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2005年10月24日 (月)

スティーブ・アルビニに激しく同意の巻

定期購読しているサウンド&レコーディングマガジン、通称サンレコ。
ぼくごときにはハイレベルすぎて読んでてチンプンカンプンな記事ばかりなのだが、時にハッと気づかされるような記事も多い。
11月号は、プロデューサーを取り上げるコーナーで、なんとスティーブ・アルビニが取り上げられていた。
スティーブ・アルビニ・・・。
その昔、ビッグ・ブラッグやレイプマン、あるいはプッシー・ガロアなど、バンド名同様の過激なサウンドのバンドを組み、アンダーグラウンドにそのひとありと言われたお方である。
その後、P・J・ハーヴェイやニルヴァーナのプロデュースをしたとは聞いていたが、近ごろの仕事はまったく知らなかった。
まさか、サンレコで取り上げられるようなメジャーな存在になっていようとは・・・。
記事を読むと実にいろんな人たちと仕事をしていたことが分かって(ジミー・ペイジ&ロバート・プラントとか)おもしろいんだけど、それはともかく。

このひと、デジタル機材をほとんど使わないらしい。とくにPC。業界のデファクト・スタンダードであるProToolsをまったく使わないレコーディングを続けているそうだ。
その理由として、彼はこう述べている。

オレに言わせれば、コンピュータ上で音楽を作る方が効率はずっと悪い。(中略)アナログの世界ではやることは決まっている。必要なのは機材と機材を接続することだけだ。デジタルは出来ることが多い分、うまくいく方法を試さなければならず、その試行錯誤に時間がかかる

名言なり。
たしかに、PCでの音楽制作は効率が悪い。
たとえばループ素材を選ぶのにしたって、サンプリングCDやネット上のループ素材を聞いて、それを使えるかどうか判断するだけで膨大な時間がかかる。
演奏のできが悪ければ、波形編集でいくらでも正確な演奏に修正できる。が、気がつけば波形編集に膨大な時間を費やしてしまい、リテイクで演奏し直した方がはるかに手っ取り早かったりする。
ギターのエフェクトだって、生音を録音しておけば後でいくらでもアンプシミュレータで音を作れる。そのトライ&エラーにはこれまた膨大な時間を要するが。

要するに、PCでの音楽制作は自由度が高くハイクオリティな分、選択肢をチョイスする作業が莫大になるのだ。
もちろん、選択肢が広いこと、それ自体は悪いことじゃない。
ぼくのようなアマチュアでもクオリティの高いレコーディングができる可能性がある。
が、アプリケーションの習得にせよパラメータの決定にせよ、かなりの手間ひまがかかる。自分の求めるサウンドが現れるまでに、無数のトライ&エラーを繰り返さなければならない。
その間にもっと音楽的なこと-楽器を弾いたり曲を書いたりフレーズのアイディアを練ったりさまざまな音楽に触れたり-に費やせたかもしれない時間が、PCのモニタとにらめっこしながら、わずか数秒の音の断片をもてあそぶことに消えていく。

スティーブ・アルビニの言うことは正しい。
彼はほかにも、オーバープロデュースに対してものすごく批判的だ。音楽は、演奏家がスタジオで演奏したものを最良に録音しミックスできればそれが最高。必要なのはアーティストの個性であり、プロデューサーの個性ではない。
彼はリバーブさえほとんど使わず、コンプで音圧を稼いだサウンドにも興味を示さない。
「オレはコンプレッサーなる装置のサウンドが聴きたいんじゃない。バンドのサウンドが聴きたいんだ」と。

良いこと言うねぇ、アルビニちゃん・・・。
ぼくは相変わらずableton Live5でギターの練習を続ける毎日だけど、あなたのその辛辣な意見は忘れないようにするよ。

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