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2006年6月28日 (水)

変態村

変態村。まさに変態でした。
登場人物が、主人公以外マトモなひとがひとりもいない。変態と言うか、いわゆるサイコなひとたちがこれでもかと登場します。
変態さんたちに翻弄され、悪夢のような変態世界から抜け出すことの出来ない主人公。
「これは愛の物語でもある」とチラシに書いてありましたが、そんなこたぁないと思います。
この映画の目的は、いかに観客を不愉快にさせるか。ひとの神経を逆なでし、ヤな気持ちにさせるか。それだけだと思います。
例えて言うなら、ひとに向かってガラスに爪を立てる音を聞かせるとか、発泡スチロールを床にキーキーこすりつけるとか。これはそういうイヤガラセ行為の、いわば映画版かと。
村人のひとりがピアノでものすごーくイヤな曲を弾き、それにあわせて村人たちがイヤーなダンスを踊る場面。
あるいは、主人公は絶望のあまり泣き叫び、サイコさんAとサイコさんBはクリスマスツリーの前で高らかに笑い続け、両者をグルグルとカメラが回転して撮影する場面。
こういう奇妙でクレイジーな場面がエンエンと続きます。
スプラッターやエログロが少ない分(ゼロじゃないけど)、こういうクレイジーなシーンに否が応でも付き合わざるを得ません。
映画の筋書き自体は、ホラー映画によくあるパターン。主人公が地図にも載っていない人里離れた山奥でクルマがエンコし、謎めいた旅館に泊まる。そこの主人に「あそこだけは行ってはいけない」と言われた近くの村。そして主人公に襲いかかる数々の不条理な出来事。
何となく、SWANSという前衛バンドを思い出しました。あるいはルー・リードのアルバム、メタルマシーンミュージック。
ものすごくイヤな映画を観たい。イヤな体験をしたい。あるいは、とにかくインパクトのある映画を観たい。そう言うひとにはオススメです。
原題は「受難」の意味なんだって。たしかに主人公にとっても観客にとっても、受難としか言いようの内映画です。

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