竹富島
竹富島は、石垣島から高速艇で10分ほどの距離にある小島だ。
wikipediaによれば、周囲は約8キロほど。
島の中心に集落があり、昔ながらの古民家が建ち並ぶ。道路は白く輝く珊瑚の砂。
赤瓦の古民家と珊瑚の石垣、珊瑚の砂。美しい島だ。
集落の外周と港の近辺はわずかに舗装道路が整備されているが、村の中は完全に昔ながらの風景。
古民家、石垣、白い砂。電柱さえも木でできている。
名物の水牛のバス?に揺られて村の道を進んでいくと、何とも言えないノスタルジーを感じる。
こんな南の島の風景は初めて出会うはずなんだけど。
水牛の観光バスを降りて、自転車で島の中を見て回る。
気温は35度。汗だくだ。でも都会の暑さと違って、きつくない。体力も気力も根こそぎ奪われていくような暑さじゃない。日陰に入ってペットボトルの水を飲むとさわやかな風を感じる。
そしてなぜだろうか、空気の色がほかの島とまったく違う。
赤はくっきりと赤く、空は時間によって角度によって、全く違う深さの青を見せてくれる。
いちどデジカメのシャッターを切り始めるときりがないくらいだ。
島の西側に突堤がある。その名も「西の桟橋」。
遠浅の海の向こうに、西表島が見える。
沖縄では見飽きるほど海を見てきたのに、ここから見る風景はとても美しい。
空と海の広さにあらめて感動。
どんなに周囲に雲がなくても、西表島の上には必ず雲がかかっているんだそうだ。
なんだかキングコングの島みたいだ。
島で一番高い見晴台に上ってみた。
見晴台と言ってもそんなに高くない。せいぜい学校の校舎の3階くらいだ。
それでも古民家の屋根が連なる様子がよく分かる。
午後7時を過ぎて、やっと日が暮れ始める。
日中の観光客が帰った後は、島の人と宿泊の観光客しかいない。
西の桟橋には観光客が集まって、日が傾いていくのをじっと座って見つめている。
ビールを飲みながら文庫本を読む学生。
犬を連れた島の女性。
蟹を追いかける子供。
みなが見守る中、やがて西表島の方、雲の間に日が沈み始める。
不思議な光景を見た。
雲の切れ間から夕日が差し込み、天使のはしごが見える。
それが空をぐるっと回って、反対側まで縞模様になっているのだ。
夕焼けでも夕暮れでも青空でもない、不思議な色の空。
マジック・アワーと言うんだろうか。初めて見た。こんな空。
あ、写真に写っているのはワタクシです。
写真には撮れなかったけど、夜がまた美しいんだ。
集落のメインストリートにはわずかに街路灯が灯っているが、横道にそれるといきなり真っ暗な闇。
静かで、草むらをわたるひそやかな風の音しか聞こえない。闇と静寂の中で、少し怖い気持ちになってくる。
でも目が慣れてくると、驚いた。
満天の星空。輝く月。白く浮かび上がる珊瑚の道。
降るような星、月、夜空、闇、静寂、すべてが美しいんだ。
きっとまたここにくる。そう思ったよ。
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