アディクションと夫婦関係
先日のLIVE福島に行った時の話。
このイベント、ふだんロックなんて聞かない人たちが山ほど集まっていた。狭い地域のことである。知人に出会う出会う。
友人、知人、職場関係、親戚。さらには父の職場の人たちやらその家族やら、もう町のお祭りか町内会のイベントのようなローカルぶり。
そこに通常のロックフェスの客や永ちゃんファンが交じりあって、もう何が何だか分からないカオスなファミリーイベントと化しておりました。
おそるべし福山雅治の威力。
それはともかく、そんな中に、知人の断酒会のご夫婦がいた。
このご夫婦がね、いいのよ。
当日の会場はものすごい人混みで、ご夫婦も人波にもまれてしんどそうだった。ご主人の方がぼくに気がついて手を振ったんだけど、そうしている間にもどんどん人波に流されていく小柄な奥さん。
でも、散り散りになりそうになりながらも、しっかりと手を握りあって、ご夫婦は笑いあっていた。
ぼくよりも年配のご夫婦だったが、まるでティーンエイジャーのカップルのように初々しくて、若々しくて、はしゃいでて、しあわせそうだった。
ぼくはそのご夫婦がしんどかった時の話しをうかがっているけど、とても苦い体験をしてきたとは思えない、素敵な笑顔だった。文字通り、きらきらと輝いていた。
いいなー。回復しているなー。と思いました。
AAのイベントに出かけると、ご夫婦の参加が存外に少ないのに気がつく。
ご夫婦だと知っているカップルも、別々に座っていて、それぞれの知人だけと話していて、ぱっと見には仲が悪いんじゃないかと思ってしまう。
スピーチも、本人自身の回復が中心で、家族との絆が戻った話や、パートナーに感謝しているとかの話はあまり聞かない気がする。
もちろん家族は家族で共依存からの回復が必要だし、その過程で、一時期はパートナーとの関係が不安定になったり距離が遠ざかることもあるだろう。
でもさー。回復して家族としっかりと絆に結ばれて、奥さんとラブラブの熟年AAメンバー。そう言うのがもっとたくさんいてもいいよねー。
日本的な恥ずかしさはあるんだろうけど、家族との関係が回復している姿は、多くの苦しんでいるアル中さんとその家族に、希望を持ってもらえると思うんだけどな。
奥さんはAAのイベントに顔も出さないし、仲間は奥さんの顔を見たことがない。本人のスピーチでは仲間の話ばっかりで妻や子供のことはゼンゼン出てこない。そんなのっておかしいよ。
くだんの断酒会のご夫婦の素敵な笑顔は、ぼくの頭の中にしっかりと刻み込まれました。こんな風でありたいものです。
いちどぼくも、セミナーのスピーチで妻に向って愛を語りかけてみようかな。
あとでスゲー怒られそうだけど。
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