みんなのためのルールブック
ひとの本棚はおもしろい。
意外な本、知らなかった本、知っていたけど手に取る機会がなかった本など、いろんな本に触れることができる。
まったく知ることがなかったジャンルを知る機会になったりする。
今回、友人の職場の本棚からおもしろい一冊を見つけた。
アメリカのある小学校の先生が書いたこども向けの本で、じっさいにその先生自身が授業で使ったルールをまとめたもの。
「あたりまえだけど、とても大切なこと」と言うサブタイトルが示す通り、学校という社会で生活する上で、そして生きていく上でたいせつなことが50項目にまとめてある。
シンプルで、なかなか奥が深い。
たとえばこんな調子だ。
「ルール2 相手の目を見て話そう」
「ルール6 誰かに質問されたら、お返しの質問をしよう」
説教臭くないのがイイ。
ウェットで説教臭い道徳話や美談ではなく、あくまで「ちょっとしたことだけど、じっさいに役に立つたいせつなこと」をまとめているのがイイ。好感が持てる。
いまどきのアメリカの学校で、人生観というか、ある種の道徳を学校で提示している先生がいる、というのもちょっと驚いた。この本を開くと、「そうだよなー。ゆとり教育とか総合学習で『町を調べよう』とか言う前に、こう言うのってたいせつだよなー」と思う。
著者の先生(ロン・クラーク氏)自身のポジティブな人生観が反映されていて、読んでいると希望が持てる。
アメリカでは学校というのは単に知識を伝授する場で、道徳やマナーに関すること、ましてや教師の人生観が反映されることなんて、まったくないものだとばかり思っていた。偏見ですね。すみません。
こども向けの本ではあるけれど、オトナでもドキッとするようなことが書いてある。
「ルール29 食べ物を欲張って取らない」
「ルール37 お世話になったひとにはお礼を言おう」
うう、すみません。
バイキングでいっぱい皿に盛ってきて結局は残してしまうひと。ぼくです。
忙しさにかまけて、ついお世話になったひとにお礼を言いそびれてしまうひと。ぼくです。
楽しいイラストで彩られたこの本、当分たのしく読めるにちがいない。
「あたりまえだけどとても大切なこと」を忘れず、ちゃんとしたオトナになりたいものです。
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