第50回長沼駅伝のこと
ここんところ朝起きれない日が続いていた。寒いわ暗いわ疲れてるわで、目覚ましが鳴っても起きられない。走らない日が続いていて、モチベーションが極度に下がっていた。長沼駅伝も気が重かった。団体競技だから休むわけには行かない。それがかえって重荷になっていた。
練習しなくてはと思いながらも起きれない。罪悪感で次の日は何とか起きる。けど走っていても楽しくない。妙な焦りが出てきてしまう。そんな数日のまま当日を迎えた。
今回の駅伝は全8区間。ぼくは第6区を担当。
集合地点で監督役の方と初顔合わせ。次いでメンバー同士の自己紹介。全員みごとな筋肉質である。頬がそげ落ちている。ゲゲ。ひょっとして相当なハイレベラーの集まりではないのか。ぼくごときが参加するのはおこがましいのではないか。
スタート地点にバスで移動する。
ぼくがたすきを渡す7区担当の人と話をする。奥さんとご一緒に参加する方で、わりと文科系っぽく見える。おお同志よ。初心者よ。すがるように話しかける。
が。話を聞いて見ると相当な達人であった。ハーフの記録は1時間10分台だと言う。ああ・・・文科系っぽい人でさえこのレベルとは・・・トホホ。
スタート地点に9時20分ごろに到着。点呼が9時45分なので、しばらくアップすることにする。
長沼町はアップダウンの少ない、開けた土地のようだ。
空が青い。駅伝関係を除けばクルマの往来も少ない。青い空と田んぼと山と緑がきれいな、美しい土地だ。
まっすぐな道をとことこ走っていると、不意に高揚を感じてくる。
俺は好きで走っているんだ。楽しいから走っているんだ。他人のレベルなんて気にしたって仕方ない。人より劣ってるとか勝っているとか、そんなこと気にしてたら切りがないじゃないか。萎縮したってしょうがないじゃないか。俺は俺だ。楽しく走ろう。知らない町、知らない対戦相手。知らないチームメイト。上等じゃないか。いっしょうけんめい駆けっこしよう。2.24kmのドライブをしよう。
それでもスタートの時間が来ると緊張してくる。先頭ランナーが5区を出発したと係員が告げる。数分で先頭ランナーがカーブを回ってくるのが視界に入る。1人目、2人目、我がチームはまだ来ない。3人、4人、まだ見えない。やがてようやく我がチームのランナーが飛び込んでくる。
夢中でたすきを受け取ると全力で駆け出す。
スタート直後の角を曲がると長い直線に出る。500mほどで一人抜く。さらに走ってゆるやかな上り坂に入ったところでまとめて二人抜く。一人は小学校3年生くらいのちいさな女の子だ。抜くのは大人げないかとも思うが、悪いけどこっちもヒッシである。
駆けっこで人を抜くなんて人生始まって以来のことである。軽く感慨に浸りつつ走っていると、突き当たりを左に曲がる。
コースマップでは、もう少しで中継地点のはずだ。スパートをかける。
が。
スパートをかけたはいいが、ちっとも中継所が見えてこない。まさか道を間違えたか。地図を見間違えたか。スパートが続かずに見る見る失速していくのが自分でも分かる。ゴールが見えないのはつらい。すごくつらい。も、もうちょっとのはずなんだが。。。
息も絶え絶えで、ようやく中継所にたどり着く。7区にたすきを渡すと同時に、全身の力が抜けた。
結果、我が西川シャンクス、地区外一般3位。初出場で堂々たる成績だ。チーム全員に記念メダルが渡される。運動会でメダルをもらうのも生まれて初めてである。まさかこのトシになってこんなものをもらうなんて。
終了後、メンバー全員で温泉に行き、汗を流す。露天に浸かりながらレースのことやきょうの走りのことをくだけた雰囲気で話す。とても初対面とは思えない気楽さだ。
風呂から上がって、まとめ役の方が用意した反省会の会場へ移動する。借りてあった地元の公民館で焼肉。美味しかった。感謝である。
途中、別のレースを終えたランナーも合流して、楽しいひとときだった。来週初フルだと言うと、みんな親切にアドバイスをしてくれた。
美しい風景の中を息を弾ませながら走っていくのは、何とも言えない気持ちだ。
走る楽しさを存分に味わわせてくれた、すばらしい一日でした。
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