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2013年2月18日 (月)

マイ・ブラディ・バレンタイン来日レポ、ゆらゆらサウンドの秘訣をみた!

マイブラことマイ・ブラディ・バレンタインのライブに行ってきた。
前にも書いたが、けっして一般受けするバンドではないにも関わらずチケットは軒並みソールドアウト。ぼくは抽選に2回落ち、主催smashの有料会員になってはじめて追加公演チケットを入手できた。
どう考えてもマイブラのファンが世の中に大量に存在するわけがなく、数々の伝説、逸話、滅多にアルバムを出さない・ライブをやらないレア度などがチケット争奪戦の原因である。
ぼくが行ってきたのは2月10日の新木場コースト。追加公演。ツアー最終日である。
開場時間ちょうどに新木場コーストに到着したんだけど、まだ客入れが始まっていない。アナウンスによれば、サウンドチェックが延びているとのこと。待っている間に、一枚の立て看板に気がつく。

なんと、バンドの意向で、大音量対策のため耳栓を配るという。きっと例の、途中で行われる大ノイズ大会対策だろう。親切である。気配りである。いや、ほんとに親切なら耳がこわれるような大音量を垂れ流さないような気もするけど。
定刻より10分ほど遅れて客入れが始まる。ぼくと妻は早めの整理番号だったおかげで、前方5列目付近を確保できた。ふつうならありがたいのだけど、例の大音量ノイズ大会を思うと複雑な気分だ。そう言えば早めに入って後ろのひな壇席を確保してた人も多かったな。
開演を10分すぎて、ライブスタート。
曲名は…すみません、分かりません。ラブレスからの曲は分かったけど、それ以外はまったく分からない。つか、どの曲もだいたいいっしょである。ディレイ、リバーブ、トレモロを駆使したゆらゆらギターから始まり、ゆらゆら、もわーんとしたつかみ所のない曲が続く。
ドラムはパカスカと景気よく太鼓を叩き、ベースものりのり。しかしギターとボーカル、それに全体的なミックスがもわーっと抽象的なため、ビート感は薄い。つか、ない。オールスタンディングライブの常で、演奏が始まると前方に客が詰めかける。詰めかけたは良いけど、みなそのままボーゼンと立ち尽くしている。ノリようがないもんなー。

Mybloody01

ステージ上手側、フロントマンのケヴィン・シールズ氏がギター・ボーカルで、もうひとり下手側のベリンダさんもギター・ボーカル。しかし、お二人とも何を歌っているかさっぱり聞こえない。もともとボーカルを聞かせるバンドではなく、「もわーんとしたノイズサウンドの海に、ときどき美しい歌メロやギターの音色が聞こえる」というのがバンドの(たぶん)コンセプトだろうから、まぁバンドの意図どおりなのだろう。
ぼくはケヴィン・シールズの前方にいたんだけど、途中で気がついた。ケヴィン氏、演奏中ずーっと右手でトレモロアームを握っている。ギターはもちろん、fenderのジャズマスター。つねにトレモロアームを握った状態でピッキングをしている。こ、これがマイブラのゆらゆらサウンドの秘訣か!
どうりで変な手つきでピッキングしていると思った。手をすぼめてピックを持っているから弾きにくくないのかと思ったら、ずっとトレモロ握りっ放しとは。そりゃ音程が揺れまくってゆらゆらするわけだ。
そんなケヴィン氏であるが、たまにはゆらゆら弾きしたくないときもあるのだろう。そう言うときは、ピックを持った親指と人さし指の輪の中にトレモロアームを通して単音弾きをしていた。そうかそうか、トレモロアームは何が何でも離さないのかー。
トレモロアームを一曲通して揺らしていればピッチが狂うのだろう。一曲ごとにギターを交換するケヴィン氏。交換しても交換しても、どれもジャズマスターである。ロックナットのギターにすればいいのに…。チューニングなんて関係ないような曲ばっかりなのに…。
ほとんどトークもないままライブは進んでいく。ベリンダ嬢がかわいらしい。客席から「ベリンダー!」と声がかかると、はにかんだように笑って軽く手を振る。いい人そうだ。ケヴィン氏も、ときたま観客に応えてニヤッと笑う。
それにしても曲の区別がつかない。テンポが速いか遅いか、トレモロのゆらゆらかディレイのゆらゆらか。そのくらいしか曲の区別がつかない。ちゃんと予習しておけばよかった。
そうこうしているうちに、ある曲の途中でとつぜんノイズ大会が始まった。ドラム、ベース、ギター2台、すべてエンディングの時のようにじゃらじゃらとフリーテンポで楽器をかき鳴らしはじめる。ドラムとベースの音は、まるで落雷のようだ。ケヴィン氏はギターをかき鳴らしながら、ときどき足もとのエフェクターを操作し、ノイズの色付けを変えている。
例えて言えば、ずっと電車の高架橋の下に立っているようなもんだ。ノイズの色付けが変わるといっても、京急線と京浜東北線の高架橋の下のちがいぐらいだ。
これが20分ちょっと続いた。始まってすぐ、妻は耳栓を装着。迷ったけど、これ以上うるさくならなそうな雰囲気だったのでぼくはそのまま聞いていた。
ノイズに身をまかせていると妙に心地よくなってくる。同時に、だんだん退屈になってくる。みんなどういう反応で聞いているんだろう?周囲を見ると、腕組みをして目を閉じ、眉間にしわを寄せてしきりにうなずいている人多数。そうか、これが正しいノイズの聞き方かー。ぼくもすかさずマネして通ぶってみる。
ちなみに、あとで聞いたら妻は、途中から立ったまま寝ていたらしい。むー。
やがてノイズ大会も終わり、追加で1、2曲を披露してライブはおしまい。アンコールなし。時間にして90分というところか。
おもしろかったです。しかし、アルバムを聞いてもよく分からないけど、ライブを見てもさらによく分からなかった。よく分からないけど、ゆらゆら轟音の壁と、その合間にちらっと聞こえるベリンダ嬢の美メロボーカル、ギターラインがこのバンドの身上なんだろう。しかし系統的にはアバンギャルド、ノイズ系。通には好まれるものの、こんなに人が殺到するバンドじゃないですよ。マイブラがソールドアウトなら、山海塾だって東京ドーム満杯だって。

ちなみに帰りの新木場駅。ひとりのワカモノがふざけて、股間を揺らしながら傍らの友人にこう言った。
「マイ、ブラブラ」。
まぁ、こんなもんです。

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