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2012年8月21日 (火)

第29回AKK市民講座、水澤都加佐先生の講演(1)

8月19日、第29回AKK市民講座で水澤都加佐先生の講演を聞いてきた。
演題名はずばり、落ち着きがなく、いらいらが強く、ふきげんな人々。BBのシルクワース博士がアル中を指して表現した言葉だ。

とても興味深い講演だった。アルコール依存症になる3つの原因、3つの関連のあること、と言うのが主題で、その他にさまざまな話が出た。
少しだけ内容を紹介する。
アルコール依存症の3つの原因とは、
1) お酒(と言う薬物)。
2) 遺伝。
3) 脳の病気。
であるという。
1のお酒については、言うまでもない。
ただ、長年大量の飲酒を続けていると、気分を高揚させるアルコールの作用が慢性的になって、飲んでいてやっと気分がふつうと言う状態になる。
アルコールが切れると自力ではもとの気分に戻れない。イライラ、落ち込みが続く。
だから即効性があり、激しさのある物に打ち上げ効果を求める。たとえば恋愛だ。即効的で、激しい(カオル注:いわるゆデトックス・ロマンスのことですね)。
依存症者は、ふつうのひとが数年かけてたどる恋愛のコースを、わずか一晩で駆け抜ける。依存症的で、即効的で、激しい恋愛。
こういった脳の状態が元に戻るには、2〜3年かかるという。

2の遺伝というのは、飲める体質かどうかという遺伝に加え、依存症自体の遺伝もあるそうだ。
3つめにアルコール依存症は脳の病気であり、いまの医学では治しようがない。気分を変える薬に依存しやすく、長期的に薬を使い続けるにはリスクがある。処方薬依存、クロスアディクションになりやすい。
また、酒を止めて何ヶ月か立っても、長期離脱症候群 (PAWS)が残ることがある。考えがまとまらない、論理的に考えられない、優先順位を立てられない、急に高ぶる、他人の一言にすぐ腹を立てる、注意や集中力が低下する、新しいことを覚えられない、ストレスに支配されやすい、など。

このあと3つの関連のあること、自助グループの効果、家族や援助者の共依存について話が進むんだけど、それはまた別の稿に。

アルコールの作用、および脳の病気、と言う考え方は興味深かった。
アルコールの作用というと短期的な気がしていたけれど、アルコールが脳の働きを変え、さらに長期離脱症候群を引き起こすと言うのは知らなかった。

調べたら、ウィキペディアにも載っていましたね。

長期離脱症候群 - Wikipedia

そう考えると、回復初期のアル中さんたちの不機嫌でイライラしてて不寛容な態度も納得が行く。

飲んでいないときのアルコホーリクは、落ち着きがなく、イライラが強く、不機嫌であって、飲んでいっぺんにふっと楽になる感覚をふたたび体験せずにはいられない(医師の意見)

酔っぱらっているアルコホーリクは愛されない生きものだ。彼らとかかわるのは、いろいろと骨が折れる(ビルの物語)

水澤先生の話では、長期離脱症候群は2、3年くらい続くという。
AAの「3年は恋愛禁止」の口伝えも、こういう時期の恋愛の危険を経験則的に述べていたのだろう。

これはぼくの意見だけど、じゃあ3年酒を止めていれば落ち着きがなく、いらいらが強く、ふきげんな性格傾向が直るのかというと、そうはいかない。
骨折をしたら手術をして、そのあとリハビリをしなければ歩けない。
アルコホーリクも酒を止めて脳を安定させて、それと同時に回復のリハビリをしなければ、社会の中で歩けない。
ただ酒が止まっているだけで、ひがみっぽくて恨みがましい性格が変わるわけないものね。

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コメント

「自分は酒だけ先にとまっちゃった」という言い方を、最近好んでおります。(^_^)(ハルシオンやロヒも止まったけどさ)

「長期離脱」、脳の中身はわからないけれど、「ふるまい」に出てきますね。本人にはただのイライラとかの自覚しかなかったりもする(だから書いてみて、あとから振り返る必要がある)。感情だのから始まる「ふるまい」をひとつひとつ修整していく作業ってのは、実は脳だの神経だのの再構成でもあるんでしょうね…。

投稿: やんた~ | 2012年8月23日 (木) 13:10

やんた〜

脳の中身は振舞いに出ますからねー。
逆に、振舞いを変えたり、自分の過去を検証したり、ものの考え方を変えるように努めていけば、人は変わっていきます。
イライラしているときは外部の問題にばかり目が行きますが、外側を帰るのではなく、「自分のふるまいを変え、自分の問題を取り除きましょう」と言うのが12ステップだと思います。
そういう意味では(脳や神経ネットワークの再構成かどうかは分かりませんが)、頭の中身が変わるプログラムですよねー。

投稿: カオル | 2012年8月23日 (木) 13:27

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