父の入院
父が入院した。
以前から足が悪く、手術を勧められていた。
気乗りしなかったそうなのだが、秋口に海外旅行に行きたいからいまのうちに手術を受けることにしたのだという。
大腿骨骨頭を人工骨頭に置換して、しばらくリハビリ。入院期間は約2か月。
急病というわけでもないので別に心配していなかったのだが、きのう見舞いに行って驚いた。
異様にやつれている。まったく精気がない。話しかけても返事があやふやだ。
付き添っていた母に聞いたところ、手術が予定より長引いたんだそうだ。
で、次の日、絶対安静にも関わらず「ベッドに帰る」と言って自分でベッドから落ちてしまった。
さいわい人工骨頭は無事だったらしいが、今度同じことをしたら相当キビシイらしい。
そんな話を聞いていると、担当の先生が回診に来てくれた。
父はまともに耳に入っていない様子だが、それでもていねいに病状を説明してくれる。母にも追加の説明を2,3、ていねいな言葉遣いでしてくれた。
夜の7時過ぎだが、まだまだ仕事の途中という感じだ。夕べは当直だったのだろうか、無精ヒゲが濃い。
熱心かつ誠実な姿勢に、心底頭の下がる思いである。母、妻ともども、よろしくお願いしますと深く頭を下げる。
いい先生だね。そんな話をしていると、またすぐ戻ってきた。
言い忘れたことを話しに来たのだという。
誠実な方だ。感謝である。
とにかく当面は絶対安静。母ひとりでは持たない。あすは交代で付き添いだ。
先週、母の誕生祝いをした。両親とわれわれ夫婦とで焼肉を食べに行った。
大食漢で人一倍焼肉を平らげる父に、ああこの人はまだまだ老境にはほど遠いな、そう思った。
それがいま目の前で、見る影もないほどにやつれ、ふせっている。
生とは、かくもはかなく、うつろいやすいものか。病とは、こうも簡単に健康を刈り取っていくものか。
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コメント
大変でしたね。
病院という場所や、病的な状態が
人を病人にしてしまうようにも思う今日この頃。
正常と非正常の合間あたりにたずさわってきた自分は
それでかなり救われている気がしています。
病とむきあうことって、体力使いますね。
それにしても。
親が年をとったのを見るのって、結構ショックですよね・・・
私達は時間変化のつくる連続体として
不完全ながら今日も生きているのかもしれないと思います。
明日を内包しながら。
投稿: pao | 2008年7月 4日 (金) 22:05
paoさん、ありがとう。
親が老いていく姿はなんとも哀しいものです。
親は老いていくのに、自分は何の成長もしていないような気がして、落ち込みますねー。
そうは言っても、過去を悔やんでも仕方ないし、いまを一生懸命生きるしかないです。
おたがい、いつ病に襲われても後悔しないような、充実した生き方をしたいものですねー。
投稿: カオル | 2008年7月 7日 (月) 21:48