鍛冶屋の修業(2)
鍛冶屋の人事委員会。
先週、2回目の会議があった。案の定、元締めの素案を人事委員会案として正式に採択する。シナリオ通りだ。それは良い。良い悪いは別として、世の中には必要な手続きというものがある。
委員会でもいちおう人事案を審議したけど、元締めの素案を超える案は出てこなかった。ささやかな抵抗として、今回ムリを呑んでくれた丁稚には次回優先的に希望を聞くという付帯事項を盛り込んだ。
が。
小一時間で会議が終わったかに見えたその時。元締めはこう言った。
「みなさんのご苦労はこれからです。調整案に従って、調整対象者と連絡、調整を進めてください」と。
く・・。
それはネ。元締めネ。あなたの仕事なのネ。
われわれはほかの丁稚の皆さんに異動を強制することはできないのネ。伝達するだけならまだしも、伝達すれば必ず意見を言われる。その希望を聞いたり調整したりする権限は、元締め、あなたしかないのネ。
それから1週間。委員会は本業の傍ら、一生懸命連絡・調整を行った。根は真面目な連中である。理不尽な仕事と分かっていても、与えられた仕事はベストを尽くす。
案の定、丁稚たちはそれぞれ自己主張、立場表明を行った。調整案に添って異動することを拒んだ。あるいは条件を出してきた。
きょうこれから、それをまた会議にかける。
会議にかけるったって、権限は元締めにしかない。われわれが各人の意見を伝達し、それを元締めが判断する。当然、その間には齟齬が生じる。元締めは右に行けと言い、言われた方は左にしか行けないと言う。すり合わせの余地は少ない。その間に挟まるのがわれわれ人事委員会と言うわけだ。
さてさて。
会議は踊る。
一筋縄では行かないだろう。まとまらない。まとまるワケがないのだ。
自分の感情が揺れませんように。何を怒鳴られても、これは自分の能力のせいでも、人格を否定されているのでもないのだ。ぼくは何も傷つく必要はないんだ。ただ怒鳴られる立場に立ってしまったから怒鳴られるだけなんだ。
理解されることよりも、理解することを。
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コメント
おつかれさんです。
これを読んでいて、ふと口をついて出てくる歌があり、
「誰の〜せ〜いで〜もない雨が〜降って〜いる〜」と
中島みゆきになってしまいました。
この曲の後半は
「もう、誰一人、気にして〜ないよね〜」
「早く〜月日すべての〜哀しみを癒せ〜」
と」つづきます。たしか。
ほんとに、これは予定調和(不調和)な喜劇です。
誰のせいでもないので、気にしなくていいと思います。
みんな、ほんとは分かっていると思うしね。
気にせず、あったかい鍋でも食べて、ゆっくり寝てくださいな。
それにしても。
東北方面、大雪はだいじょぶですかー?
投稿: pao | 2008年2月10日 (日) 19:50
こんばんは、paoさん。
そう言っていただけるとホッとしますよ。ありがとう。
会議は終わりましたが、机上の空論の結論が出ただけでした。
また次回、夜中までもめると思います。ゆううつです。
自分のせいではないと思いつつ、いつの間にか元締めの手先となっている自分がいます。ツライです。
早く終わると良いなと思いますが、終わるまでにはさまざまな苦難があるでしょうし、終わったあとでは自分も無傷ではないでしょう。
ゆううつです。トホホ。
東北の雪は、一晩どっさり降って、あとはすっかり溶けてしまいました。温暖化の影響か、ここ数年は根雪と言うものがありません。
通勤は楽ですが、やや寂しい気がします。
投稿: カオル | 2008年2月12日 (火) 07:11