新しい仲間にメッセージを運ぶために
三が日が明けた週末、仕事の都合で地元に戻る。その際に地元のAAミーティングに参加した。
慣れ親しんだ仲間の顔を見ると安心する。ぼくからすればつい先日会ったばかりのように思うけど、みな久しぶりと言う。なんだか時間の流れがちがう世界から来たみたいだ。
はじめて見かける新しい仲間もいる。逆に、前に来たときにAAになじみかけていた仲間の顔が見えない。きょうだけ来ていないのか、はたまたドロップアウトしたのか。
ニューカマーが安定してミーティングに参加するようになるまで、「ゲスト」から「メンバー」になるまでの道のりはけっして平坦ではない。少なからぬ数がドロップアウトし、消えていく。
新しい仲間が安定してAAに定着するようになるまで、さまざまな紆余曲折がある。
ではメンバーはどうしたらいい?どうしたら新しい仲間にメッセージを運ぶことができるのか?AAでよく問われることだ。ホームグループでも、グループの棚卸しの際にこの問いが出た。
ぼくは、新しい仲間にメッセージを運ぶためには、自分が回復することが必須だと思う。AAで言う回復とは、ステップを経て霊的な目覚めを経験することだ。さらに言えば、その状態を維持していること、回復しつづけていることも必要だ。
ニューカマーの大半はAAを信じていない。医者や家族にいわれて、せいぜいが半信半疑、下手するとふてくされた気持ちでミーティングにやって来る。隙あればあら探しをして、AAにいかない自分を正当化しようとする。彼らは声を発しない。会場の片隅にすわり、メンバーの挙動をじっと観察している。
ときに、ニューカマーたちの感想に接することがある。彼らはいう。
メンバーがほかの仲間の悪口、侮言を言ってるのを聞いてがっかりした。
ミーティングの最中に司会者が印刷物の整理をはじめた。ひとの話を聞かない姿を見てがっかりした。
ニューカマーはミーティングのテーブルではなく会場の隅の席に座るように指示され、そのまま放置された。
誇張や誤解が交じっているのはいうまでもない。でも、もう少しだけ、あと一歩だけわれわれが回復し、ニューカマーにメンバーの侮言を言わないだけの分別と謙虚さがあれば、とも思う。とげとげしさを身にまとったニューカマーにあたたかい一言をかけるだけの勇気があれば、とも思う。つまり、もう少しだけ自我を抑え、オープンマインドでいることができれば、状況はいくらか変わってくると思うのだ。われわれにはそのために、12ステップという道具が与えられているのだから。
ステップ6。私たちの短所を取り除いてくださいと、謙虚に神に求めた。
そう神に求め、求めつづけないとね。
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コメント
12/24の何度でも「ステップ1」に力をもらいました。まだ1年半のソブラエティの自分。最近ステップ1に揺らぎがあるなと感じていて、少しミーティングに行くことに迷いが生じていますが、そのままの自分でも良いからミーティングに行こうと思いました。ありがとうございました。
投稿: とおる | 2013年1月10日 (木) 20:12
ユーミンの「やさしさに包まれたなら」を思いだします。
『やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ』
私は初詣で、良き希望のメッセージを運ぶための邪魔になる
欠点を取除いて下さいと願掛けして来ましたよ!
勿論、有給の仕事でもそうなりたいですしね。
投稿: k | 2013年1月10日 (木) 22:06
とおるさん
とおるさんのコメントを読んで、もういちど件のエントリーを見直しました。
自分で書いておきながら、もう少しで忘れそうになるるところでした。トホホ。
「ステップ1が踏めた」「何かが変わった」と思う瞬間を経験しても、時間が経つと薄れちゃって、昔の考え方に戻っちゃうんですよね。
「変わりつづけること」「手に入れた変化を維持すること」はたいせつです。
こちらこそありがとうございます。今年もよろしくです。
投稿: カオル | 2013年1月11日 (金) 08:28
kさん
明けましておめでとうです。
「やさしさに包まれたなら」、ホントそのとおりです。
どうもわれわれは、やさしさに包まれるというよりは、とげとげしさや批判精神に包まれちゃうようで、気をつけないとイカンですね。
今年もよろしくお願いします。
投稿: カオル | 2013年1月11日 (金) 08:40