感情のソブラエティ
感情のソブラエティは回復の結果にもたらされるものではない。
われわれは回復の初期、全力で取り組んだ。
が、「ボトルの栓を締めたあと」起きることに十分に取り組まなかった。思うに、再発の主要因のひとつは、成長の欠如、感情の依存への取り組み不足があるのではないだろうか。
(中略)
ある意味、感情のソブラエティの解決法はシンプルだ。成長である。
しかしもちろん、感情のソブラエティが簡単だったら、われわれはとうに達成していただろう。
ほんとうの感情のソブラエティとは、人生の長旅である。
曲がりくねり、遅延と迂回に満ちている。そして道中に学ぶべき事でいっぱいだ。
(12 smart things to do when the booze and drugs are gone, Allen Berger, Ph.D.)
自分が成長しているのかどうか、なかなか自分では気が付かない。
が、他人の成長(あるいは不成長)はよく見える。
どこが成長して、どこが成長していないか。何が問題で、本人が問題に気付いているかどうか。
ボトルの栓を締めたあと(after we "put the plug in the jug.")、われわれは幼稚で未熟な、子どもの感情を持ったままの自分がむき出しになった。
それはとても苦しいことだ。
むき出しの感情は、かさぶたをはがした生傷のようなものだ。ひりひりと痛み、自分を打ちのめす。
自分と自分の周囲を傷つける。
アディクションからの回復とは、成長である。
その旅は曲がりくねり、遅延と迂回に満ちている。だから12ステップと言う指針がないと進めないし、仲間がいないと孤独に押しつぶされてしまう。
自分で自分の回復には気が付けないが、仲間と言う鏡を通して、自分の姿が見えることがある。
たいがいはびっくりするくらい回復していない自分の姿だけど、それでも自分の立ち位置を見せてもらえるのはありがたい。
目標に到達するには、二つのことが分からないといけない。
現在地点と、目標地点だ。
棚卸しによって、あるいは仲間と言う鏡を通して、現在地点が分かる。
ステップと祈りで、あるいはまた仲間を通して、目標地点が見えてくる。
それが分かれば、どれだけ遠い目標でも、少なくとも近づくことができる。
旅は長いが、目標は分かっているし、道連れがいるのも心強い。
さて、日も暮れた。
夜道を通って、ミーティングに出かけましょうか。
足もとが照らされますように。
| 固定リンク
コメント
たまたま「感情のソブラエティ」という言葉を検索していたら、こちらのサイトに辿り着きました。"12 smart things to do when the booze and drugs are gone"読みました。ソーバー20年過ぎてから感情的な底つきを味わい、ネット上で助けを求めて検索していて出会った本です。この本にはずい分助けられました。
投稿: BUG | 2018年12月 6日 (木) 17:17
BUGさん
古いエントリーにもかかわらずコメントをくださり、ありがとうございます。
感情のソブラエティはわれわれみんなが突き当たる壁ですし、成長の課題です。
いつも思うのですが、自分がもし依存症にならずにいたら、こう言った課題に取り組むことなく人生を過ごしていたと思います。そしてきっと、トラブルに首までつかっていたでしょう。
わたしたちが互いに支えあり、成長の旅を続けられますように!
投稿: カオル | 2018年12月 8日 (土) 10:48