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2013年12月14日 (土)

自分の感情に責任を持つ

先日のミーティングでは、「回復」がテーマだった。
「自分に正直になる能力」。
回復について考えるとき、ぼくはいつもこの言葉を思い浮かべる。

自分の側の非は、誰だって認めたくない。認めるのはおもしろくない。
それは何もわれわれアルコホーリクだけに限ったことではない。依存症以外のあらゆる人に当てはまる、普遍的な真理だろう。
でも、どうもアルコホーリクはその傾向がとりわけ強うように思う。
長いソブラエティを得ているメンバーでさえ、時にそのような傾向が強く表に出て、驚くことがある。
先日、こんな話を聞いた。
入院しているにも関わらず飲んでしまったアルコホーリクがいた。
それは病院のせいだというのだ。
ちゃんと見張っていなかった病院が悪い。病院の監督不行届の犠牲で、そのアルコホーリクは飲んでしまったというのだ。
でも、それでいいのだろうか。
自分が飲んだのは見張りが役立たずだったからだというのは、病んだ理屈だ。

われわれはいつも、飲んだ理由を他人のせいにしてきた。
妻がストレスをかけたから。会社が無理解だから。試験に受かったから。落ちたから。
そして、他人や周囲に自分の行動の結果をなすりつけているうちは、酒は止まらなかった。

他人が悪い。わたしは被害者だ。
わたしたちには飲む正当な理由がある。恨みを持つ正当な理由がある。
でも、そう思っているうちは何も変わらなかった。自分は正しいのだから、変わる必要がない。変わるべきは相手であり周囲であり、自分以外の誰かなのだから。
でも、少しだけ正直に自分を振り返ってみれば、たとえどんな状況であれ、自分の口に酒を持っていったのは自分自身であると認めざるを得ない。
それと同様、われわれが怒るとき、怒りという酒を自分の口に運んだのは自分自身なのだ。

自分の側に問題があると知れば、人は変わらざるを得ない。なぜなら自分に問題があるという状態は不快だからだ。
そしてはじめはいやいやながら問題を解決しようとしていたにせよ、問題が解決されて(あるいは好転して)取りのぞかれたら、今度はそのことが心地よくなる。
問題を解決することが好きになる。

グチは吐いてもいい。けど、ひとしきり吐き終わったら、そこから動き出さなくっちゃ。
アルコホーリクは、どうもグチを吐いてすっきりすると言うことがないようだ。
グチを吐いているうちにどんどん自分の怒りに酔っ払い、エスカレートする。そして自己正当化の罠に陥ってしまう。
怒りに酔えば酔うほど、自己正当化の罠に陥れば陥るほど、自分が変わるチャンスは遠のいていく。

自分の酒は自分の責任。
自分の怒りは自分の責任。
それを認めるには、ちょっとだけ他人のこきおろしをやめて、自分を振り返ってみることが必要だと思うのです。
ああ、なんかきょうは生硬なエントリーになっちゃったな。

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コメント

 生硬なエントリーいいですね(笑)「責任」と聞くといろいろ考えます。自分自身を癒すことも自分の責任であるということを知った時に酒で癒そうとしていた自分がいたな~と気が付きました。

 ステップ2~4にかけて仕組んだのは自分だったこと、恨んだ人がいたけど、その人たちが1度も酒を俺に買ったことはなかったし、飲めと言ったり、目の前に置いたことは無かったと気が付いたとき「やってしまった」と思いました。気が付いても病気は治らないのでやめ続けることだけかと感じたことを思い出しました。

 「お酒をやめること=自分を癒すこと=ステップ=AAに参加・関わること」なんていう方程式みたいなものが自分の頭の中にあります。


 日常でイライラや不安をたどると結局仕組んだのは自分だったと気づくことがあります。その前にその時の行動を何とかしろやと自分でも思いますが、いかんせん、不器用な自分は少しずつしかできないようです(笑)

投稿: とおる | 2013年12月15日 (日) 23:37

とおるさん

多くのものごとの変化と同様、自分の振り返りも時間がかかると思うのです。
ですので、ミーティングやステップで継続的に自分の振り返りを続けるのが肝要と思うのです。ぼくも、今さらながら気がつくことがたくさんありますもん。
「自分の振り返りをする」「し続ける」という姿勢が大事だと思うのです。
その意味でも、とおるさんのおっしゃるとおり、酒をやめることと回復の道を歩来つづけることは、われわれにとってイコールです。

投稿: カオル | 2013年12月16日 (月) 15:32

飲んでいた頃は、一人よがりの正当化ばかりしていたです。
ぼくが神様ですからね。
今考えると、恥ずかしいですね。

投稿: アポ | 2013年12月23日 (月) 11:30

アポさん

飲んでいるアル中は、まさに自分が神さまです。自分がぜったい正しい、まちがっているのは周囲だ。と。
そこをほんの少し、自分の考えをどけることができると回復の第一歩が踏み出せるのですが、多くのアル中さんはその一歩が踏み出せません。
アポさんはいまこうして振り返ることができるんだから、回復していますよ!(^^)!

投稿: カオル | 2013年12月28日 (土) 16:03

この間まで飲んでたアル中です。
いつまたスリップするかわかりません。
自分の考えをわきにどけるのが難しいです…

投稿: あるちゃ | 2013年12月28日 (土) 20:31

あるちゃさん

はじめまして。おお、あるちゃさんは現役(?)のアル中さんなんですね。大歓迎です!(^^)!
そうなんですよ、自分の考えをいったんどけるのって難しいんです。
でも、たぶんいままで自分の考えにこだわってうまくいかなかったんではないでしょうか?ぼくの場合はそうでした。
プランAがダメなら、いったんプランBに切り替えてみる。
それもダメだったらまたプランAに戻ればよし。
そのくらいの軽い気持ちで、まずはやってみましょうよ。
医療関係者からの指導を受け入れてみる。
AAや断酒会のやり方を受け入れてみる。
行動すれば、必ず先は開けますよ〜。

投稿: カオル | 2013年12月28日 (土) 20:40

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