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2005年9月 2日 (金)

さよならReBirth RB-338

きのうメールをチェックしていたら、なにやら英文のメールが入っているのに気がついた。
開いてみると、どうやらpropellerhead社のプロモーションメールらしい。
おお、何か新作ソフトの優待案内かな?
が、それにしてはメールのトーンがあまり華々しい感じがしない。何やら暗い感じ。

>Dear ReBirth user

で始まるこのメール、いったいなんだろう・・・ついに待望のOSX版のReBirthが登場したか?

・・・が。
内容はまったくの逆でした。
DTMの先駆的ソフト、ReBirth(りばーす)。
ついにその開発が終了したという案内でした。
要約するとこんな内容。
・プロペラヘッド社はReBirth RB-338のアップデートおよび開発、サポートのいっさいを終了しました。今後アップデートが登場することもなければ、MacOSX版が登場することもありません。
・ReBirthは先進的なソフトでした。しかし登場からかなりの年月が経っており、その間にコンピュータミュージックをめぐる環境は大きく変わりました。
・われわれはちいさな会社であり、限られた開発リソースしか持っていません。今後、そのリソースをより新しいソフトウェアの開発およびサポートに費やしていきたいと思っています。
・ReBirthはこれ以後、フリーウェアとして公開します。
・ReBirthのアップデートは終了しました。しかしREBIRTHはまだまだ十分に動作します。もしあなたがReBirthを使った音楽制作をしているのなら、どうかそのまま続けてください。このソフトは音楽史に、小さくとも確かな足跡を残した宝石なのですから・・・。

ReBirthは、ぼくがはじめて購入した音楽ソフトだ。
DancePac forMacと言う、ReBirthを含めて三つのソフトがパッケージされたセットだった。
正直言って、使いこなせなかった。
当時のぼくは強迫的飲酒が止まるか止まらないかの間で揺れていて、DTMに取り組む時間も精神的な余裕もなかった。
それでも、ReBirthというソフトの先進性と能力にはとてもおどろかされた。

ReBirth RB-338はローランドのTR-808、TB-303と言ったアナログのリズムボックス、シンセベースをソフト的に再現したものだ。再現だけにとどまらず、各種のエフェクタも搭載しており、曲のプログラミングもできる。エフェクトをリアルタイムで変化させ、それをあとで再現することもできる。ReBirthさえあれば、テクノの1曲くらいはそのまま作れてしまう。
パソコンで曲が1曲丸ごと作れてしまう。いまでこそ当り前だけど、はじめてこのソフトを触ったときには感動した。
高機能リズムボックスを再現したフォルム。デモ曲を再生している途中でも、パラメータを変えるとリアルタイムで音が変化するダイナミズム。
「TR−808を使った曲作りがパソコンで完ぺきに再現できる」というのは、とてつもない驚きだった。

が、ぼく自身はそれ以後、DTMに取り組むのはかなり後になってからだった。
その間、名機TR−808やTB−303のコピーはあちこちで見られるようになった。本家プロペラヘッドのキラーソフト「REASON」にだって、TR−808に近い音が入っている。わざわざReBirthの操作を習得し、ReWireで接続して使う必要性を感じなかった。
ぼくの場合、OSX版がない、というのも大きかった。使いたくてもOSX環境に対応していなくては使いようがない。
そのままほかのソフトを使っているうちに時は流れ、こうしてついにReBirthは開発を終了してしまった。

それでもやはり、このソフトはいまだにすごい、と断言できる。
ぜひ、プロペラヘッド社のサイトからフリーウェアになったReBirthをダウンロードして欲しい。
そしてデモ曲を再生して欲しい。
このサウンドを自分のPCが鳴らしているんだということに、きっと感動するだろうから。
手持ちのPCで自分でも音楽が作れるんだということを、きっと実感できるだろうから。
それにしても、ReBirthがフリーウェアかぁ・・・。

propellerhead
↓こちらから無料ダウンロード可能。要ユーザ登録。英文だけど途中から日本語にできます。
ReBirth museum

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