工甘味料で砂糖と同じ味のコーラを作る」とか、そういう世界である。
で、現時点ではほぼ完全にアナログ機器をエミュレートできている。
アンプシミュレータは、たぶんレコーディングしてオリジナルのギターアンプの音と聞き比べても分からない。ディレイだって、ちゃーんと最近のデジタルテクノロジーは発振ディレイやテープエコーの質感を再現できている。

でもね。ちょっと考えて欲しいのよ。
最新のテクノロジーの粋を凝らして、50年代や60年代の真空管やらトランジスタの音をまねっこしているのよ。
最新のDSPチップを何基も搭載して「わー、ゲルマニウムの音が出たー」「すげー、へたったソビエト製真空管の音が出たー」とか言ってるのよ。
これっておかしくない?

まあ、根っこにあるのはギターキッズや音楽ファンに根強い「アナログ信仰」「ビンテージ指向」なんだと思う。
やたらと50年代、60年代のギターやアンプをありがたがり、「ホンモノのビンテージは音がリアル」なーんてありがたがる風潮がある。
でもさー。
どう考えても、当時より物作りのクオリティは上がっていると思うのよ。そりゃ、昔のギター、とくにブランドものはギター職人がていねいに作っていて質がいいにちがいないと思う。
でも、それから60年も経った現代のギター職人がていねいに作っているギターの方が、はるかに質がいいと思うんだけどな。

話をアンプ、エフェクターに戻す。
このアナログ・モデリング技術も、数年ごとに革新される。おそらくあと2年くらいすればLine6もBOSSも新しいテクノロジーを投入してくるだろう。そしていまの最新機種、POD HD 500xもGT-100ver.2も陳腐化していくだろう。
ユーザはどうしても最新の機種に乗り換えざるを得ない。そりゃそうだ、「よりリアルなビンテージサウンド」なんて宣伝されちゃったら、ギターキッズは飛びつくに決まっている。

で、ぼく個人の経過を振り返ってみる。
Line6も、POD2から始まり、PODxt, POD HD500と買い換えた。BOSSの方もGT-8、GT-10、そしてGT-100と所有してきた。GT-8の発売が2004年だから十年以上の経過ではあるけれど、これ、合計したら20万円は軽く超えている。
だったらそのお金で、ホンモノのビンテージアンプとハイクオリティなコンパクトエフェクターを買えば良かったんじゃないだろうか?

ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!

デジモノは足が速い。鮮度が落ちるといきなり価値が下がる。
最先端マシンも、新機種が出ると急にくすんで見えるから不思議だ。でも、デジモノを追い続けるのは労力がいる。新機種の操作を覚え、癖を知り、新しいモデリング概念を理解する。
そろそろそういうことに労力を費やすのがムダに思えてきた。
質のいいギターアンプと、いくつかのコンパクトエフェクター、せいぜいLine6のM13があればそれで十分だと思う。
デジモノに踊らされるのはそろそろ卒業したいナリ。

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