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2008年4月20日 (日)

YAMAHA MAGICSTOMPの怪

YAMAHAのMAGICSTOMPというエフェクターがある。
コンパクトなマルチエフェクターだ。
もともとSPX900などで、YAMAHAの空間系エフェクトには定評がある。
MAGICSTOMPには、YAMAHAの空間系のノウハウが凝集されている。その分歪み系はイマイチだが。
しかも、マイブラ(my bloody Valentine)のサウンドメイクで知られる、リバース・ゲートも内蔵している。
これは買うしかない!

で、数年前に購入したが、数回使ったのみであえなく押入れ行き。

・操作性が悪い。
・歪みがショボすぎ。KORGのパンドラの初期型かと思うくらい。デジタルエフェクター出始めのころの音質。
・パソコンをつながないとエディットできない。本体のみでいじれるパラメータは3つだけ。それでも十分といえば十分なのだが。
・パッチごとのエフェクトの構成がパソコンをつながないと良く理解できない。歪みイッコだけ、と言うパッチもあれば、歪み+モジュレート系+空間系、みたいなパッチもある。じゃあ自分で好きに複数のエフェクトを組み合わせられるかというと、それはできない。パッチごとに設定されたパラメータしかいじれない。ヘンなの。
そして最大の問題点。

エディタソフトが、OSXで動作しない。

classic環境もダメ。発売は2003年12月。すでに時代はOS9からOSXに移り変っていた時代だったと思う。にも関わらずOSX対応のドライバーもエディタソフトも開発されなかった。
マシン自体の人気もなかったのだろう。オフィシャルサイトも2004年で更新がストップしたまま。
2003年12月に発売して2004年5月20日で更新がストップって、いくらなんでも見捨てるの早過ぎだろうヤマハ。

YAMAHA Magicstomp

こんなしょうもない不遇のMAGICSTOMPだが、ここにきて妙な情報が出回っている。
アメリカでは人気がありver.2が開発されているという。ほかにもベース版MAGICSTOMP、アコギ版MAGICSTOMPが存在されているという。
しかもファームウェアを書き換えれば、旧MAGICSTOMPでもその性能が得られる、と言うのだ。
さらにそのファームウェアはダウンロード入手可能であるという。
探してみた。
たしかに、ver.2やベース版、アコギ版は存在するようだ。

Co_2_magicstomps
本家サイト

ここにはたしかにMAGICSTOMPII、MAGICSTOMP EB、Magicstomp Acousticの記載がある。しかし肝心のアップデータは見当たらない。YAMAHAの国内サイトにはアップデータはおろか、ver.2やEBの存在自体まったく触れられていない。

が。
ついに見つけました。アップデータ。無事にアップデート成功。もちろんMac OSX、leopard。
以下に方法を書いておく。

1.こちらのYahoo!グループにアップデータが置いてある。
magicstomp_ub99: Yamaha Magic Stomp UB99
ファイルをダウンロードするにはメンバー登録しなければならない。そのためにはアメリカのYahoo!に登録しなければならない。英語だがガンバって登録するべし。
2.サイト左側のFilesの欄から、UB99MK2_v2.10.midと言うファイルをダウンロード。MIDIファイルだが、これがファームウェアになる。ちなみにアコギ版、ベース版のファームウェアも置いてある。その他、ver.2版のバッチリストや英語版マニュアルなども。
3.すぐにもアップデートしたいが、MAGICSTOMPとMacをつなぐドライバーを入れなければならない。
こちらから現時点での最新版ドライバー、um111mx.zipをダウンロードしてインストール。再起動して使用可能にする。
4.ファームをMAGICSTOMP本体に送り込むソフトを用意。ぼくはYAMAHAのフリーソフト、ミッドラジオプレーヤで行った。が、ふつうのDAWソフトで良いようだ。上記のグループではRolandのSONARで書き換えたという話があった。ableton liveでもcubaseでもなんでもいいようだ。
5.本体のストアキーとマイナスキー(3つあるうちの左のペダル)を同時押ししながら電源を投入。
6.本体ディスプレイに"UB99 P.LOAD V___ V_____ CNECT USB"と表示されるのを確認。
(アンダーバーのところは、ファームの番号)
7.USBケーブルを接続。ミッドラジオプレーヤなりDAWソフトなりを用意して、MIDIの送信先をMAGICSTOMP(MS)に設定。
8.ファームウェアを送信。MIDIファイルの形式になっているので、このファイルを終了まで再生することになる。およそ10分。この間、MAGICSTOMP本体のディスプレイには数字が次々と映し出されているはず。
9.MIDIファイル再生終了後、接続を外してMAGICSTOMPを再起動。起動時ver2.10の表示が出ていれば成功。

書換え前。
Rimg0123

書換え後。
Rimg0124


書換え後どうかと言うと・・・おおっ!
パソコンでしかエディットできなかったパラメータがいじれるようになっている!
(アコギでしか活躍しないだろうが)ハウリング防止機能がついている!
しかし歪みのショボさは変わらなかったのでした。ショボン。

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コメント

MagicStompを今更ながら入手しました。
アップデート方法、大変参考になりました。
ありがとうございます!

さて、これからこのマニアックなエフェクタをどう活かすかですな…。
ディレイ沢山ってのが他に無い武器になりそうです。

投稿: すぱいく | 2009年3月27日 (金) 15:09

すぱいくさん

コメントありがとうございます。
なんかよく分からない猫の鳴き声エフェクトとかも入っていますが、やはり眼目はディレイ系だと思います。
マルチエフェクターだと思うから評価が低いのです。ディレイマシンと思えばいいのです・・・たぶん。
ヘタクソですが2008年5月12日のエントリーに音源もアップしてありますので良かったら参考にしてください。
おもしろいエフェクターだと思うんですが、世の中ではまったく知られてないのが残念です。
すぱいくさんもぜひ音源を公開して、MAGICSTOMPユーザを増やしてください。

投稿: カオル | 2009年4月 1日 (水) 23:26

SPXのシンフォニーを使いたたくて(松原正樹・今剛ですね)magic stomp考えているのですがどうでしょう?spxの数値エディットのめんどくささはたまりませんからね。ver2になってシンフォニー系もどうなったのか知りたいです。

投稿: コウ | 2009年11月23日 (月) 23:11

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