AAメンバーシップサーベイ2013
日本にAAができて40年だそうだ。
来年2月、横浜で3日間にわたり大きな記念大会が開催される。ぼくも参加する予定である。
この40年、AAはどう発展していったのか?
ふと気になってAAメンバーシップサーベイを読んでみた。折良く2013年版が発行されたばかりである。
以前の調査と大きくは変わっていない。が、着目すべき点が二つある。
ひとつは、有効回答数が過去最多だったこと。
今回は1,989名。2001年にサーベイ回答数1862名を得たが、それ以降は1,700人台だった。今回は2,000名に届こうかという人数である。
単にたまたま有効回答が多かったのかも知れない。が、ひょっとしたらAAのメンバー数が増えているのかも知れない。
良いことである。
もう一点は、スポンサーシップに関すること。
以前はスポンサーを持っているメンバーは半分にも満たなかったが、前回2010年では50.6%とほぼ拮抗。
今回2013年は54.2%と、はっきりとスポンサーを得ている人が増えている。
同様に、スポンシーを持っている人も前回22.7%から25.8%へと増えている。
ビッグブックのスポンサーシップの広まりや、スポンサーシップに焦点を当てたセミナーが増えていることが背景にあるんだと思う。
批判もあったが、確実にスポンサーシップは増えている。
良い兆候である。
今回のサーベイは、今までの中でいちばんスマートな印象である。
余分な項目を取り払ってすっきりした。分かりやすい。
次回はぜひ、縦断的な調査を行って欲しい。とくにメンバー数の推移や年齢構成推移は見てみたいところだ。
ところで、AAメンバーは増えているんだろうか。
アメリカ・カナダの調査を見ると、1990年代以降は高止まりのようである。
http://www.orange-papers.org/The_Mathematics_of_Alcoholics_Anonymous_-_Part_1.pdf
もともと20万人程度だったが、70年代から加速度的に延びて90年代初頭には120万人に。その後は伸び率は鈍ったものの、確実にメンバー数を増やしている。
数が増えりゃいいってもんじゃないと言う意見もあるだろう。
が、圧倒的な人数に支持を受けているというのは、それだけ社会から肯定されていると言うことでもある。
1935年には2名だったメンバーが、40年後の1975年には33万人に。依存症を取り巻く社会環境が異なるとは言え、日本のAAの歩みとはなんと大きくちがうことか。
なぜ米国カナダのAAはこれほど多くの人を惹きつけることができて、日本のAAはそれに及ばないのか。
ステップが広まっていないからか。ニューカマーの迎え方か。医療機関の送り出しが悪いせいか。
ぼくがAAに来てはや13年。
サーベイとは裏腹に、メンバーが増えているという印象は、正直あまりない。
ニューカマーの定着といつの間にか消えているメンバーの数が、かろうじて均衡を得ている印象だ。
アルコール依存症業界では、動機づけ面接法やCRAFTといった、新しいやり方がどんどん発展している。
周辺に目を向ければ、12ステップグループはずいぶん増えた。
その中でAAだけが、進歩や発展に後れを取っているような気がしてならない。
今回のサーベイの傾向がAAが発展する予兆を示してくれていると良いのだけど。
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