雪の女王
NHKの雪の女王がイイ感じだ。
中世ヨーロッパの田舎町。
貧しいけど助け合って生きている少年と少女。
ある日、男の子が雪の女王にさらわれてしまう。家族も村の人々も男の子の死を信じて疑わない。女の子だけが彼の死を信じず、彼を探すたびに出る。
いいなぁ。こういうの。
正当派こどもアニメ。ハイジとかラスカルとか家なき子とか、そういう正しいこどもアニメをこの西暦2005年に堂々と作っているのがすばらしい。
監督は出崎統。そう、家なき子、ベルサイユのバラ、あしたのジョー2、宝島、エースをねらえ!ガンバの冒険などの名作アニメの数々を生み出したあのひとである。
太い線。
きらきらひかる透過光演出。
骨太というか大仰というか、めったやたらとドラマチックな演出。
「ごーん!」という効果音とともに画面が劇画調になって止まるおなじみの演出。
いやー、もうこのひとの演出は完成されているよ。なにせ、ベルバラやあしたのジョー2のころとぜんぜん変わってないもの。CGとか使ってても、アニメの質感は70年代のまんまだもの。変わらないのは、変わる必要がないからなんでしょうね。
今回の雪の女王、第一回目は「あれ、出崎演出、今回はちょっとおとなしめかな?」と思いました。
(それでも朝日新聞には「光り過ぎ」と書かれていたんだけど)
でもその後、じわじわと出崎節がにじみ出てきた。
第2話でゲルダ(女の子)のおばあさんが病気になって、カイ(男の子)の父親が吹雪の中、隣町まで医者を呼びに行く。もーあまりの激しい演出に、てっきりお父さんが死んじゃうんだとばっかり思いましたよ。
激しいわ。出崎演出。
webのトップページやオープニング、エンディングに見える銀色の狼、その隣のナゾの人物も期待をそそられる。
以前の出崎アニメに出てきた誰かに似ているような気もするけど(宝島のシルバー?)。
第5回目ではもうお約束とばかりに、ゲルダちゃんがお金を全部なくしちゃいます。
こういうシーンを見ただけでもう異常に感情移入しちゃうワタクシ。
くじけちゃいかんっ!かならずカイに会えるぞっ!
今後も期待大なり、雪の女王。
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