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2009年6月14日 (日)

ソブラエティのメリット

きのうはホームグループのバースデイミーティング。
いつものように手作りケーキでお祝いをする。
うちのグループはバースデイの時は着ぐるみを着るのがお約束なのだが、さすがに暑くなってきてきのうはナシ。ひとり、がんばって着ぐるみ&かぶり物を装着している仲間がいた。エライなー。

きのうのテーマは「ソブラエティのメリット」。
珍しいテーマだ。
メリット、デメリットというのは選択肢がある場合の話であって、ぼくの場合は選択肢自体がなかった。
飲み続けて死ぬ、あるいはすべてを失う。
さもなくばクリニックの治療とAAのやり方を受け入れる。
だからぼくがAAのやり方を受け入れたメリットは、命を助けてもらった、と言うことだ。

先日、仲間と一緒に成増厚生病院の後藤恵先生の講演を聴いた。
過去にアル中の治療成績の調査があって、自助グループと認知行動療法と精神分析療法の3者で治療成績に差はなかったそうだ(1985, Project MATCH)。どれも3割前後だとか。
この話は軽くショックだった。
自助グループ、12ステップ・プログラムが、それ以外のやり方とそんなに差がないとは。
何も12ステップ・プログラムがすべてだとは思ってはいない。
AAのやり方や自助グループを使わなくても強迫的飲酒が止まっている人はいる。
AAや自助グループになじめない人は、ほかのやり方があっていい。AAだけが唯一の解決だとは思わない。
ただ不思議に思うのは、この病気の特徴、孤独をどうしたかということだ。
アルコールにおぼれていく中で、ぼくはほとんどすべての人間関係を失い、自らの孤独の中に閉じこもった。
自ら作った孤独の中で、孤独だと嘆いて飲んでいた。
孤独とアルコールは仲のいい友達だ。
アルコールは孤独を招き寄せ、孤独は酒を飲む格好のいい理由になる。
これはぼくに限ったことではなく、大半のアル中は同じだろう。
カウンセリングでも認知行動療法でもいい、ほかのやり方で酒を停めている人は、あの真っ暗な孤独からどうやって抜け出すんだろう。

たしかに酒を停めてくれたのはハイヤーパワーであり12ステップの導きだったかも知れない。
でも仲間とその支えがなかったら、ぼくはどこへも行けなかっただろう。
年齢も立場も生い立ちも価値観もまったく違う仲間がいて、ぼくはその中で少しずつ回復の道をたどっていった。そこから得たものはとてつもなく大きい。

ソブラエティのメリット。と言うよりAAのメリット。
仲間がいて、支え合える場所がある。
そこに通い続けたら、いつの間にかあのやっかいな孤独と自己憐憫が消えていた。
そのことに本当に感謝している。

なんてことをミーティングの間、ずっと考えていました。

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コメント

治療法とかには個人的に合う合わないがあって、
3つの治療法でそれぞれ3割前後の人たちに実績が上がっている、と。

例えば、AAに合わなかった人たちが認知行動療法をやってみたら、止められた、ということもあるかもしれない。

ホントに数字的には圧倒的に間違ってると思うんですけど、3種類の治療法でそれぞれ3割前後、足すと9割の人たちに治療効果が上がってる、なーんて考えちゃいました。

色々な受け皿が更に用意されるといいですね。

投稿: otama | 2009年6月14日 (日) 21:48

otamaさん

コメントありがとうございます。
実際の研究では、未治療のアル中を集めて3つのグループに分けてそれぞれの治療をやったら、3割は何とかなった。逆に言うと7割はダメだった、と言うことのようです。
でも研究デザインがどうであれ、3つ合わせて9割くらいだといいと思うのですよ。ホント。
AAであろうとそうでなかろうと、大勢の人が助かってほしいです。
仲間の訃報を聞くたびに、そう思いますよ。。。

投稿: カオル | 2009年6月14日 (日) 22:53

私は鬱です。
思えば、もう20年以上そうなのかもしれません。
病院へ行っては少し良くなると止めて、を繰り返して
結局、どうにもならなくなりました。

今まで、本気で治りたいと思っていなかったのかもしれません。
誰にもわからない、
どうやったら死ねるんだろう。いつ死んだらいいんだろう。
と毎日考えては、浴びるように飲み続けていました。
ある人に出会って今は通院も4年目になり、いつの間にか
“死”を考えなくなりました。
そして今は、20年後を考えられるようになりました。
私の症状とは違うかもしれませんが、自分を取り戻すのは
ほんの小さなきっかけなのかもしれません。

投稿: haco | 2009年6月15日 (月) 05:56

hacoさん

そうですか、そんなことがあったんですか。
つらかったですね。。。
おっしゃるとおり、ほんの小さなきっかけで状況が変わることもある。走かと思うと、どれだけ本人や周囲があがいてもどうにもならない時もある。ふしぎなものです。
hacoさんがいまは死を考えなくなり、20年後の自分を想像できるようになっている。
すばらしいことだと思います。
きっかけになった、小さいけど確かな「なにか」を大事にしてくださいね。

投稿: カオル | 2009年6月15日 (月) 21:48

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