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2008年11月18日 (火)

The Who来日公演

先週の日曜、11/16にザ・フーの公演を見てきた。
今年の後半で一番楽しみにしていたライブだ。
オリジナルメンバーは、ボーカルのロジャー・ダルトリー、ギターのピート・タウンゼントしか残っていない。あの野獣のようなドラムとベースがいなくてだいじょうぶなのか。
そんな懸念を払拭する、すばらしいライブだった。

一曲目、I Can't Explain。
さいたまスーパーアリーナいっぱいの客がどよめく。
あのザ・フーが目の前に立っている。元祖パンク。ステージのたびにギターを、アンプを、ドラムセットを破壊しまくっていた連中。30歳以上を信じるなと叫んでいた人々。
さすがに還暦を過ぎてオトナのたたずまいだが、ピートの風車奏法は相変わらずだ。
生で見る風車はさすがに迫力がある。速い速い。
ボーカルのロジャーも動く動く。マイクをぶんぶん振り回して会場をあおる。
二曲目The seekerに入ってすこし演奏もリラックスしてきた印象。
客席は椅子を並べていたせいか、がんがんに踊って盛り上がる人は少なかった。それでも曲が終わると割れんばかりの歓声、喝采。

個人的には映画「さらば青春の光」のテーマ曲の印象が強いLove Reign Over Meがよかった。
好きなんだよね、この曲。「さらば青春の光」の内容そのもの、せつなくてわびしくて。何とも言えない哀感。

しかし不思議なバンドだ。
シンセのシーケンスフレーズを多用し、テクノっぽい要素も随所に見られる。
もともとバカテクのドラムとベースがいたしギターのかなりのハイテク。それなのにテクニカルバンドという印象はあまりない。
「恋のピンチヒッター」「ハッピー・ジャック」などのポップな面とハードロック的な面、ロックオペラなど、どうにもくくりようのないバンドのカラー(このへんが日本で受けない原因かも)。
でもライブを見ると、どれもこのバンドの一面なんだな、と思う。いい意味でオールド・ロックだ。曲の構成が雄大で、とにかくスケールがでかい。たとえようのない骨太感。

などと考えていたら、あっという間にアンコールが来てしまった。
アンコールは「TOMMY」メドレー。
トミーはもちろんアルバムを聴いているんだけど、今ひとつ印象に残っていない。でもメドレーの最後の"See Me Feel Me"は哀感きわまって、まさにライブのクライマックス。
いやー、すごいバンドでした。
今回はお披露目的な意味合いの強いライブだったかも。もっともっと来日して、もっともっとテンションの高い演奏をして欲しい。
こういうスケールの大きいバンドは、もうこのあとは出ないかも知れない。ロックオペラやメドレー大作を作り、きっちり売り、そしてライブで完全に演奏できるバンドはもうこの先ないんじゃないか。
こういう雄大なロックのあり方を後世に伝える意味でも、どんどん来日してリスナーの層を増やしていって欲しいなと思った。
いやはや、すごいバンドだ。ザ・フー。

付記。
客席はかなり広い年齢層でした。50代以上の先輩ロックファン、多数。
決して盛り上がらないワケじゃないんだけど、みなさん演奏中に体が動いていない。クロマニヨンズのライブを見た後だけに客層の棒立ち感が目立って見える。
みんな・・・体がついて行かないんだね・・・・。
さらに、3曲目を過ぎるとトイレに立つ人多数。続々とトイレに出かけていく。おいおい、まだ始まったばかりだぞ。

みんな・・・・おしっこが近いんだね・・・・

さらにアンコール前。メンバーが袖に引っ込むと、周囲のお客さんの大半が着席。アンコールの拍手の時に着席するようなライブはご無沙汰していたので、軽い驚きを感じました。

でもなんかうれしい感じ。ぼくもたぶん、いつかそうなるんだろうな。
体が動かなかろうが前立腺が肥大しようが体力がついて行かなかろうが、それがどうした!
たいした問題じゃねえやい!キーポン・ロッキン!

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