職場の送別会
先日、職場の送別会に参加した。
フロアのスタッフリーダーが、系列の別施設に異動になるのだ。内示がおりたのが3月の下旬。急な異動である。
花束を買い、送別会場に向かう。正直、微妙な気分だ。
そのスタッフリーダーとは、ぼくが勤務を始めてからさまざまな細かいトラブルがあった。
叱責を頂戴することもしばしばだったし、無理筋のご要望もあった。
割に合わないと感じることも多かった。
それでも彼の期待に添えるべく、がんばってきた。要求が無理筋とか叱責とか、そんなことはどうでもいい。たいせつなのは顧客に最良のアウトカムを提供することである。
たとえ自分の側から見て理不尽なリクエストでも、クライアントに良いサービスを提供するための取り組みなら、それは良いことなのである。
そう思ってやってきた。
送別会では何か言われるだろうか。
ぼくのことを、期待外れだったとか、がんばりが足りなかったとか、そんな風に言われるんじゃないだろうか。まあ、仕方がないか。
ぼくはやるだけのことはやった。彼女の要求水準に達したかどうかは神のみぞ知る、だ。おそれても仕方ない。
そう思いつつ送別会に参加した。
意外や意外。
彼の口からは、感謝の言葉しか出てこなかった。
ぼくの支えをとても感謝していた、と、みなの前で彼は話した。
涙ぐみながらスピーチを終える。参加したスタッフたちも感情がこみ上げてきたようだった。
キレそうになったときも何度かあったけど、キレずに良かった。
怒りにまかせてフロアリーダーに対決的な姿勢を取っていたら、きっと職場の雰囲気は壊れ、サービスの質は低下していただろう。
考えてみれば、じっさいに顧客サービスの前線に立っているのは彼とそのスタッフなのである。彼が無理筋を要求したとしても、彼には彼なりの見方があり、仕事の質を上げようとしてのことなのである。
寛容さ。
自分とちがう意見を許せること。
そう口にしてしまうと、なんだか道徳の教科書みたいだ。
でも、他人を許す力、自分とのちがいを認める力って、とっても強い力だと思うんだよね。
ひとの短所やちがう意見を心から許せること、ひとの意見を尊重できること、そうした態度があってこそはじめて、ひとの役に立つことができるのだと私たちは思っている
- Alcoholics Anonymous 第二章 解決はある-
| 固定リンク
コメント
なかなか出来ないな~寛容でいること。とブログを読ませていただきながら思いました。ビッグブック、読んでみます。
今日1日の中で、「寛容」ということを考えるようになっただけでも、飲んでた頃よりマシなんでしょうけど、行動に移さなきゃですね。6,7が足りてないですね、私(笑)
ありがとうございます(*^_^*)
投稿: とおる | 2014年4月 2日 (水) 22:52
とおるさん
ぼく自身、家に帰るとグチばっかり言って妻に怒られたりします。
自分の怒りや反発の感情に対処するのは骨が折れますね(´д`)
それでもステップの示す道に沿って生きようと努力すれば、がんばった分だけ結果は必ず出ます!
つくづく、12ステップは行動のプログラムだと思いますよ〜。
投稿: カオル | 2014年4月 3日 (木) 06:49