20年ぶりのSIONのライブ
おとといの11月8日、シオンのライブに行ってきた。
かっこよかった。
20年ぶりに見たシオンは年とってオッチャンになっていたけど、昔のままだった。
かっこよくて、自然体で、日々の気持ちを正直につづった歌はどれも胸に染みた。
昔の曲はあまりやらなかった。「俺の声」と「12月」くらい。
でも、選曲なんてどうでもよかった。
シオンがシオンの歌を歌う。それだけでよかった。
彼の歌を聞くと、自分がいちばん孤独だったころのことを思い出す。
いちばん孤独で、何も持っていなかったころ。
どのドアが出口なのかまったく分からなかったころ。
出口が何なのかも分からなくなっていたころ。
「12月」はいちばん好きな歌だ。
昔路上で歌っていたころ、かならずこの曲は歌った。
吐く息が凍るような真冬、誰もいない地下道、切れかけた蛍光灯が点滅する真夜中、たったひとりで歌った。
12月。12月。
1月になっても2月になっても、雪が溶けて春から夏に季節が変わっていっても、ぼくの「12月」は終わらなかった。いつまで経っても。
いまでもこの曲がふと頭をよぎる。
あちこちから思い出したようにジョンの声。そしてオレときたらいつもこの頃になると、何かやり残したようなやわらかな後悔をする
アンコールでこの曲を、ささやくように歌ったシオン。
ステージの上でスポットライトを浴びて歌う彼も、色んな20年があったんだろうな。
彼の手にはもう酒の入ったグラスはない。ミネラル・ウォーターのペットボトルだけだ。
客席のぼくの手にも、もう酒瓶はない。同じように、ミネラル・ウォーターのペットボトルをぶら下げている。
いろいろ感傷的な気分になった一夜でした。
それはともかくシオン、アーティストとしては格段に進歩していた。表現力が円熟の極みに達している。
迷い、立ち止まった日々も決して無駄じゃなかったんだな、きっと。
オレもがんばらなきゃな。
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