ジョギングの怪
あったかくなってきた。ジョギングを復活している。
今朝、いつものように海辺を走っていた。
海辺を4キロほど南下し、整備道路の突き当たりを折り返す。
走り始めて1キロあたりで、ひとりの女性サンパー(散歩のひと)を追い抜いた。
ウェーブのかかった長い黒髪。50代とおぼしき女性だ。
スポーツジャージと不釣り合いな、つばの広い帽子をかぶっていた。黒いレースの、麦わら帽のようなおおきな帽子だ。
黒いジャージに黒い麦わら帽。ひとり。口元に笑みを浮かべながら歩いている。ふしぎだったのは、長い黒髪で目元が見えなかったことだ。元ガンズのスラッシュが笑いながら散歩している、と言えばイメージがわくだろうか。
朝の海岸は、色んな人が歩いている。
ひとりでほほえみながら歩いている人も、ストレンジな服装の人も、ちっとも珍しくない。
気に留めずに追い抜き、海岸を南下した。
舗道の突き当たり、4キロ地点で折り返す。おどろいた。
さっきの女性が、100mと離れていないうしろを歩いていたのだ。
見まちがえるはずがない。黒いジャージ、黒い麦わら帽、ウェーブのかかった黒髪が目をおおい、口もとに笑み。
なにか直感的に距離を取った方がいい気がして、大回りして女性を避け、スピードを上げて引き返した。
道すがら、考えた。
1.ぼくが追い抜いたあと、女性は走ってきていた。
2.女性は途中で自転車に乗ってきた。
3.女性は途中から車に乗ってきた。
2と3はありえない。自転車や車を使ったようにはとても思えない。
考えられるとしたら1だけど、女性は息も切らしておらず、1キロ地点で抜いたときと同じように、笑みを浮かべながら歩いていた。ちなみに、ぼくはキロ5分30秒のイーブンペース。女性が走ってきたとすると、だいたいキロ5分40秒〜50秒くらいの速さじゃないとつじつまが合わない。
麦わら帽の50代の女性は、そういう速さで走ってきた様子はまったくなかった。
ふしぎだ。実にふしぎである。
黒いジャージ、黒い麦わら帽、長い黒髪が目を隠し、微笑みを浮かべた女性が追ってくる…。
うーむ。
あ。もうひとつ可能性があった。
4.カオルはとうとう幻覚妄想が始まった。
これがいちばんこわい選択肢だな。お化けの方がまだ良いです。
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コメント
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
南無…。
投稿: k | 2013年4月11日 (木) 22:32
kさん
そのときはとくにふしぎとも思わなかったんですが、いま思い返すと気味の悪い話です。
ウーム、なにかの前触れじゃないと良いのですが。
投稿: カオル | 2013年4月12日 (金) 21:32