日の出を見ながら11キロ
きのうは結局、どうしても起きることができず、朝ラン成らず。
夜走ろうかとも思ったが、朝走る生活に切り替えて行くため、あえて走らなかった。
今朝、5時起床。真っ暗だ。眠っている妻を起こさないようにそっと階下に下り、着替えをしてストレッチをする。
なるべくパソコンには近寄らないように気をつける。電源を入れてしまうとそのままぼうっとネットをして終わってしまうから。
アパートの外に出るとあたりは真っ暗で、冷気がウィンドブレーカーを貫いて肌に刺さってくる。ヘッドフォンをかぶって音楽を鳴らし、砂利で転ばないよう慎重に走り始める。
山の端が少しだけ紫色になってきているのを見ながら、田んぼ道を通り、卸団地まで走る。
だだっ広い区画整理された無機的な直線道路を、ときどきトラックに追い抜かれながら走る。サボっていた期間が長かった分、身体が重い。ペースが上がらない。
ペースを気にするな、焦るな。ゆっくり走ろう。自分に言い聞かせる。身体が温まってくるに連れて気分も少しづつ高揚してくる。7キロを過ぎたあたりから、「ああ、自分はいま走っているんだな」と実感が湧いてくる。
暗闇が静かに朝の青に変わってくる。行き交うトラックがだんだん増えてくる。フォームを崩さないことだけを考えながら、まっすぐな道路を走って行く。
きのうのラジオで、ある映画のセリフを紹介していた。「その男ゾルバ」と言う映画で、ゾルバが言ったセリフ。
「Life is trouble. Only death is not.」
人生はトラブルだ。トラブルの連続だ。トラブルそのものだ。そうじゃないのは死だけだ。
そう。その通りだ。走りながらそのセリフを何度も頭の中でくり返す。
トラブルなんてあって当たり前なんだ。トラブルのない人生なんてあり得ないんだ。トラブルと踊ろう。たっぷりとトラブルを味わおう。たっぷりと苦味を味わい、こづき回され、最低の気分を味わおう。そしてキレずに、ひがまずに、恨まずに、トラブルに粘って行こう。
トラブルはこの世界そのものだ。トラブルのない世界は死の世界だけだ。嘆いているヒマがあったら、淡々とトラブルの処理をしよう。
そんなことを考えながら11キロ弱のコースを走り終えるころには、すっかり朝の大気と光があたりを支配している。
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