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2006年12月25日 (月)

daybreak comes

風邪もほぼ治まり、またいつものランニングに出かける。
朝6時。夏ならすでに日差しがきついくらいの時間だ。でもいまは12月。暗い。とても暗い。固くてタフでタイトな暗さ。
バイパスの跨線橋から見下ろすとヘッドライトしか見えない。薄明にもならない時間。夜の終わりの時間。夜の尻尾が長く長く横たわっている時間。


Daybreak01


闇の中を走る。2キロ、3キロ。足を踏みだすごとに少しずつ、ほんとうに少しずつ、まわりが明るくなってくる。照らされる明るさじゃなく、夜露や霜が光を放つ感じ。それ自体ぼんやりとした光の粒子を帯びてくる感じ。コントラストのスライダーを少しずつ動かしていく感じ。幕が開けるように夜が明けていく。
やがて太陽が雲を割って姿を現す。空いっぱいに巨大な鳥が羽を広げたような雲の縞が現れる。黒とオレンジ。闇の色と光の色。
フォームを維持することに集中して、ぼくはそこへ向かって走っていく。5キロ、6キロ。
闇とオレンジが、ごちゃまぜのパレットの絵の具のように混じり合っている。
誰もいない小道は霜が降りていて、その中心に向かってまっすぐに伸びている。ぼくはそこへ向かって走っていく。凍った草がフリンジみたいに並んでいる。

目を閉じると、夜が明けていくかすかな音が聞こえた。
たしかに聞こえた。


Daybreak02


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