シルクワース博士、渇望現象
BBを精読している。
BBの本文に先立ち「医師の意見」として、ドクター・シルクワースの一文が掲載されている。
(ちなみにBBの中で唯一の記名文章である)
この中で「渇望現象」という言葉が繰り返されている。
きのう、このことについて仲間と話をした。
アルコール依存症はいちど飲酒が始まるとこの渇望現象につかまり、とめどない連続飲酒の連鎖の中に入っていく。
アルコール依存症以外の人には見られないこの現象を、シルクワース博士はアレルギーの一種と表現している。
なかなか言い得て妙だと思う。
医学的な当否はともかく、たしかにいちどアルコールが入れば明らかに常人とは違う「連続飲酒発作」が始まる。
花粉症以外の人にはなんでもないアレルゲンが、アレルギーを持つ人にひどい花粉症を引き起こすように。
何年酒をやめていても、何十年酒をやめていても、飲酒を再開すれば一番ひどかった最後の酒の続きが始まる。地獄の続きが始まる。
これは長いソブラエティを得た後にスリップした仲間の話を聞いても、だいたい同じだ。
博士は、アルコール依存症は「身体の異常」でもある、と指摘している。
そう思うと、少しホッとした気持ちにもなる。
アルコール依存症は「病気」なのだ、身体の異常でもあるのだと理解することは、回復の道のりの第一歩なんだと思う。
BBの本文に先立ちシルクワース博士のこの文章が掲載されているのは、そう言う意図があるのではないだろうか。
もちろんぼくが過去、さまざまに他人を傷つけ、自分を傷つけてきたことをすべて病気のせいにするつもりはない。
でも過去の自分の行動のすべてを自分のせいだと背負い込むのも、また傲慢だと思う。
すべてを病気のせいにするのと同じくらいに。
病気を正しく捉え、過去の過ちを正しく認識すること。
手放せるものは手放し、償えるものは償っていくこと。その力を神さまに求めること。
なんてことをいちいち考えていると、ちっともページが進まない。うう。
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コメント
「医師の意見」はとても大事だと思います。
・・・けど、いきなり第一章から始めるBBミーティングもあったりして驚かされます。
投稿: ひいらぎ | 2009年3月19日 (木) 09:25
ひいらぎさん
お久しぶりです!
BBミーティング、そうですか。一章から始まることも多いんですか。
たしかに「医師の意見」はオマケみたいなあつかいかも。
ぼくもアレルギー説は今まであんまり深く吟味して考えてこなかったです。
読めば読むほど、BBはおもしろいですね。
投稿: カオル | 2009年3月19日 (木) 13:37
そうですね。
身体的アレルギー(言葉はなんであれ)を抜きにしてステップ1を語ることは片手落ちだと思います。
そして身体の問題を語った上で、p.35「だから今度は、問題は身体ではなく精神に向けられる」と続いていくからこそ、問題に向き合いやすいのだと思います。
投稿: ひいらぎ | 2009年3月20日 (金) 00:29