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2012年12月 3日 (月)

都合のわるい真実を受入れる

「「先生]ヘンリーはいう。「たった今、ひどいへまをやっちまいました」
「どうしてそんなことになったのかな、ヘンリー?]ヘンリーは医者の役もつとめる。
「患者に真実を告げたんです」
「おやおや、真実を知れば、人は解き放たれて自由になるのではないかね?」
「いいえ」ヘンリーは天井を見あげ、自分自身の問いかけに答える。「そんなことは絶対にありません」
「目を閉じたまえ、ヘンリー」
「分かりました、先生」(1巻、p58)

ひとは都合の悪い真実を受入れない。真実は人を解き放つ、と言うことばは、ある一定条件下でしか作用しない。
たとえば「他人は自分の思い通りにならない」ということ。もちろん手の届かない相手、たとえば米国大統領やバチカンの大司教が思い通りにならなくても、われわれはなんの痛痒も感じない。しかし、コミュニケーション可能な手の届く相手、家族や同僚、まわりのひとたち、ときにはネットごしの他者がわれわれの思うように行動しないとき、われわれはいらつき、怒り、ときにみずから関係を断ち切る。

せんないことだ。バチカン大司教を意のままに変えられないのと同じように、妻や上司を変えることはできない。

でもコミュニケーション可能な相手なら、自分の言葉を通じて相手に働きかけることができる。言葉を通じて、自分の意見のメリット、正当性を主張して相手を変えることができると考えるからだ。
もちろん、それはただしい。ひとは変わる。ひととひとの相互作用によって変わらないひとはいない。ただし、それは正当性によってではなく。

ではどんな状態のときに、ひとは真実を受入れるか?
「受入れる準備ができているとき」である。
自分とちがう意見を受入れられないひとは、きっとまだその準備ができていないのだろう。

ひるがえって、自分はどうか。
真実を受入れるのはつらい。年齢を経るにつれ、頭脳は衰え、身体機能も低下してくる。アタマは固くなり、マラソンのタイムは下がる一方だ。
でも、オープンマインドネスはきたえることができる。経験を重ねれば、以前は受入れられなかった事実も受入れられる力がもらえる。

自分とちがう意見、不都合な真実を受入れられる。そういう力をもらいたいものです。

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コメント

青字部分、笑ってしまいました。どこからの引用ですか?

投稿: ひいらぎ | 2012年12月 4日 (火) 09:41

ひいらぎさん

おお、肝心の本のタイトルを忘れていました。
スティーブン・キング「ドリームキャッチャー」の第1巻です。
キングはストーリーもさることながら、合間のちょっとした会話や地の文にウィットが利いていて、おもしろいです。
読まなくてはいけない本がいっぱいあるのに、ああ、ついキングの本に手が…

投稿: カオル | 2012年12月 4日 (火) 10:10

書名を教えていただいたら買おうと思っていたのですが・・スティーブン・キングだったとは。

毎週買っている少年サンデーが読めずに積み上がっている現状で、キングに手を出してしまうと致命傷なので買うのはやめておきますね^^)

投稿: ひいらぎ | 2012年12月 5日 (水) 10:40

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