AAの出版物を読めば、ひとりでも飲まない生き方を達成できるでしょうか?
回復のプログラムの基本原則がまとめられた″ビッグブック”つまり”アルコホーリクス・アノニマス”を読んで飲酒をやめたというひとも、中にはいます。けれどもやめたいと思ったひとのほとんど全員が(それができる環境にあるなら)、飲まない生き方の経験を共有できるアルコホーリクのひとたちの中でそれを見つけ出しました。
AAのプログラムは、ほかのひとたちとともに行うプログラムだということを認め、受け入れたとき、もっとも効果が表されます、地元のAAグループの中でいろいろなアルコホーリクたちといっしょにやっていく中で、自分自身の問題にもっと目を向けることができるようになり、その対処の方法が身に付いていきます。
44 Q&Aより
きょうたまたま手に取ったAAの冊子に書いてあった一文だ。
「本を読んで酒が止まるひとも、中にはいる」と、この冊子には書いてある。
しかし、仲間とともにAAに参加しプログラムを実践することで、もっともその効果が現れるのだ、とも。
ここ。
「地元の」と言う表現が目に留まった。
この短い文章の中で、何でわざわざ「地元の」と言うことわりを入れているんだろう。
AAの文章には、こういうちょっとしたフック(ひっかかり)があちこちに隠されている。
流して読んでいたときにはまったくこころにとまらなかった文章が、ふとしたはずみに目に飛び込んでくると、やけに意味深長に思える。そしてわずか1,2行の文章から、いろんな気づきをもらえる。
よそのエリアのミーティングは温かい。
海外でも国内でも、よそのミーティングにお邪魔したとき、仲間はいつも温かく歓迎してくれた。
穏やかでジェントルで、やさしくイスやお茶を勧めてくれた。
とても居心地のいいもてなしだった。AAの精神、愛と共感を感じた。
でも、たぶんそれだけじゃダメなんだ。
地元のホームグループにとどまることが大事なんだ。
イスを並べ、コーヒーカップを洗い、ゴミを持ち帰り。
グループのミーティング案内を作り、休日を会議で費やし、ビジネスミーティングで思い切って意見を言い。
強面の先行く仲間にビビり、新しい仲間の回復を焦る姿にハラハラし、考えの異なる仲間を理解しようと努力し。
そう言うことの積み重ね、時には苦い味わいの経験。
それが回復に役立っていくんだと思う。
飲んでいたときぼくは、ちがう意見の人間とは、そもそもいっさいの関わりを持たないようにしていた。
自分とは異なる考えの持ち主は、うわべだけ調子を合わせるか、さもなくば頭から拒絶した。
そのくせ自分のことは理解して欲しかった。
なにもいわなくても、分かって欲しかった。
そしてもちろん、そこから先はどこにも行けなかった。
まずはホームグループに踏みとどまること。
仲間を理解しようとつとめること。
「ちがうところさがし」ではなく「おなじところさがし」をしてみること。
そうしていくうちに、いつの間にかほんとうの意味で「仲間」ができたような気がする。
さっきの文章は、こんな風に終わっている。
そこにいるひとたちは、過去に自分と同じような経験をしたひとたちであり、また現在抱える問題や希望を共有できるひとたちであることが分かってくるに従い、飲酒にとらわれた一番の要因とも思えた孤独感が取り除かれていきます。
ほんと、そう思うよ。
ピース。
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