イタリア食い倒れ日記(ベネチア篇)
フィレンツェ2泊後、ベネチアに移動。途中から雨になる。
観光も楽しかったが、食い倒れ的には名店「アンティケ・カランパーネ」が楽しみ。
日本からメールで予約しておいた名店である。ちょうどわれわれが旅行に出かける直前に、世界・ふしぎ発見!で紹介された店だ。ふだんでもなかなか予約が取れないそうなので、TVで取り上げられる前に予約しておいて良かった。
場所は分かりにくい。迷わずに行き着けたのは僥倖としか言いようがない。店に入ると、ほかのお客さんが妙にセレブ臭い。われわれの隣の席の4人連れは、盗み聞きするにイタリアのテレビ局のクルーのようだ。
さて、メニューが渡される。
ここの店は今までの気楽なトラットリアとは違い、フレンチのテイストを交えた気取ったお店である。まさか今までのようなバカ盛りサイズでは出てこないだろうと踏んだ。ぼく、妻とも前菜、プリモ・ピアット、セコンド・ピアットと、3皿づつオーダーする。われわれと同時に入店した初老のご夫婦も同様のオーダーである。このご夫婦が食べる量と同じなら大丈夫だろう。
一皿目。妻は「カランパーネ盛り合わせ」。
ああ。ああやっぱり。やっぱりイタリアである。うちの晩ご飯2日分くらいのおかずだ。
ぼくの前菜は「エビとカボチャのスープ」。ドンッ!
メインディッシュと言っても過言ではないくらいの巨大なエビ2匹。濃厚なカボチャのスープ。オマケにカリッと焼き立てパンまで添えてある。味。味は極上である。名店の名に恥じない。スープはエビとカボチャという実験的な取り合わせにも関わらず、素晴らしい。妻の方の盛り合わせも、極上の逸品がにぎやかに皿に散らばっていて、目にも楽しい。しかし量が。
ぼくの方は、えーと、忘れましたがスパゲッティです。
美味しかったです。量はふつう。ふつうというのはイタリア的にふつうということであって、スパゲッティは120グラムくらいと思われる。日本のカフェのパスタランチだったら大盛りサイズである。
で、メイン。妻はクモガニのフリット。ぼくはカランパーネ・魚介盛り合わせ。
・・・申し訳ない。この辺から写真がない。記憶も定かでない。われわれは明らかに平常心を失っていた。
想像していただきたい。世界に名だたる名店で、両脇をセレブっぽい人々に囲まれている。その中で胃がぱんぱんになっているのにメインディッシュが運ばれてくるという恐怖。プレッシャー。
妻には、クモガニと言うちっちゃいカニの姿揚げが運ばれてくる。一匹ではなく、7匹くらいだろうか。例によってイタリア盛りである。姿揚げだから形がそのままである。カニといえばカニ。クモといえばクモだ。それが皿いっぱいに。ウワハハハ。
ぼくの方は何だか知らないけれど山のようにイカフライが盛り上がっている。かき分けると、下の方に別の魚の姿が見える。とにかく食べる。食べる。食べるしかない。
しかし、半分ほどでザセツ。手を付けた皿で申し訳ないが、写真で見るとこんな感じ。
妻も自分も、半分ほど手を付けた時点で手が止まった。もうダメ。
予約の取れない名店、アンティケ・カランパーネ。われわれは今回もまた、食べ残した罪悪感を抱え、逃げるように店をあとにしたのだった。
味は最高だっただけに、つくづく食べ切れなかったのが残念。
ちなみにとなりの初老のご夫婦。われわれが食べた量に加え、メインをもう一皿食べていた。加えて、ワインもフルボトルを1本空けていた。白人の胃袋はすげーなー。
さて、翌朝はホテルの朝食。ゆうべあれほど悶絶したのに翌朝になるとふつうに食べられるんだから、人間とは不思議なものだ。
泊まったのはホテル・ダニエリと言う老舗ホテル。映画「ツーリスト」の舞台としても有名なホテルである。ここのテラスの眺望はとても良い。この日は朝から高潮で、ゴンドラの船着き場が冠水している。
例によってこの日も昼食はなし。ベネチアの街は裏路地をひたすらさまよっているのがとても楽しい。
途中のカフェで休憩。中世風で良い感じのお店だ。
メニューにベネチア風ケーキとあったので頼んでみた。なんとケーキが直立していた。これがベネチア風か。
さて、二日目の夕食。
これまた予約なしでは入れない店、カンティーナ ド・スパーデ。
昼間に直接行って予約してきた。人当たりの良さそうな細身のあんちゃんが、休憩中にも関わらずイヤな顔一つせず予約を入れてくれる。
さて、夜。
店の外には予約なしの行列が出来ている。行列をかき分け、店員さんに名前を告げるとすぐに奥に通してくれた。
アンティケ・カランパーネの悲劇を繰り返してはならない。この夜は抑えに抑えた。
前菜1皿。パスタ2皿。メイン2皿。二人で4皿を分ける。メニューを見てるとほかにも頼みたくなるが、ぐっとガマン。
一皿目、魚介のサラダ。
おお、何だかふつうの量だぞ!イタリア盛りじゃないぞ!これは最後まで行けるかも。軽くマリネしたタコ、それに葉物野菜の組み合わせ。美味しい。
二皿目。イカ墨のスパゲッティ。
美味い!日本でもイカ墨パスタは食べたことがあるが、比べ物にならない。こく、うまみ、パスタとの絡み。いずれも比類なき味である。
次、アンコウのタリアテッレ。
うまいー。絶品だー。ボリュームもそんなには多くない。美味しく食べ終える。
そしてメイン。干しダラの3種盛り。
干したタラをさまざまに調理したものを一皿に盛り合わせてある。それぞれ、干しダラのうまみを上手に引き出してある。量は例によって多め。
美味しく食べられました。気持ちよく完食してまだ余力があったので、ドルチェもいただく。
妻はプリンの2種盛り。
お店は、表から見えるよりもずっと奥が広い。置くのテーブル席は静かで、落ち着いた照明で、とても雰囲気が良い。こんな店が近くにあったら、毎週通っちゃうのになー。
ちなみにこの日は、われわれ以外にも日本人客が大勢来ていて、周囲は日本語ばかり飛び交っていました。注文していたのは、みなわれわれと似たり寄ったり。うーむ、同じサイトを参照したな。
Cantina Do Spade (カンティーナ ド・スパーデ)
住所 Calle Do Spade, S.Polo 859/860, Venezia Italy
電話番号 +39 041-5210583
| 固定リンク
コメント