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2010年10月26日 (火)

酒造会社の意見

アサヒビール社会環境推進部の方のお話を聞いてきた。
ふだんASKの記事は見ているが、酒造会社からの意見はASKを通したものしか聞いたことがない。
酒造会社のホンネを、興味深く聞いた。

まず、WHOを中心とする大きなアルコール業界の流れと言うものがある。
2008年の世界保健総会における決議では、
・アルコールの有害な使用を減らすための、アルコール世界戦略の草案を提起する。
・そのための方法として(中略)医療各機関、医療専門機関、非政府機関および酒類事業者と協議する。
となっている。
アルコールの有害使用を低減すると言う目標がWHOで掲げられて、酒造会社もその流れに否応なく乗らざるを得ない。
いまのところ「有害使用」に焦点が当てられており、業界もステークホルダーの一員としてWHOの計画に参与できているのは、業界としては安心材料である。
しかし、WHOの戦略には入手可能性、マーケティング、価格設定に関する制限的な勧告も含まれており、その辺は不利な状況でもある。と。

酒造業界としては、タバコの二の舞いになることは避けたい、と言う思惑のようだ。
周知の通り、タバコはマーケットとしてはどん詰まりの状況にある。
制限が厳しく、タバコ産業はこの先どう考えても儲からない。
アルコールもタバコと同じく、WHOから有害指定を受けてしまえば、企業は大打撃だ。

ぼくは割と単純に、とにかく販売を拡大したい、売り上げ・利益の追求が会社の目標なんだと思っていた。そのために酒造会社は法の目をかいくぐり、ロビー活動や広報活動をして、利益を出しやすい環境を作って行く、と。
ちょうどアメリカの保険会社のようにね。

でもそうじゃなく、マーケティングとしても、酒造業界は有害使用に反対していると言うのだ。
タバコのように有害物質として制限が加わるのが好ましくない、と言うのもある。
しかしそれ以上に、有害使用によって、短期的に個人の消費量が上がっても、病気になっちゃって長期的に購買してくれないのなら、商業的に好ましくない、と言うことだ。

この辺、興味深く聞いた。
そりゃそうだよね。ぼくみたいに20代から30代前半までアルコール飲料を大量購買・大量消費しても、アル中になっちゃったら、そのあと売り上げに貢献できないもんね。しかも若い時分、購買力がなくて安酒ばっかりだったし。
アル中は飲み続けてても早めに死んじゃうし、回復したら飲まないし。どちらにしてもアル中を作り出すのは、商売として上手じゃない。
「健康的に」「長い期間」飲んでもらう、と言うのが、酒造業界としても好ましい、消費者とWinWinの関係を維持して行きたい、とのことでした。

その割には広告戦略、ASKにケチをつけられるようなものが多いんじゃないの、と言う気もした。
スライドの後半に紹介していたが、キャラクター商法、果汁飲料と紛らわしいパッケージ、子ども向けのノベルティなど、ケチがつけられやすい、脇の甘いものが目立つ。
この辺、企業のCSRポリシーが末端まで行き渡っていないからなんだろうな。

話を聞いていて面白かったのは、だんだん企業にも個人のように人格があるような気がしてきたこと。
クレームをつけられれば傷つく。防衛的にもなるし、相手に微妙な感情を抱く。
その一方で、有害使用に加担せず、お客に長く愛されたいと願っている。そのために有害使用やアルコール関連疾患(アルコール依存症含む)を、もっと良く知りたいと思っている。
また自分の考え(企業の理念)を説明し、社会に受け入れられたいと思っている。

まぁ、企業も人の集まりだからねー。
傷つきもすれば、社会から愛されたいとも思うわな。
大企業と言うとやたら権力的だと思っていたけど、意外にナイーブなんだな、と思いました。

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