iPod nano購入作戦その2
本社の報奨システムでiPod nanoを獲得しよう作戦、その後。
本社の物品担当はNさんという50代の女性だ。
報奨システムに限らず、すべての物品および経費請求はこのNさんにお願いする。
Nさんは本社トップに決済をもらって物品を購入する。
請求も受け渡しも、すべてNさん。したがって彼女にお願いする段階で「この請求はちょっと・・・」と言われたら、それで終わりだ。
NさんにiPod nanoの話を持っていく前に、前もってさまざまな計略を巡らせていた。
「画像が確認できる外付けのストレージ」と言う線が無難かと思われた。しかしiPodはいまや高い知名度のマシンである。いくら「仕事に使うものなので」と言ったところで、iPodと言う名前を出したとたんバレバレである。
まぁいい。同様の報奨システムで海外旅行やら高級ディナープレゼント、という会社もある。でもうちは固い目的以外はダメ。飲食はもちろん、遊び関連は請求が通らない。iPodはグレイゾーンだ。もしはねられたら、そのときはそのとき。すっぱりあきらめよう。
で、先週の火曜日、Nさんに話を持っていった。
あああああのあのう、外付けで画像が見れるっていうその、ビューワーと言うか外付けメモリと言うか、そういう機械が欲しいんですが。ああああの、アップルっていうあんまり知名度の高くない会社の、何だかよく分からない機械で。なんだかカタログでしか見かけないようなマイナーな機械なんですが。困りますよねマイナー会社の専門機器って。零細企業が専門家向けに細々と家内制手工業で作っているような、工芸品みたいな機械なんでしょうね。ははは。いやぼくも見たことがないんでなんとも分からないんですが。名前?名前ですか。ええっとたしかiPodの、ええと、nanoとかいう機種なんですが・・・。色は赤モデルがいいのですが・・・。
Nさん。
ええ?iPodですか?知ってますよ!先週、うちの息子が買ってきたんです。ええ、ネットで、たしか青いのを買っていました。いまはこんな小さくて、何千曲も聞ける機械ができてるんですねー。なんだか裏に文字も彫ってもらえるんですってね。刻印サービスっていうんですか。○○さん(ぼく)、文字も付けてもらいます?
おおおおっっ!
何だかとんとん拍子に話が進んだぞっ!
Nさん、ぼくの「iPod零細企業マイナー商品説」は「聞かなかったこと」にしてくれた。
で、何が何だか分からないうちに刻印サービスまで代行してもらえることになった。
やった!
Nさん「で、文字はなんて入れますか?」
ちょっと悩んだが、5年のバースデイの文字を入れてもらうことにした。
「5th birthday kaoru」。
うーんちょっとクサイ・・・恥ずかしい・・・・。
でもまあいいか。
で、それを見たNさん。
「ええ?カオル5歳って、○○さん(ぼく)って5歳の娘さんがいるんですかっ?!」
い、いやそうじゃなくって・・・。
Nさん「去年結婚したばっかりですよね?」
そ、そうですが・・・
「まさか、ひょっとして・・・」
(なんだよひょっとしてって)いやそのあの、妹の子ども、め、姪っ子の誕生日用に・・・。
「なーんだ、そうだったんですか!姪っ子さんのお名前ですか!ハハハ」
は、ははは・・・。
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