フィレンツェのAAミーティング
11月4日、フィレンツェでのAAミーティングに参加してきた。
フローレンス・グループの金曜日、12 & 12ミーティングだ。
(フィレンチェはフローレンスの意)
HPでオープンミーティングであることは確認し、事前にメールで妻も参加できるかチェアパーソンに聞いておいた。
AA Italy
開始40分ほど前に会場の教会に到着。さすがは歴史建築の国イタリア。見事なバロック建築の教会である。
AAの看板が下がっている。この看板、手書きの文字。どこの国も似ているね。
ちなみに看板の下には、適当にちぎった紙にボールペンで「ミーティングルームのベルを押してね」と書いてある。この手作り感。なごむなー。
しばらく待ってたが誰も現れない。あたりはとっぷり日が暮れてくるし、周囲は人通りも少なく、寂しい感じ。
妻とふたりでどうしようかと思案していると仲間が現れた。
ラスベガスから仕事で来ていると言う、米国のメンバーだそうだ。彼と少し話をしているうちにほかのメンバーも集まり、ようやく会場に入れた。
おみやげに持参したでん六豆の12個パックを、おもむろにチェアマンに渡す。ジャパニーズ・ライス・スナック。オーイエ。うれしそうに受け取ってもらい、みなで食べる。
参加者は、われわれ夫婦を含めて10人。
話の内容から推察すると、全員他国から仕事などで来ている人たちのようだ。
「イタリア語のミーティングは、ぼくも言葉がよく分からない」とチェアパーソンの方もおっしゃっていた。
会場は教会のミーティングルーム。ほかの部屋は見れなかったが、かなり良い部屋を借りている様子だ。棚にBBや12&12、コーヒーセットなどを常備している。毎回持ち込まなくても良いのは便利そうである。
しばらく雑談後、ミーティング開始。
司会が序文を読み上げ、指名された仲間が、プリントアウトされた紙を見ながら12の約束(この行程を労を惜しまず念入りにやっていると・・・のところ)を読み上げる。ミーティングのルールをざっと説明。それから全員が順番に「I'm ○○, I'm alcoholic」と名乗る。妻は名前だけ。
きょうで10日目になる新しい仲間がいると司会が発表し、本人が簡単にあいさつ。全員で拍手。
ここまでは恒例の流れのようで、早口でどんどん進んで行く。
それから12&12の輪読。今回はステップ7。ネイティブの朗読は速い速い。ついて行くのがやっと。て言うかついて行くのムリ。自分の番は1段落のみで勘弁してもらう。
その後、各自のスピーチ。指名はなく、自発的に誰かが話し始めるのをじっと待つ。「話したくなった仲間がいたら手を上げてください」とも言わない。一人が話し終えたら「Thanks, ○○」と全員が言い、そのまま沈黙が流れ、また次の仲間が話し始める。
みな話が早く、一人2回ずつ話をした。それでも時間が余りぎみで、若干早めに終了。
色んなことを感じた。
AAは、国を問わず同じような雰囲気を持っている。きさくで屈託なく、ウェルカムな感じだった。オープンマインドネスそのもの。あきらかに英語力に乏しいわれわれ夫婦にも親切に話しかけてくれた。福島の現状についてはとてもこころを痛めている、とも言ってくれた。
でん六のお土産は出すかどうか迷ったけど、みな美味しいと言って食べてくれた。一人の仲間は3袋も食べてくれた。うれしいものである。でん六豆をかみ砕く音が教会の石造りの天井にこだまし、響き渡る。何だか地元のミーティングのようだ。その音を聞いているだけで、無性に嬉しくなった。
そう言えば、海外のミーティングでは日本のような「ハンドブック」こそないが、BBから内容を抜き出した印刷物を作ってミーティングの前に読み上げていることが多いようだ。実質上、ハンドブックを読むのと同じである。日本ではハンドブックの存続についての議論があるようだけど、いま現にある資材なんだからそのまま使えばいいだろうとぼくは思う。ハンドブックを使いたくないグループは、自力でBBの好きなところを抜き書きしてプリントアウトすればいいだろうし。BBが浸透していない/ステップがおろそかにされている、と言うのは、ハンドブックの存在とは別の話だ。
話がそれたが、フィレンツェのミーティングはぼくに、仲間は世界中にいること、どこでもミーティングは同じように開かれ、経験と力と希望が分かち合われていることを教えてくれた。
考えてみたら、米国や英国、それに日本などから仲間が集まってミーティングが持たれるなんて、すごい話だ。
仲間のオープンマインドでフレンドリーな雰囲気も、同じだった。ノンアルコホーリクである妻にも親切にしてくれた。
われわれは世界中に仲間がいて、世界中に回復の芽が伸びている。たしかな実感を感じました。
アウェイだったし、もっとふだんのミーティングでは言えないことを話せば良かったかな。
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コメント
こちらのブログ内で「ステップ7」を検索してこちらのエントリを見つけました。世界中に12ステップに取り組んでいる仲間に会えて、とても素敵なお話ですね。
ステップ6-7に苦労している大晦日にほっこり和みました。
投稿: kana | 2015年12月31日 (木) 22:05
kanaさん
古いエントリーにもかかわらず読んでいただき、ありがとうございます。
われわれは世界中に仲間がいて、みな同じようにステップに取り組み、回復を目指しています。
言葉がちがうとついビビりがちですが(ぼくの場合特に)、みんな回復を目指して日々努力しているのは一緒なんですよね。
ステップ6,7,がんばってください。そして大きな成果が現れることを祈っています。応援していますよ!
今年もよろしくお願いします。
投稿: カオル | 2016年1月 1日 (金) 02:35