バースデイミーティング
きのうはおとなりのグループのバースデイミーティングだった。
ある女性の仲間が1年のバースデイを迎えた。飲まないで生き延びることができた、1年のお祝い。
少し遅れて会場に到着すると、25名ほどの仲間がいた。いつもより少ないかな。初めて迎えるバースデイのお祝いにはおおぜいの仲間が集まるのに。
そう思っていたら、あとからあとから続々と仲間が到着。はるばる仙台や海沿いからも仲間がお祝いに駆けつけた。
おおぜいの仲間に囲まれた1年の彼女は緊張して、少しはにかんだ表情で、でもとてもうれしそうだった。
バースデイミーティングのたびに思う。
このひとはほんとうにアルコール依存症者なんだろうか。と。
この快活な女性は、心も身体も誰よりも健康に見える。健康で屈託なく、出会う人が好感を持たずにはいられない、はつらつとした若者。
でも彼女は紛れもないアル中だ。
1年前にミーティングに初めて現れた時には、ひどく迷い、傷ついているようだった。
心のトゲが周囲も自分も突き刺している様子がありありと浮かんでいた。
AAにはなじまないんじゃないかな。飲まないで対峙する現実に耐えられず、アルコールの海の中にまた飛び込んでしまうんじゃないかな。
そんな風に感じたのを、つい昨日のように憶えている。
その彼女がこうして1年のバースデイを迎える。
いろんなことがあったと思う。イヤなこと、腹が立ったこと、傷ついたこと、分かってもらえなかったこと。孤独。怒り。悲しみ。
それでも飲まずにここまで来れたことは、とてもすごいことだ。
アル中が飲まずに生きていくことが、最初の1年を過ごすことがどれだけしんどいことか。つらく耐えがたいことか。
周囲には分かってもらえなくても、われわれにはそれが良く分かる。
彼女に語りかける仲間の言葉を聞きながら、胸の中に暖かいものを感じた。
おめでとう、Nさん。
来年、2本のろうそくでお祝いできるのを楽しみにしています。
| 固定リンク
コメント