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2011年1月24日 (月)

朝食にウォッカを

先日、東京に泊まったときのこと。
朝食はお決まりのバイキング方式だったんだけど、見慣れないものが一つ置いてあった。
ドリンクコーナーのところに、ウォッカが一瓶。
ん?なぜ?
ディナータイムの飲み物を片づけ忘れたんだろうか。
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堂々と、フレッシュジュースを差し置いて、コーナーの前面に置いてある。フタも空いていて、1/3ほど飲んだ形跡がある。
あきらかに、朝日が差し込む朝食会場の中で、赤いストリチナヤのボトルは浮いていた。

たまたまジュースコーナーの正面に席を案内されたので、イヤでも視界に入る。あまり良い気持ちはしない。
もちろんウォッカの瓶を手に取る客はいない。何だろう、オブジェとしての配置だろうか。と思ったその時。
一人の客が、ウォッカの瓶を手に取った。60代と思しき、恰幅の良い白人男性だった。
彼はジュース用のグラスにウォッカをどぼどぼと半分ばかり入れ(おいおい)、ほぼ同量のグレープフルーツジュースでそれを割った。
そうか、ジュースで割るために、ジュースコーナーのところに置いてあったのか。
しかし、ウォッカのグレープフルーツジュース割りと言うか、グレープフルーツジュースのウォッカ割りと言うか。朝からそんなものを飲んで大丈夫なのだろうか。
彼はとくに足下がふらつくことも、ろれつが回らなくなることもなく、家族と同じ朝食のテーブルについていた。言葉がロシアか東欧のように聞こえたのは、気のせいだったか。

奇妙な光景だった。
朝日にきらめくウォッカのボトル。
そしてぼくが飲んでいたころと同じ飲み物(1:1グレープフルーツジュース割り)を朝食に飲む男性。
彼らはごく普通の、日本観光を楽しむ家族連れだった。グレープフルーツジュースのグラスが、実は半分ウォッカであることをのぞけば。
これは何かの啓示なのだろうか?
抽象的な疑問を浮かべたまま、朝食を食べ終え、その場をあとにした。

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