ableton Liveでmotif rack esを使う
ableton liveでYAMAHAのラック音源、MOTIF-RACK ESを操作する方法を紹介します。
先週の連休は、ほとんどの時間をこの方法の試行錯誤に費やしました。なにせMIDIの知識があやふやな上に、マニュアルを見てもよく分からないことばかり。
備忘録もかねて書いておきます。この記事が同じ環境のDTMファンの役に立つことを願いつつ。
ちなみに自分の環境は以下の通り。
MacBook(MacOS10.5.5)。MIDIキーボードはRolandのPCR-80。オーディオインターフェースはNRV10。
本稿ではMOTIF-RACK ESをマルチティンバー音源として使用することを想定しています。従って本体はマルチモード、パソコン側はマルチパートエディタを使用することを前提に記載します。
【下準備】
MOTIF-RACK ESとMacをUSBでつなぐ。ハブは使わないようにとマニュアルに書いてあるので、その通りにする。MIDIキーボードもUSBでMacにつなぐ。
1)MOTIF-RACK ES側の設定
a.MOTIF-RACK ESのファームウェアのバージョンを確認。Studio ManagerはファームウェアがV1.03未満だと作動しません。以下、YAMAHAのサイトより転載。
本体バージョンの確認方法
[EXIT]+[PAGE >]+[MUTE/SEL/ENTER]ボタンを同時に押しながら、本体の電源を入れます。
Current VersionKernel:1.xx
Firm:1.xx
という表示の「Firm:1.xx 」で表されている部分が本体のバージョンです。
MOTIF-RACK ESの電源を入れ直すことで、バージョン確認画面から抜けることができます。
あとはここを見てファームウェアを最新のバージョンにアップしてください。
http://www.yamaha.co.jp/product/syndtm/dl/tonesamp/motif-res/#Anchor-Updata
b.UtilityでMIDI IN/OUTをUSBにセット。あとあとアルペジエータの同期のためMIDI SyncはMIDIに。
2)Mac側の設定
a.MIDIキーボードは最新のドライバをインストールしておく。
b.YAMAHAのUSB-MIDIドライバを、最新のバージョンをインストールしておく。
ここ。http://www.yamaha.co.jp/download/usb_midi/
c.Studio Managerの最新版とMOTIF ES Multi Part Editor、MOTIF ES Voice Editorの最新版をダウンロードしてインストールしておく。
場所はここ。http://www.yamaha.co.jp/product/syndtm/dl/synth/motifes/
下準備が終わったらマックを念のため再起動。MOTIF-RACK ESも電源を入れておく。
マックのアプリケーション→ユーティリティ→Audio MIDI設定を開き、MOTIF-RACK ESが見えているか確認する。もし見えていなかったら結線、ドライバのインストールを再確認。一見見えていないようでも、ウィンドウを横にスクロールすると現れたりする。
【前置き】
設定に入る前にまず理解しておかなくてはならないのは、Studio ManagerはMulti Part EditorとVoice Editorを管理するソフトだということ。
まずStudio Managerを起動し、その管理下でMulti Part EditorやVoice Editorを使います。
それから、Studio Manager、Multi Part Editor、Voice Editorを起動しただけでは鍵盤を弾いても音は出ません。
MIDIノートはあくまでDAW(この場合はableton Live)を経由してMOTIF-RACK ESに送ります。Studio Manager、Multi Part Editor、Voice Editorは各種設定の送受信、保存のみです。
それから「ポート」と言う概念がありますが、これとMIDIチャンネルをごっちゃにしないこと。ぼくはこれを混同したために設定に非常に悩みました。ポートというのは、1つのポートに1~16のMIDIチャンネルをひとまとめにした、仮想のMIDIポートです。
さて下準備はここまで。いよいよ設定に入ります。
【設定】
1)まずシステム環境設定を開き、YAMAHA USB-MIDIドライバ設定を起動。Studio Managerを起動。Multi Part EditorとVoice Editorがウィンドウ内に現れるので両方ともクリックして起動。Device NameがMOTIF-RACK ESになっているのを確認し、以下のように設定を変更。
OUT1、OUT2と言うのは、ポートの番号です。Studio Managerが使うポート1の出力とDAW経由でMIDIノートを送るポート2の出力信号をマージ(統合)する必要があるのでこう言う設定をします。「なんでそんなややこしい設定を・・・」と怒ってはいけません。こんなのは序の口です。まだまだ先は長いです。設定が終わったら画面を閉じます。
2)Studio Managerを起動します。メニューバーの「SM2」からPreferences..を開きます。コマンドキー+カンマでもいいです。Modify workspaceタブでMOTIF RACK(Multi)
とMOTIF RACK(Voice)の両方を選んでadd→ボタンを押します。画面右のWorkspaceに両方の名前が入っているのを確認し、applyボタンを押します。
3)そのままOKを押してPreferences画面を閉じてしまいそうになりますが、いけません。となりのMIDI Settingsタブに移ります。この辺が最大の難所です。
Input Portsの欄。自分のMIDIキーボード(この場合はEDIROL PCR1)にチェックを入れる。それからYAMAHA MOTIF RACE ES Port1にもチェックを入れる。
Output PortsにはYAMAHA MOTIF-RACK ESのポート1から8までチェックを入れる。とりあえず1だけチェックを入れておけば足りるけど、あとあと必要になった時のことも考えて2以降にも入れておきます。
4)Preferencesタブもいちおう開けてみて、Automaticaly synchronize on file loadにチェックが入っているのを確認します。
5)以上が終わったらApplyボタンを押し、OKボタンを押します。
6)マルチパートエディタを起動します。
7)設定画面を開きます。アイコンの左から3つめを開いても可。
8)画面のように、エディターを設定します。この画面ではリモート入力がEDIROL PCR1になっていますが、NONEでもかまいません。ていうかNONEの方がいいかも。どうやら01XなどのYAMAHAの特定機種以外ではエディターをリモート操作できないようです。
リモート出力ポートの方はNONEに設定。
その下の入力ポートはYAMAHA MOTIF-RACK ES Port1に設定。出力ポートはポート1または2に設定。deviceIDは1に設定。バルクインターバルは短すぎても長すぎても問題が出るそうなので、15msあたりが無難でしょうか。
9)ボイスパートエディタを起動します。
マルチパートエディタと同様、設定画面を開き下の図のように設定します。
この場合は入力ポート、出力ポートともにYAMAHA MOTIF-RACK ES Port1に設定。MIDIチャンネルは1、deviceNo.も1に設定。バルクインターバルはやはり15ms程度に設定。
ためしに本体をボイスモードにして、パソコンのボイスパートエディタのキーボードをクリックしてみましょう。音が鳴るはずです。
それから本体をマルチモードに切り替えて、マルチパートエディタで本体からバルクデータを受信してください。本体のマルチ設定とマルチパートエディタの設定が同期したら成功です。「ごーん」と不協和音が鳴り響く場合は、リモート入力ポート、リモート出力ポートがNONEになっているかもう一度確認してください。
10)本体がマルチモードになっているのを確認、マルチパートエディタを起動しておきます。本体側で好みのマルチを選び、データをマルチパートエディタに読み込んでおきましょう。
ableton Liveを起動し、環境設定を開きます。コントロールサーフェスの入力をEDIROL PCR1、出力をYAMAHA MOTIF-RACE ESに指定します。
11)MIDI Portsのインプット欄、PCR1、MOTIF-RACK ESの両方をオンにします。
12)環境設定を閉じ、MIDIトラックを挿入します。MIDI FromにPCR1、MIDI ToにMOTIF-RACK ESを指定。MonitorをInに。この辺は通常のMIDIトラックの操作と変わりません。これでめでたく鍵盤を弾くとMOTIF-RACK ES本体から音が出るはずです。
理解が不十分なため、ひょっとしたら不要な設定、間違った設定があるかも知れません。同様の環境の方で建設的なご意見がありましたら投稿いただければ幸いです。
次回はアルペジエータのパターン読み込みです。
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