スターバックスはフロントミッションのバンツァー
日曜日に、妻とスターバックスに行った。
ぼくは正直、スターバックスが好きではない。メニューが理解できないのだ。
メニュー表の「フラペチーノ」と言う文字を見たとたん、家に帰りたくなる。
なんだよフラペチーノって。ペペロンチーノの親戚かよ。
スタバの商品がキライと言うわけではない。お店から出てきたお嬢さんたちの手にしているカラフルな飲み物を、自分もいつか飲んでみたいとは思う。
しかし。
いざカウンターの前に立ち、メニュー表を見ているとざわざわしてくる。
まったく理解できない。
自分がイメージしている飲み物がコーヒー系なのか、ティー系なのか、フラペチーノなのか、はたまたそれ以外なのか、まったくイメージできない。
見知らぬ異国の言語のような(じっさい異国の言語だ)メニュー表を前にすると、大学時代に留年を繰り返していたころの記憶がよみがえってくる。
ここでなにがしかの得点を得なければ、非常にまずいことになる。なのに、上から下まで設問を見渡してみても、何が書いてあるのかまったく理解できない。
周囲からはさらさら、と言う鉛筆の走る音が聞こえてくる。硬直したまま脂汗を流している自分。
あの時とまったく同じだ。
アラビア語かと思うようなイミフメイのメニュー。目の前には口もとは笑っているが目が笑っていない店員さん。後ろには大勢の行列。プレッシャー。
妻は「自分はだいじょうぶ。飲みたいものがちゃんと注文できる」と言い切った。
妻はたびたびスターバックスに足を踏み入れている。彼女に任せておけば間違いないだろう。
しかし。
カウンターで手渡された品物を見た瞬間、妻は言った。
「あ。まちがえた」
熟達者でさえ容易にミスを犯す。
これが現実のスターバックスコーヒーである。戦場である。上級者でさえミスれば瞬殺。あな恐ろしや。
飲み物を待つ間、ほかの客の注文を見ていた。
ついにそこに、コンセプトが見えた。
ユリイカ!われ発見せり!
スタバの注文は「フロントミッション」のバンツァーの機体セットアップに酷似している!
まず、おおまかなモチーフを決定する。近接格闘型か、長距離支援型か、近距離銃撃型か、などなど。
その上でボディを決め、エンジンを決め、手足のパーツを決め、火器類の装備を決めていく。最後に好みのカラーリングで締めだ。
スタバも、まずバンツァーのタイプを決める。コーヒーかエスプレッソかお茶系か。
それからボディを決める。SかMかLか。ここで何か難しい特殊用語が出てくるが、「Sで!」とか「M
で!」と言い切れば店員も反対しないだろう。
それから重火器類を決める。シロップだか生クリームだか、そういうの。
繰り返す。
スタバのオーダーは、バンツァーのセットアップだと思えばこわくない。
場合によっては思い切って「右手はセメテリー、左手は67式MG、グレネードはイグチ82式でバックパックはターボ系でお願いします」とカウンター嬢に言い切ってしまっても良いだろう。
ムリが通れば道理が引っ込む。かも知れない。
しかしたかが飲み物ひとつで、なんでここまでの苦労を・・・イヤ、愚痴はこぼすまい。
戦場での勝者とは、ただ生き残ったものなのである。
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コメント
そんなに理解しにくいそれも数多いメニューは大変ですね。
そういえばスタバでは「本日の…」だったかな?日替わりメニューしか頼んだ記憶がありません。
ボンジ的には「うちのコーヒーはこれ!」みたいにひとつで勝負して欲しいですね。
シュガーやミルクを入れるのはトッピングみたいに自分でやる方が良いですね。
言葉がうまく通じなかったからそういうお店に通ってました。
月金で飲んでいたけど充分美味しかったです。
そういえばシアトルも米国じゃなかった?
投稿: ボンジボンジ | 2010年9月 2日 (木) 19:58
bonziさん
スタバはもう、ぼく的には入りたくない気持ちです。
なぜコーヒーを飲むのに、こんなセットアップが必要なのか?
bonziさんのおっしゃる通り、「うちはこれ!」で良いと思うのです。
・ブレンド
・アメリカン
・ブルーマウンテン
これくらいでいいじゃないですかねー。
そう言えばドトールコーヒーも、昔はブルーマウンテンだのキリマンジャロだの、専門店らしいメニューでしたが、いまはスタバみたいになっちゃって、何とも残念です。
薄暗い喫茶店で白磁のカップのコーヒーを飲む喜びは、なかなか味わえない時代になってしまいましたね。
投稿: カオル | 2010年9月 7日 (火) 16:12