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2013年6月26日 (水)

福島地区なみきグループ15周年伝統セミナー

AA福島地区なみきグループの15周年イベント、伝統セミナーに参加してきた。
同グループの発足15周年を記念した、宿泊イベントである。元JSO所長のN氏や元ワールドサービス担当のI氏をゲスト(身内をゲストというのもヘンだけど)に招いて12の伝統や12の概念を学ぶ、ユニークなイベントだ。
ぼくは神奈川の仲間4人といっしょにクルマで行った。スムーズに首都高を越え、現地に到着。
I氏の話もN氏の話もよかった。AAの12の伝統や12の概念が、より身近に感じられた。

ときどきAA内で「伝統違反」という言葉を聞く。特定のメンバーやグループを指して問題視するときに使われる言葉だ。N氏に聞いてみた。伝統違反とはなんぞや?と。
彼によれば、もともと「違反」に該当する文言はないらしい、という。ただ伝統のmissingと言う表記はあるそうだ。伝統の欠如、ということだろうか。それがひょっとしたら「伝統違反」という表現のルーツなのかも知れない。
「伝統違反」という言葉は言い切りがよく、使いやすい。AAには特定のルールはないが、誰かを非難したいとき、伝統違反という言葉はもっともらしく、重みをそなえている。この言葉が広まったゆえんだろう。

伝統4には「各グループの主体性は、他のグループまたはAA全体に影響を及ぼす事柄を除いて、尊重されるべきである」とされている。グループのことはグループが決める権利がある。もちろんグループが決めたことに対してはグループが責任を負う。
あるグループがAAの出版物以外のテキストをミーティングで使ったとき。あるいは風変わりなイベントを企画したとき。そう言ったとき、しばしば伝統違反という批判が起こる。でも、グループのことはグループが決める権利がある。もちろん批判を受けるべき内容のものであれば、批判すればいい。ただそれは「オレはこう思う」というアイメッセージの視点で行われるべきだ。

ぼくは伝統違反という言葉を好まない。なぜならその言葉を使うとき、伝統という誰も反論のできない権威にすがって、権威の観点から自分の意見を正当化しようという意図が透けて見えるからだ。
相手が気に入らなければ気に入らない、まちがっていると思ったらまちがっているといえばいい。ただ、正当化の理由づけに伝統を持ちだすのは、なんていうんだろう、ちょっとちがう気がする。伝統の方だっていい迷惑だろう。

2日目はN氏がシナリオを描いた寸劇が披露された。
あるグループのビジネスミーティングの場面である。劇の中ではグループの長老格のA氏がビジネスを取りしきり、事前に次の役割交替やバースデイミーティングの段取りなどを主要メンバーと決めてしまっている。ビジネスミーティングはその追認の手続きに成り下がっている。そういう場面だ。
寸劇のあと、小グループに分かれた参加者が問題点を話しあった。
参加者の多くがいろんなことを考えさせられたと思う。ぼくもおおいに考えた。誰もが、あのシナリオのようなグループにはなりたくない、あんな支配的なリーダーにはなりたくない、と考えたにちがいない。ぼくの小グループでもリーダーA氏への非難が相次いだ。
だけどぼくらの誰もが、少しずつA氏の要素を持ち合わせているんじゃないだろうか。A氏は決してまちがったリーダーじゃない。グループのことを熱心に考え、グループの運営を真剣に考えている生真面目なAAメンバーだ。だけど目の前のグループ運営に集中するあまり、ほんの少し新しい仲間のことが目に入らなくなっていた。古株の意見がどれほど影響力が大きく、支配の土壌になりやすいかが分からなかった。何よりも、伝統の精神を忘れていた。あるいは知識としての伝統をじっさいの運営に反映できなかった。
今回のN氏の寸劇は、単なるN氏のグループ運営に関する意見ではない。と思う。伝統を尊重し、周囲の意見に耳をかたむけ、グループがよりいっそうの高みを目指してほしいというメッセージなのだと思う。
伝統を生かせれば、活力を損なうことなくグループは成長していける。

アルコホーリクス・アノニマス青年に達するを読むと、ビル・Wが色んな企画やアイディアを打ち立ててはメンバーに反対されていくさまが描かれている。でもビルは次々と新機軸を打ち出し、前に進んだ。同時に、メンバーの反対を受けると、最終的には周囲の意見に耳を貸した。萎縮することなく前進しつづけ、なおかつ周囲の声に耳を傾けつづけた。

それって最高だよね。
Img_1536


主催のなみきグループのみなさん、おつかれさまでした。
寸劇メンバーの方々にも感謝です。まさかこんなところで舞台役者をやるとは夢にも思わなかったでしょう。

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コメント

ぼくも、伝統違反という言葉は嫌いですね。
幸いに、ぼくのホームグループでは 伝統違反はないと思っていますけれど AAメンバーでも 合う 合わないはありますからねー。
余談ですけど、元所長のNさんには よくしてもらいました。
元気そうで、嬉しいですね。

投稿: アポ | 2013年6月26日 (水) 18:07

アポさん

はい、AAメンバーも好き嫌い、合う合わないはあります。
が、それは恨みの感情が大きいと思うのです。われわれは恨みを持ちやすい傾向がありますから。
それを自覚せず、自分側の掃除をしないまま「伝統違反」なんてぇ言葉を振りまわしはじめるとロクなことになりません。ときにグループや地区を巻き込んじゃいますからね。
N氏は相変わらずお元気そうでした。彼に助けられたメンバーは多いです。アポさんもぼくもその中のひとりですね。

投稿: カオル | 2013年6月27日 (木) 08:23

 伝統の「欠如」良い表現ですね!そういう風に表現してもらえると、伝統に親しみが生まれる気がします。
 耳を傾けること、大切ですよね。耳を傾けられなくなると傲慢になったり正しさばかり求めてしまいますよね。気をつけねば。
 ネイティブアメリカンの本に、対話で大切なことは「聴き合うこと」ってなことが書いてありました。そんなビジネスができればサービスにももっと関心が集まるかも知れませんね。

投稿: とおる | 2013年6月27日 (木) 22:44

とおるさん

先日はおつかれさまでした。
対話で大切なことは「聴き合うこと」その通りだと思います。コミュニケーションの欠如は恨みや恐れにつながりやすいですもんね。
耳を傾け続けたいものです。

投稿: カオル | 2013年6月28日 (金) 08:34

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