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2006年8月 7日 (月)

フジロック参加日記その3

06年8月29日(土)
目が覚めると朝の7時過ぎ。ケータイで天気を調べると、この日の降水確率は30%から40%くらい。レインウェアは上着だけ持っていくことにする。
途中でキャンプサイトの仮説入浴場、富士の湯のそばを通る。ものすごい人数が並んでいる。並んでいる上に、出てくる人の姿がない。おそるべし、富士の湯。
Fujinoyu01


この日はレッチリが出演する、もっとも多い人出が予想されている日。入場ゲートに向かう人波も、きのうに輪をかけて多い。
まずはオアシスエリアで朝食。妻はもち豚丼。ぼくはたまごとお肉の丼物。どちらもバカウマ。具もさることながら、お米の美味しいことったら。
Donmono01


この日の予定は特に決めていなかったが、空いているうちにドラゴンドラでサイレント・ブリーズをめざすことにする。チケット売り場で乗車券を買い、乗り場をめざして歩き出す。が、行けども行けども乗り場にたどり着かない。遠い上に、急斜面の上にある。山道を10分ほど歩き、ようやくドラゴンドラ乗り場にたどり着く。
ドラゴンドラと言う名称は、ユーミンが考えたそうだ。どうしてドラゴン?と思ったが、乗って見て何となく命名の理由が分かった。ふつうのゴンドラはそんなに起伏はないのだが、このコースはアップダウンがとにかく激しい。急な山をいくつもまたいでいるため、山の斜面に沿って上り下りをくり返すのだ。途中の景色は絶景。緑色の湖、各ステージのカラフルなテント、そこに集まる人びとが見える。
Doragondora02


山頂に到着すると、そこはサイレント・ブリーズ。カッパやトラの着ぐるみを着たりハイジに扮したスタッフが、客を誘って大縄飛びやだるまさんが転んだをやっている。さらに上の見晴らし台にハイキングに行っている人影も見える。緑の下草の上にすこし霧がかかっていて、幻想的な光景。
Silentbreath01


コーヒーハウスに入って休んでいると、すぐ近くにスタッフエリアがある。見て見ると「ギターパンダ」と書かれた段ボール箱を発見。ひょっとしてギターパンダが出演するのか?そう思って周囲を見渡すと、どうも見覚えのある男性が律義にギターで運指練習をしている。思い切って話しかけて見ると、案の定ギターパンダこと、山川ノリオさんでした。聞けば、じき山頂上り口付近でアコースティックライブを行うと言う。おお、まさかフジロックでギターパンダが聞けるとは・・・。

Guitarpanda01


ギターパンダ、ほんとうにやってくれました。
マイクもPAもない、ほんとうに肉声とアコースティックギターだけの生ライブ。
しかし、フジロック中でもっともいいライブでした。うたをうたおう、ロックンロール・ギタリストなどの名曲をちからいっぱい歌う山川さん。楽しく、胸を打つライブでした。

ギターパンダがあまりにもすご過ぎて、地上に戻ってきたのは午後1時半すぎ。ぽつぽつと雨が降りはじめてきた。人の数もますます増えている。そのまま人込みをかき分けるようにヘブンステージに移動。ロックンロール・ジプシーズを見る。
前回、荒吐で見たジプシーズは、ギターの下山淳のコンディションがあまり良くなかった。今回はどうだろうか。往年のあのエッジの効いたギターをすこしだけでも聞かせてくれないだろうか。そう思って行ったのですが。
今回のジプシーズ、切れ味抜群。とくに下山のギター。カッティングもソロワークも、これでもかと言うほど鋭い。ジャキッとしたカッティング、ぞくぞくするような、むせぶような、うなるようなソロフレーズ。花田のギターと絡みつくと、さらに凄みを増す。
アルバムで聴いた曲が、まったく違った解釈で耳に届く。まさにこれぞロック。
ふだんライブでメンバーの名前を叫ぶことなんてないんだけど、このときばかりは自然と花田や下山の名前を叫んでいた。何だか熱いものが胸に込み上げてきた。
Nukarumi01

その後、同じヘブンでTHE BENEVENTO/RUSSO DUOを見る。ドラムとキーボードのインスト演奏。なかなか気持ちいい。が、なにせずっと立ちっぱなし。妻が地面にしゃがみ込んで眠りそうになる。
ここで昼食。ヘブンの屋台の一つ、さくらぐみのピザを食べる。BBSなどで話題になっていたピザ屋だ。長蛇の列だったが、辛抱強く並んで購入。これもまたバカウマなり。チーズがね、上品なブルーチーズテイストなんですよ。
Pizza


この辺から雨足が強くなってくる。朝調べたときは、午後は30%の予報だったのだが。山の天気予報は当てにならないことを思い知る。
遅い昼食を済ませ、レッドマーキーへ移動。Jenny Lewisを見る。フジロックで唯一天井のあるステージ、レッドマーキー。案の定、雨を避けるひとたちでいっぱいだ。中ほどまで入ると、イスを広げている人が相当数いることに気づく。中には持ち主不在の場所とりイスも多数。うーん。
Jenny Lewisは、ちょっとストレンジなカントリー/フォーク。素直なフォークじゃなく、どことなくディープでビョーキっぽい匂いのする、変態フォーク気な感じ。あやしいミニスカートのジェニー。ジェニーとおそろいの衣装の、双子の女声コーラス。演奏のレベルは高い。歌がハンパじゃなくうまい。
ずっと聞いていたかったが、今回フジロックに来たお目当ての一つ、ソニック・ユースの時間が近づいてきている。泣く泣くグリーンへ移動。
グリーンステージは、通路後方までびっしりと人がいる。人、イス、レジャーシート。初日にはとても人が踏み込まないだろうと思えた奥地まで、どこまでも人がいる。人波をかき分け、ミキサーブースやや前方まで移動。ミニスカートのキム・ゴードンが登場。続いて、長身のサーストン・ムーアが登場。立て続けに曲を演奏しはじめる。
演奏はとても良かったのだけど、この辺から長時間立ちっぱなしの疲れが出てきて、演奏を楽しめなくなってくる。ギターの音もドラムの音も、聞こえてはいるけれど胸に入ってこない。鼻の奥とノドが痛い。風邪の引き始めの予感がする。
ソニック・ユースからレッチリまでずっとグリーンに陣取っていようと考えていたが、体力の限界であえなく予定変更。いったんワールドレストランとレッドの間の、森へ移動。ア・シードジャパンのゴミ袋を広げてしばらく仮眠。
で、目が覚めてグリーンに移動しようとしたらスゴイことになっていた。あたりはすっかり日が暮れて真っ暗。次のステージ、レッチリ待ちの人びとがだだっ広いグリーンの会場中にひしめき合っている。足下さえよく見えない中を何とか進もうとするが、そこら中にイスが置いてあって転びそうになる。危ないことこの上ない。
レッチリはとてもテンションが高く、すばらしい演奏。フリーのベースもさることながら、ジョン・フルシアンテのギターがこれほどすごいとは思わなかった。途中でジョンのボーカルで、ビージーズの「愛はきらめきの中に」を演奏。ファルセットが美しい。ラストは「バイ・ザ・ウェイ」の大合唱。バンドと観衆の一体感あふれる、スリリングなステージでした。

終演後、クリスタル・パレス・テントに移動。
戦前のビッグバンドジャズに合わせて踊り狂うひとたち。最初はわれわれ夫婦も見ていただけだったが、いつのまにか人びとに交じって踊っていたのでした。
結局、テントに引き上げたのが夜中の2時くらい。テントはまだまだ盛り上がっていたけれど、体力の限界。
またしても自分たちのテントを見失い、20分ほどグルグルとあたりを探し回り、ようやく見つける。いつの間にか雨は上がっていた。

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