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2012年8月23日 (木)

第29回AKK市民講座、水澤都加佐先生の講演(2)

水澤都加佐先生の講演のつづき。

依存症者に関わる家族、援助者も次第に考えが変わって行く。価値観が不合理で不健全に変わり、不機嫌になり、イライラしやすくなる。
これも依存症と同様に軽重がある。
初期には自分を依存症者の行動に適応させ、健康的な人には受入れがたい行動にも耐えるようになる。依存症者のことが頭から離れず、それ以外のことが上の空になる。
中期には情動不安定が増し、尻拭い、身体的ストレスが強くなっていく。そして後期では完全に自分を見失い、生活のあらゆる面が破滅的となる。薬物、異性、アルコールに走る。
表われ方に多少の違いはあるけれど、依存症本人とそっくりの不健全な思考と行動。まさに共依存「症」である。病気である。

ぼくは正直、今まであまり共依存症について学んでこなかった。
が、ここ神奈川に来て以来、回復していない依存症者がどれほど周囲の人間をむしばんでいくか、身をもって痛感している。どうしたらそこから回復できるのか、どうしたら家族や援助者が自分のこころの健康を保てるのか。

水澤先生は、解決は3つあるという。
1.専門治療 2,自助グループ 3.自己表出(自分を語る)。
専門治療とは、「治療の対象がアディクション」という意味での専門ではなく、「アディクションへの専門的・効果的な治療を提供できる」と言う意味だそうだ。
また、自助グループも立派な治療方法のひとつだという。

ここからはぼくの意見。
病んだ家族、病んだ援助者は依存症者本人にそっくりだ。
落ち着きがなく、イライラが強く、不機嫌だ。他者評価にとらわれ、ひとにどう見られているかを気にしている。

水澤先生は、自己表現の場として自助グループをすすめている。自分を語る場を作るには、良い援助者がよい質問をすることだ、と言う。ナラティブセラピーを通して、問題と人を分離するのも良いだろう、と。

ぼくは会の中盤になってようやく、今回の会場にも多くのアルコール依存症者のご家族が来ているのに気がついた。これほど依存症者は家族を、周囲を傷つけ、彼らの人生を損ねてきた。

ある医師は私たちに言った。「アルコホーリクと何年も暮らせば、どんな妻も子どもも神経症気味になる。家族全員が、ある程度病んでしまう」 BB第9章「家族、その後」

依存症者が自分だけ回復すれば良いと言うのは、まちがいだ。もちろんまず自分が回復する必要がある。けれどその後には、家庭の再建、周囲との関係の再建という、長い長い道のりが待っている。
ほんと、酒が止まるのは回復のほんの第一歩ですよ。

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