JASRACの新たな動き?「CULTURE FIRST~はじめに文化ありき」
JASRAC関連のニュースはあまり良い気分にならないので敬遠しがちなのだが、また新たな動きが出てきたようだ。
現在の私的録音録画補償金制度では、新たに登場した私的コピーを可能とする製品、例えばパソコンや携帯音楽プレイヤー、携帯電話、カーナビ等が課金対象となっていないために機能不全に陥っており、私たちが受け取る補償金の額も激減するという危機的な状況にあります。
パソコンに補償金を課金できていないから、「私たち」が危機的な状況になっているそうだ。
で、あらゆるメディアや機器に保証金を課すよう求めて行くんだそうだ。「私たち」と名乗る方々は。
私たちって誰だ。アーティストか。
否。
この問題については、平沢進氏の発言、行動がいちばん鋭く、分かりやすい。
下のリンクにある平沢進氏の提言を、ぼくは全面的に支持する。
ここに書いてあるとおり、そもそもアーティストには自作の著作権がない。
アルバムを制作したとたん、「音楽出版会社」と言う怪しげな会社に、巧妙に著作権を持っていかれてしまう。
連中が「私たち」と言う時、それはアーティストではなく、著作権者である「音楽出版会社」が主であろう。で、副次的にアーティストも含まれるってとこか。
そもそもJASRACがやっていることはただの取り立て屋だ。あちこちにクレームをつけて、取れるところから金をむしり取ろうっていう姿勢しか見えてこない。
「文化を守る」って、iPodやハードディスクやパソコンに課金することなのか?それ以外にやることはないのか?
このHPも仰々しく文化文化と書いてあるが、じっさいにやっていることはあらゆるメディアに課金するよう主張しているだけじゃないか。
取り立て。圧力。クレーマー。ゼンゼン文化を感じない。
連中がもしほんとうにアーティストを守ろうとしているのなら、そう言う姿勢を打ち出せばいい。コピーや違法ダウンロードのせいで若いアーティストが生活に困っているのなら、そう言う事例を出してどんどん正当性を訴えればいい。JASRACがいかにアーティストの生活を支え、保護しているかをアピールすればいい。
が、JASRAC関連で出てくるのは、いつも長老のじいさまばかりだ。
具体的な事例を出せないのは、アーティストから著作権を巻き上げているから、直接にアーティストの代弁者だとは言えないからだろう。
ライブを見に行って、アーティストからJASRACに対する皮肉やあてこすりはしょっちゅう聞くが、JASRACの正当性を聞いた試しがない。
オレはアーティストには金を払いたい。ライブ会場でも物販には積極的に財布を開く。グッズが欲しいというより、何らかの形でアーティストに対価を支払いたいからだ。支援したいからだ。
だがJASRACやカルチャーファーストといった組織には、びた一文金を払いたくない。早く滅んで欲しいと願っている。
平沢氏のコメントを引用する。
昔はカセットでコピーして友達同士でやりとりしていたし、オンエアされたものをエアチェックしてコピーしていたわけですよね。それがデジタルコンテンツになったところで、何を騒ぐんだということですよ。不思議に思うのは、客を泥棒扱いして、オマエが泥棒ではないということを証明するために補償金を払えと、言ってるわけですよね。これ自体私には理解できません。プロテクトや補償金の話はビジネスの問題であって、コピーするしないは倫理の問題じゃないですか。彼らは倫理を大儀にして、ビジネスしているだけなんですよ。
平沢氏は慎重に言葉を選んで「ビジネス」と表現しているが、ビジネスどころじゃないでしょう。
文化からいちばん遠いところにいるなあ。カルチャーファースト。
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コメント
店で掛けたBGMとかそういうのからお金取るのに必死だったもんね。
プロモーションだっつーの。
多くの人に聞いてもらって、イイナと思った人が買うっつーの。
自分で機会潰してどうすんだろ、って思うよ>カスラック
お金欲しいだけなんだよ。天下りの人が。
私がまだファンになる前に、ヒラサワさんのその記事を取り上げたことがあります。
いい事いうぞ、オヤジ、と思いました(W
投稿: otama | 2008年3月27日 (木) 00:01
otamaさん
利権を主張するだけの団体が、さも文化の守護者のようなことを臆面もなく述べているのは非常に見苦しいと感じます。
JASRAC関連の組織は、早くなくした方が文化が成熟すると思います。
ヒラサワさんは、単なる奇人ではなかったのですね。高い見識の持ち主ですね。
投稿: カオル | 2008年3月27日 (木) 22:26