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2014年4月17日 (木)

変化への準備

依存症者は変わらない、と言われる。
家族や関係者が飲酒をやめろ、言うことを聞けと耳にたこができるほど言い聞かせても、彼らは変わらない。
依存症からの回復には、自分自身が「変化」を起こしていく、あるいは「変化」を受け入れることが必要だ。
そしてそのためには、変化への準備が必要だ。
変わる準備ができていない人に変わるためのノウハウを伝えても、トゥーマッチに思われるだけである。
では変わる準備をするにはどうしたらいいのか?準備のできていない人に準備を起こさせるためには?
さらに強く、変わる必要性を言い聞かせる?理詰めで本人のへりくつを論破する?

問題点と解決の提示、そして支えが必要だとぼくは思う。
問題点を提示すること。
解決があることを提示すること。まずその二つが必要だ。
問題点ばかり提示して解決が示されないと、依存症者は問題認識をあきらめてしまう。そりゃそうだ、きみの未来は真っ暗だ、このままだと破滅だと言うことを、どんなにオブラートに包んだとしても伝えるのだから。
解決があることを示されてはじめて、問題を認める余地が出てくる。
逆に解決だけが示されても、依存症者は興味を示さない。ぼくもAAに来た当初、12ステップはつまらない道徳的な訓示にしか思えなかった。自分の問題を解決するための道具だとは思えなかった。
実際にそれを使って共通する問題を解決している人を見て、はじめて気がついた。

そして変化を受け入れるには、支えが必要だ。
支えがなければ、共感がなければ、人は変わらない。AAにつながる前のわれわれは、冷たい正論をうんざりするほど聞かされた。
家族に対する責任を説かれ、仕事を休んで飲酒するのは無責任だと言われ、飲酒に関するさまざまな嘘や言い訳を非難された。その大半がなんに役にも立たなかったばかりか、かえって飲酒問題を悪化させた。
へりくつの裏側にある孤独や寂しさ、絶望に共感してもらえてはじめて、問題を受け入れることができた。支えられたと実感できた。

変わる準備のできていない人は、まだ準備ができていない人なのである。
いまはまだ準備ができていないが、時が満ち、準備ができれば、いずれ変わるかも知れない。
われわれがニューカマーに「この人はどうせ変わる気のない人なんだ」とレッテルを貼ってしまえば、かつてわれわれを非難した人たちと同じになってしまう。
自分を越えた大きな力が、私たちみんなを健康な心に戻してくれると信じたい。
そして願わくば、共通の問題があること、解決があること、そして支えがあることを新しい仲間に伝えたいものです。

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コメント

この準備が出来ているか否かの重要性は
今の職場で上役に教えられましたよ。
準備させるのが、教える時の一番大切な
部分だと…。
上司は製鉄所で職長をしていた現業職の
出身だったんですけどね。
飲まない中でそんな事を聞くと、12ステップも
教育なんだと深く納得しましたよ。

投稿: k | 2014年4月17日 (木) 23:25

kさん

経験者が未経験者に知識やノウハウを提供するのは、たしかに教育ですよね。
昔から、教え上手な人はいました。学校の先生でも、たいがい教え上手な先生は生徒の変化(学習)上での問題点を理解している先生でした。
無理に腕を引っ張ることなく、上手に新しい仲間にメッセージを伝えていきたいです。

投稿: カオル | 2014年4月18日 (金) 07:11

ニューカマーに色々と教えていくのは難しい。
ソーバーの長い仲間が家庭の事情や仕事の都合で居なくなり、去年はソーバー1~2年でグループ運営を一人でやらなければならなかった。いつのまにか自分が飲まない一人になっていた。
自分のことで精一杯の中で、メッセージではなくて仲間をコントロールするようになって共依存っぽくなった。相手は自分と同じアルコール依存症者だから、コントロール不可能だ(笑)
今は他のグループから2名移籍してくれて3名でグループ運営をしているが、あのまま一人でグループ運営をしていたら飲んでいたかもしれないな?


プールサイドに立っていた。
ぼくは、水面をじっと見つめた。
水面に引き込まれてプールに落ちた。
服はビショビショに濡れてしまった。

またプールサイドに立った。
また水面をじっと見つめた。
今度は落ちないぞと力を込めた。
でも、今度も水面に引き込まれてプールに落ちて服はビショビショに濡れてしまった。

そして、何度もそれを繰り返した。
どうしても水面を見つめてしまう!
どんなに力を込めても落ちてしまう!
時には、自分からプールに飛び込み深く潜った。

ある時、水面に自分の姿が写った。
ハッと気がついた!
『なんだ!もうすでにビショビショに濡れてしまっているじゃないか?!』
あんなに落ちないように力を込めて踏ん張っていたのに・・・・
もう、落ちる落ちないもないな・・・
落ちるまでもなく、こんなにビショビショに濡れてしまっている自分に気がついた。
完全に力が抜けてしまった。
どうしたらいいのだろう?

そうすると、
ぼくのまわりで、いつもやかましく言ってくる人がいたことに気がついた。
その人は、ぼくの仲間だという。
そして、その仲間の声がハッキリと聞こえてきた。

とりあえず、ビショビショに濡れてしまった服を着替えませんんか?
タオルで体を拭きませんか?
ストーブにあたって暖まりませんか?
コーヒーでもいかが?

ぼくは、水面から目を離すことができた・・・・

飲む飲まないなんて、どうだっていいことなのかもしれないな~
(水面を見つめること)
どうやって水面から目を離し、こちらを見てもらうか?
引き付ける魅力かな~?

投稿: thriver-hiro | 2014年4月20日 (日) 09:49

hiroさん

ソーバー1,2年でグループ運営をしていたのは、さぞたいへんだったことと思います。
hiroさんは、スポンサーはいらっしゃるんでしたよね。
苦しいとき、道が見えないときはスポンサーとともに、もういちど最初の3つのステップを踏んでみると良いかも知れません。
無力を認め、少しでも良いですから回復をもう一度信じてみると先が見えてきたりします。
水面の話ですが、飲む飲まないで言えば、飲まないことはもちろん大切ですが、回復の道を歩いているかどうかが肝心だと思います。
ぼくはAAにつながってからもさんざんスリップをくり返しました。1年のバースデイを迎えるのに1年9ヶ月かかりました。でも、これが神に与えられた自分のコースだと信じています。

投稿: カオル | 2014年4月20日 (日) 17:55

はじめまして。
すごく勉強になる記事ばかりで、最近ずっと読ませていただいています。
私はアルコホリクの元夫と、結婚前も含めると約10年付き合い、現在は別れて10年以上になります。
今の今まで、交通事故の割合でいえば、10対0で元夫に非があると思っていましたが、カオルさんのブログを読んで、いろいろと考えさせられました。
もっと早くこの病気のことやAAのことを知っていれば、少しは違ったのかなと思います。
まだまだ読ませてくださいね。

投稿: | 2015年9月23日 (水) 10:24

古いエントリーにもかかわらずコメントをいただき、ありがとうございます。
飲み続けているアルコホリクと10年もの結婚生活を続けるのは、さぞ困難の連続だったろうと思います。
飲み続けるのもやめるのも、最終的には本人の責任です。
どうか、あまりご自身を責めませんように。
あなたにも元のご主人にも、良い未来が待っていることを祈っています。

投稿: カオル | 2015年9月24日 (木) 07:44

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