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2005年6月 9日 (木)

SONEVAFUSHI RESORT ニュースも靴もない国

モルディブで、SONEVAFUSHI RESORTと言うところに泊まってきた。
首都マーレに着いたのが深夜。
そこで一泊し、翌早朝に水上飛行機でSONEVAに出発する。
1時間ほどでSONEVAに到着。
モルディブはどこも、基本的に一島一リゾートになっている。SONEVAもその例にもれず、その島丸ごとひとつが「SONEVAFUSHI RESORT」になっている。
水上飛行機からボートに乗り換えて島へ向かう途中、布の袋を渡される。
「NO NEWS NO SHOES」。
この島にはニュースも靴も必要ありませんよ、ニュースも届かないし靴も履かない、現実と隔絶した生活を送ってください。この施設のコンセプトを象徴するフレーズ。
われわれはボートの中でその袋の中に靴を封印し、以後、じっさい靴を履かなかった。
ゲスト一組に対してひとりの執事がつく。
この島はロビンソー・クルーソーを意識して作ってあり、ロビンソンの従者になぞらえて「ミスター(またはミス)フライデー」と呼ばれる。
われわれにはPさんと言う、若い女性の執事がついた。
以後、食事の案内や各種アクティビティの手配など、すべて彼女に頼むことになる。
またとくに頼むことがなくとも、顔を合わせるたびに「たべものはどうですか?」とか「あすは天気が良いと良いですね」とか、なにくれとなく話しかけてきてくれる。異国で萎縮しているわれわれにとって、彼女の存在はとても大きかった。

SONEVAはシーズンオフのせいもあり、とても人が少なく、静かだ。
わずかに数名のゲストもひっそりと滞在しており、顔を合わせることはほとんどなかった。メインレストランで1〜2組のゲストに出会ったが、われわれと顔を合わせるとあいさつをかんたんに交わすものの、それ以外は自分たちのテーブルでささやくように会話しているだけだった。
この「ささやくように話す」というのがこの島の流儀らしい。
ウェイターもルームアテンダントも上品に微笑み、ささやくように英語を話す。
静かな島。
静かなスタッフ。静かなゲストたち。
唯一の例外がミス・フライデー(ゲスト・リレーションズ・オフィサーと言うのが正式な役職名らしい)のP嬢だけで、彼女だけは元気いっぱいに話しかけてきた。
途中で音楽の話になると、「わたしのCDを貸してあげる」と言ってヒンディー・ポップのCDを貸してくれた。
それからしばらくは、部屋のCDデッキでメランコリックなそのCDを聞き続けた。

部屋はゲスト一組につき一家屋になっている。
「ヴィラ」と呼ばれる、木と漆喰とヤシの葉っぱで作られた住まい。ソファとクッションがあちこちに置いてあって、目の前の砂浜と海が見える。裏手は半屋外のシャワーとバスタブになっていて、太陽の光の中で入浴ができる。
この島はほんとうにしずかだ。
鳥の声、沖を行く船のモータの遠いうなり。風と波の音。
それ以外にほとんど物音は聞こえない。
TVをつけるが、もちろん番組なんて映らない。ここのTVはDVD視聴用だ。TV番組なんて映らない。
ニュースも靴も必要ない国。
目を閉じると、太陽が降り注ぐ音まで聞こえてきそうなくらい。

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